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国際学部

斎藤文彦ゼミ
Great Power Comes with Great Responsibility.
「リユースびん」ビジネスの現場

2020.01.27「リユースびん」ビジネスの現場

国際学部 斎藤文彦ゼミ

新年初めての記事になりますが、私達斎藤ゼミでは1月15日に京都の伏見区にある吉川商店さんを訪問させてもらいました。吉川商店さんは京都の酒どころである伏見で一升びんを中心とするびんを洗浄し、再利用する「リユースびん」ビジネスを行っている工場です。使い終わったびんを処理してしまうより洗びんして再使用したほうが、環境負荷が少なくて済みます。新びんを使った場合と比べ約9割もの温室効果ガスの削減効果があるそうです。

私達は吉川さんの話を聞きつつ工場内を見学させてもらいました。工場内には大量のびんがケースに収納され高い壁のように積まれていました。そのびんを機械で水圧を使って洗浄し、最後は人の目でチェックして機械で剥がしきれなかった細かいラベルなどを処理していました。機械で効率化しつつも人の手によって念入りなチェックをしている点は印象的でしたし、人の手にしかできない工程もあるのだなと考えさせられました。

また、洗浄のための水は京都の地下水を利用しており、使用後の水も排水しても良いレベルまできれいに濾過してから排水していると聞き、環境問題に高いレベルで取り組んでいるのだなと思いました。

工場見学の後には吉川さん自身からリユースびんの現状を学びました。今はまだ普及率が低いものの、環境負荷発生量の少なさから推進されるべきだという思いを聞くことができました。事実、京都市はごみの発生を抑制し,リサイクルより環境負荷の小さいリユースびんの利用促進を目指し,平成16年6月から「拠点回収ボックス」の設置を開始しています。今回吉川商店さんを訪問したのは、リユースびん事業のことはもちろんですが、それに加えて吉川商店さんが太陽子発電を導入しているという点も訪問する決め手でした。吉川商店さんはきょうとグリーンファンドと協力して、工場の屋上に太陽光パネルを設置しました。費用は市民からの寄付・設置協力金、きょうとグリーンファンドの「おひさま基金」、吉川商店の資金、京都府再生可能エネルギー設備等導入補助事業補助金等でまかなわれています。実際のところ太陽子発電で賄われている電力はわずか2%程度と小さなものですが、太陽子発電を導入するという行動に意味があるのではないかと思います。

見学を通して分かったことは、吉川商店さんは環境問題を真摯に受け止めており、持続可能社会の実現に積極的に貢献しようとしているということでした。そのような取り組みを目の当たりにし、私達も日々の生活を今一度見直す必要があるのではないかと思いました。

古宮 幸四朗(大阪商業大学高校卒業)