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経済学部

原田太津男ゼミ
3つの悪をグローカルに解決し平和の実現を目指す
平和学習 in 沖縄 ~基地&街歩き偏~

2017.10.10平和学習 in 沖縄 ~基地&街歩き偏~

経済学部 原田太津男ゼミ

はじめに
私たち原田ゼミは8月31日から9月4日まで沖縄に行ってきました。平和学習として基地問題を中心に学習し、沖縄は今後どうすべきか考えるために行きました。事前に何冊かの本を読み基礎的な知識をつけて臨みましたが、実際に行くとやはり知らないことが多く、戦争以外にも文化面、経済面で学ぶことがたくさんありました。
今回は少し長くなるので「基地と街歩き」と「ガマと戦争跡地」の2回分けて報告をさせていただこうと思います。ではまずは基地と街歩きから紹介します。

1.沖縄の意外な就職支援!?
私たちはこの5日で様々な場所を見てきました。なかでも初日に尋ねた県庁で島袋さんという方にお話を伺った際に、沖縄の経済について興味深い話を聞くことができました。
沖縄の方は大学や仕事に就く際、沖縄だけでは限りがあるため、本土に出ていくことが多いです。したがって沖縄は過疎化が進むため、私は一度本土へ出た沖縄県民が再び戻ってくるような政策を打ち出すものだと考えていました。しかし県庁の島袋さんのお話によると実際はそうではないといいます。一度本土へ向かった人は両親のいない環境のむなしさなどから帰ってくることが少なくないそうです。したがって沖縄県から再び故郷への帰国を促すような政策はないそうです。逆に、本土で技術と経験を積んでもらうため本土への就職支援を行っています。本土から技術と経験を積んだ人が帰ってくることで沖縄の成長を促し、失業問題を解決したいと考えているからです。私は人が出ていくばかりだと思っていたのでこのお話には驚かされました。

2.悲劇の沖縄戦
4日目に訪れた佐喜眞美術館では沖縄戦の図を基に沖縄戦とはどのような戦争であったのかを聞かせてくださいました。沖縄戦は日本軍を立て直すためのおとり作戦であったために、多くの住民が巻き込まれ、命を失いました。当時はアメリカの捕虜になれば残酷な仕打ちを受けるといわれており捕まる前に集団死を選ぶことがありました。しかし実際にそのような仕打ちを受けることはありませんでした。私が佐喜眞さんのお話の中で特に印象的だったのはなぜそのようなうわさを信じたのかということです。佐喜眞さんのお話によれば昔日本は他国に対して残忍な仕打ちをしたことがあるからだといいます。例えば「耳塚」とうい言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。耳塚とは戦で首の代わり耳を埋めた塚のことですが耳だけでなく鼻をそぎおとすこともしていました。他にも戦争で捕虜を殺したり様々なことをしてきました。だからこそくだらない噂をうのみにしてしまったのかもしれません。噂を信じさえしなければ集団死などという選択を取らなくてもよかったと思うととても心が痛くなります。

3.基地のある生活
基地見学は「普天間基地」「嘉手納基地」の二つを様々な場所から見学し、県庁の方と宜野湾市役所の方に話をしていただきました。
これら沖縄県内にある基地について、初めに県庁の方にお話していただいたところ、沖縄県にある基地にはアメリカ軍4種(空軍、陸軍、海軍、海兵隊)全ての軍隊が駐在していて、それらが使用するのは陸だけではなく、訓練区域として空域と水域にまで及んでいます。文献で習ったように県としては基地について本土(政府)に抗議をして、返還を求めています。しかし県民については、「沖縄が復帰して40年も経つのにこれではだめだ」と基地に反対している人がいるなかで、反対に「仕方ない」と思っている人も多数いるのではないかと話されていたことには驚きました。基地のある生活に慣れるのは必然的なことかもしれませんが、私は基地があることは利点よりも欠点のほうが多いと思いますし、「仕方ない」という考え方をすべきではないと思います。
宜野湾市役所の方にお話を伺った際は、市役所の屋上から普天間基地を見学させていただきました。実際にジェット機やオスプレイなどが飛行している姿を見ることはできませんでしたが、その大きさには圧巻でした。沖縄県民のなかには基地内に墓がある人もいて、お参りに行くには(普天間基地の場合)まず、市役所に申請して、そして市役所が基地に申請をします。そこで米軍側から許可を得て、基地内への入出が許されるという流れです。私はこれを聞いて日本にいるのにお墓参りで手続きを踏まなければならないことが普通であるといえるのかと疑ってしまいます。

4.最後に
文化面では街を歩いた際、一見日本と何も変わらないように思いますが、アメリカに土地を接収されていた名残がありました。コザの中心街は英語表記の廃墟された建物が並んでおり、食べ物ではスパムなどアメリカでみるものが多く並んでいます。これらを見ると沖縄と本土の違いを感じられます。
基地周辺を回って思ったことは、基地問題はとても深刻だということです。私たち本土の人間にとって基地問題はなかなか実感がわかず、深刻な問題としてとらえることは難しいと思います。しかしもし自分の家の近くに基地があればそれに反対する気持ちもわかるのではないでしょうか。実際に行ってみて感じたのはジェット機の騒音がひどく、基地近くに住んでいる人はゆっくり休むこともできないということです。
この問題を沖縄だけのもととして考えず、同じ日本人である我々も一緒に考えていかなければならないと感じました。

笠松 龍希(京都府立向陽高校卒業)