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経済学部

原田太津男ゼミ
3つの悪をグローカルに解決し平和の実現を目指す
平和学習 in 沖縄 ~ガマ&戦争跡地~

2017.10.31平和学習 in 沖縄 ~ガマ&戦争跡地~

経済学部 原田太津男ゼミ

はじめに
今回は前回の続編として「ガマと戦争跡地」について書いていきたいと思います。前回の「基地と街歩き」編(10.10更新)では文化、経済など幅広い分野について理解を深めることができました。今回は特に沖縄戦について深く知ることができました。ガマと戦争跡地については、現地で長年戦争の遺骨収集の活動をなさってきた松永さんにガイドをお願いし、それぞれ説明していただきました。

1.勇気は命を救う
我々は今回轟豪(とどろきごう)というガマを訪れました。轟豪は東西およそ100メートル延びる巨大なガマで、避難豪として使用されました。このガマでは、戦時中米軍に攻撃されたにもかかわらず、日本兵は住民の脱出を許可しませんでした。なぜなら当時米軍の捕虜になると残酷な仕打ちを受けると信じられていたからです。このような噂は、沖縄県民から情報が洩れるのを恐れて日本兵自身が流したのかもしれません。そのため米軍に追いつめられると集団死を選び自ら命を断つことがよくありました。しかしこのガマでは男性2人が勇気をもってアメリカ兵と話し合った結果、ガマにいた人全員が米軍に保護されたといいます。
松永さんのお話では、このガマの人々が生き延びることができたのは<勇気>を持ったからだそうです。沖縄戦の末期に、もし自決を選択しなければ、もし米兵と話をしていれば、その勇気があれば、戦争で命を落とすことはなく平和な時代を生きられた人も多くいたことでしょう。周りの空気に流されず、<勇気>をもって行動を起こすことが平和につながります。
お話を聞いていく中でこのことは今の日本政府にもいえることだと感じました。今の日本はアメリカしか頼れる国がないからか沖縄に米軍基地を置くことを許可し、ひたすら米国との関係を最優先しているように見えます。しかし私はアメリカと真剣に話し合い、基地を取り除くべきだと考えます。アメリカとの関係だけを気にせず、基地撤去の姿勢を示す。その<勇気>が現在の基地問題を解決するために必要なことではないのかと思います。

2.恒久平和を願う石碑
皆さんは平和の礎(いしじ)をご存知でしょうか。平和の礎とは世界の恒久平和を願い、国籍や軍人、民間人の区別なく、沖縄戦で亡くなられたすべての人々の氏名が刻まれた記念碑です。記念碑に書かれる名前は今も更新されており、現在およそ24万1468人になります。
現在、北朝鮮の核問題が顕著化し、メディアではアメリカの先制攻撃はあり得るかと騒がれるほど大きな事態に発展しています。さらに北朝鮮のミサイルは日本の上空を通過し、我々日本人にとっても大きな問題であり、憤りを覚えると思います。しかし平和の礎を思い返すと戦争だけは絶対に避けなければならないと思わされます。平和の礎の意味、戦争で亡くなった人について考えると私はこの時代で生きられることが幸せだと感じます。戦争経験者が年々減っていく中で平和の礎のように戦争について記されたモノやミュージアムから学ぶことは大変大きなものです。戦争について学ぶことで戦争を軽視し、再び沖縄戦のような悲劇を起こさないための抑止力になります。私は戦争を知る人がいなくなった後世でも争いを起こさない世界であってほしいと願っています。

3.最後に
今回沖縄を訪れて多くのことを学びました。同じ日本でも沖縄はアメリカとの関係性が深く、その影響を強く受けていることを実感しました。特に基地問題は普段の私たちには馴染みがありませんが、深刻な問題だと強く感じるようになりました。騒音問題や米軍関連の事故など知識として知っているのと、実際に自分の目で確かめるのでは大きな違いがあります。私は実際に行ってみてこの問題は沖縄だけのものではないと思うようになりました。我々本土の人間も同じ日本人として基地問題に取り組んでいくべきだと感じます。
これから基地問題を解決するために私たちがこれからどのように行動していくべきか、何ができるのか、沖縄を訪れた経験をもとに考えていこうと思います。

笠松 龍希(京都府立向陽高校卒業)