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農学部

農学部 1期生チーム
食の循環を体現し、問題の本質を見抜く。
【ナス】たい肥作り編

2017.02.15【ナス】たい肥作り編

農学部 1期生チーム

農作物は、収穫はもちろんですが、収穫し終わったそれは刈り取って捨てていませんか。栽培して収穫、販売するだけが農業ではありません。その後が大事になってくるのです。捨ててしまうところをたい肥にして、また畑に返すところまでが農業です。これで食の循環が体現できるのです。今回は収穫し終わったナスを使い、たい肥作りをしました。この記事ではナスのたい肥作りを紹介したいと思います。


  1. ナスの残渣(ざんさ)を細かく砕きます。さすがに手で切るのは大変なので機械をオススメします。
    ※残渣:一般的にはろ過などの不溶物のことを言います。ここでは、ナスの枝や実、葉、茎のことを指します。
  2. 市販で販売されているたい肥枠に先ほど砕いたナスの残渣を敷き詰めます。
  3. 牛糞たい肥、もみ殻、麦わらの順で先ほどの砕いたナスの残渣の上に置きます。
  4. 屋根をつけて、発酵させ、時々混ぜます。
    ※発酵:微生物の働きによって、糖を分解してアルコールや二酸化炭素などを生成する過程のことを言います。納豆やチーズなどは発酵を用いて作られます。


以上の工程で、私たちはたい肥作りを行いました。ゆっくりと発酵が進むので完成は春ごろとなります。完成したナスのたい肥は、次のナス圃場のための土壌改良材として使う予定です。


なぜこれが食の循環につながるのでしょうか。
環境持続型農業という言葉を聞いたことがありますか。これは、本来、農業が持っている機能を生かして、生産性を考えながら土作りを行い、化学肥料や農薬の使用を軽減し、環境に配慮した持続的な農業のことを言います。今回のナスたい肥を用いることで土作りがしっかりでき、化学肥料を軽減することができると見込まれてます。
農業はコストがかかるものですが、捨ててしまうところを上手に利用すれば環境にも優しく、コストを抑えられます。


家庭でもできることはあります。京都では天ぷら油を用いてバイオディーゼルにし、バスに利用されています。また、家庭や飲食店から出る生ごみをたい肥にする、コンポストと呼ばれるものあります。最近では生ごみからバイオ燃料を作る取り組みが行われています。


捨ててしまうものを有効活用することで環境によいものへと変化するので、一度試してはいかがでしょうか。


松尾 一輝 (兵庫県立三木高等学校卒業)