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理工学部

丸山敦 研究室
和装本に漉きこまれた毛髪の科学分析で江戸時代の食環境を復元する。
和装本に漉きこまれた毛髪の科学分析で江戸時代の食環境を復元する。

2019.07.24和装本に漉きこまれた毛髪の科学分析で江戸時代の食環境を復元する。

理工学部 丸山敦 研究室

江戸時代に出版された和装本から毛髪を摘出し、同位体分析およびPIXE分析によって江戸時代の「食環境」の復元を試みます。江戸時代からの人の暮らしの変化や、江戸時代における地域差について探求します。
江戸時代に爆発的に出版された和装本(板本)には、表紙や裏表紙の厚紙として再生紙が利用されています。その再生紙には当時の庶民の毛髪が漉き込まれており、非破壊的に摘出することが可能です。かつ、江戸時代から出版は厳正に管理されてきたため、出版年や出版都市が記載されています。つまり、毛髪は、年代と産地を特定できるヒト組織なのです。現在は、龍谷大学大宮図書館で所蔵されている膨大な和装本コレクションから、毛髪の摘出を続けています。比類のない貴重な試料が蓄積されつつあります。