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理工学部

丸山敦 研究室
和装本に漉きこまれた毛髪の科学分析で江戸時代の食環境を復元する。
毛髪の科学分析

2019.07.25毛髪の科学分析

理工学部 丸山敦 研究室

江戸時代の人々の毛髪を古い和装本から摘出して分析し、当時の暮らしの変化や地域差を調べようと思っています。今回はその活動内容を紹介します。

現在の私たちの主な活動現場は、龍谷大学大宮図書館です。大宮図書館には約7万冊の和装本(日本の伝統的な製本法によって製作された本のこと)が所蔵されています。和装本は表紙と裏表紙の厚紙に、再生紙を利用しています。再生紙には当時の庶民の毛髪が漉き込まれており、本を壊すことなく採取することができます。これらの和装本は1600年代~1800年代の江戸時代に発行されたものが多く、刊行都市(東京、大阪など)も明記されています。そのため、摘出した毛髪の持ち主が、どの時代にどの地域で生きた人物なのかがわかります。

現在は週1~2回で毛髪採取をしており、週1回のゼミで進捗状況と今後の活動計画等を立てています。今はまだ採取段階です。しかし、今後の分析で毛髪という新しい角度から歴史を解明できることを、確信して取り組んでいます。

木村 俊太郎(追手門学院高校卒業)