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法学部

畠山亮ゼミ
「外」に出て、多様な問題を発見し、解決する。
部落差別プロジェクト~大阪人権博物館訪問~

2016.12.21部落差別プロジェクト~大阪人権博物館訪問~

法学部 畠山亮ゼミ

1.活動目的

畠山ゼミでは、今年度から新しく部落問題について取り組むこととなりました。今回、なぜ部落が存在するのか、どのような歴史的背景から部落が生まれたのか。そして、なぜ、今なお部落問題が残っているのかの理解を深めることを目的とし、12月7日、大阪市浪速区にある大阪人権博物館に行きました。


2.活動の様子

大阪人権博物館の館内は写真や絵のパネルを中心に展示されており、とても分かりやすく学べるものとなっていました。一人ひとりが興味・関心のある時代や出来事をメモに取るなどしていました。興味ある時代・出来事等の関心は違いますが、一人ひとりが自分の学びたいことに対して主体性を持ち活動できました。
私たちがパネル展示から学ぶなかで、大阪人権博物館ガイドボランティアスタッフ会長の前田勝正さんからお話を聞くことが出来ました。前田さんからは展示だけでは分からない部分を教えていただくことができ、今ある問題点等、今後の活動に繋がる良い機会となりました。


3.学んだこと・感じたこと

江戸時代までの社会は、生まれによって地位や職業が決められる身分制社会でした。これにより、差別された人々(のちの部落)は地域社会に必要な役割を果たすと共に、様々な文化を生み出しました。
代表的な職業として、陰陽師、猿回し、太鼓職人などが挙げられます。映画「座頭市」で知られる座頭もその1つです。その人々の暮らしがどのようなものだったのか、差別(部落)を無くすためにどのような活動を行ってきたのかを学びました。座頭とは盲人のことを指しますが、その中にも階級があり、当時の座頭はその最下層を意味していました。座頭の職業には、按摩師や琵琶法師があります。特に琵琶法師は、歴史や経典を語り継ぐ役目を果たしました。また、下級身分の中でも座頭をはじめとする身体障がい者は優遇されていました。江戸時代など中世では、今日のような社会保障制度が整備されていなかったため、幕府は障がい者保護政策として職能組合「座」を基に、排他的且つ独占的職種を容認することで、障がい者の経済的自立を、図ろうとしました。このように差別されてきた人は歴史の中で重要な役割を担い現代にも受け継がれる職業がおおくあります。政府は解放令などでこのような差別をなくそうとしました。
しかし今尚、「同和地区」などの呼称で部落は残り、結婚や就職の際に差別されるというケースがあります。現代にも深く根付いている部落差別。今回学んだ、部落の歴史的観点などを活かし、これからの部落のあり方について考えていきたいと思います。


4.先生からの講評

今回の訪問について、教授からは「現代にも繋がる重要な問題で非常に難しいテーマに対して、歴史的なアプローチをするのはとても意義のあることである。単に博物館に行くだけでなくガイドの方にお話をうかがえたのも良かったと思う。他方で、テーマの性格上、事前の準備が重要になるので、準備の進行状況、博物館訪問日等の報告を私(教授)にするように」との講評を頂きました。


5.今後の展開

今後の活動として、私たちは、中世以降の身分制の移り変わりと、その中で差別された人々がどのような運動を起こし現代に至ったのかを中心に、差別に関する事件や判例、それに対する社会の取り組みについて焦点を当てていくとともに人々の意識の変化との関わりについても学んでいきます。


西中 理(滋賀県立大津高等学校卒業)
平位 里佳(龍谷大学付属平安高等学校卒業)
髙木 紫帆(京都府立桂高等学校卒業)