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農学部

農学部 岡田清孝ゼミ
植物の不思議を科学する。
「植物ホルモン」が葉や茎の伸長に関わること

2018.09.25「植物ホルモン」が葉や茎の伸長に関わること

農学部 岡田清孝ゼミ

前期、私たち岡田ゼミは、各ゼミ生が関心を持つテーマについて独自で学習し、それぞれそのことについてお互いに発表してきました。

私は普段植物の葉や茎が伸びる仕組みについて研究しており、今回私は伸長の要因の一つである「植物ホルモン」との関係性について学習しました。
植物ホルモンとは何らかの成長のために体内で作られる物質のことで、伸長のほかにも種子の形成や茎を傾ける屈性反応や環境への応答など、多くの生理作用への関与が確認されています。またこれらの生理作用一つが起こるのに対して、複数の植物ホルモンが関わることも知られており、複雑な関係であることが分かっています。

そもそも葉や茎などの伸長は、その部分の細胞が肥大化することで生じます(細胞伸長)。この細胞伸長は植物ホルモンであるジベレリン(gibberellin)が主に伸長の促進をしていることが確認されています。ただ上述したように細胞伸長に関与する植物ホルモンは一つではなく、オーキシン(auxin)という植物ホルモンも細胞伸長に関わっていて、これは葉が縦方向か横方向に伸びるなどの制御(極性)に関わっています。またジベレリンとオーキシンとで相互作用がある事実も示されています。

このように細かいところまで見ると、同じ生理作用でも異なる役割を植物ホルモンごとに持っていることが分かりました。今回は、二つの植物ホルモンのみに触れましたが、その他の植物ホルモンも関わっていることが分かっています。そしてこれらがどのような役割を担って細胞伸長につながるのか現在でも知られていない部分がまだあり、発表を通した後の質問で私が分かっていたつもりの不透明な箇所に気づくことができました。
この取り組みを通して、私は細胞伸長の理解を深める新しい段階に進み、現在においても細胞伸長についてまだ知られていないことについて考える機会を得ることができたように思います。

吉池 一樹(日生学園第二高校卒業)