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みなさま、新年明けましておめでとうございます。年頭にあたり、一言ご挨拶申し上げます。

昨年は新型コロナウイルス感染一色に染まった感がいたします。未だに先が見通せない状況です。今年の正月は残念ながらめでたい気分に浸ることはできませんでした。視聴してくれている学生諸君の中には、故郷に帰ることができなかった人も大勢いるかと思います。仲間との楽しい会食を止めにするなどいろいろと制約があり、いまは耐え忍ぶことが必要になっています。

 

仏教では、菩薩が実践すべき大事な徳目のひとつに「忍」(忍辱)というのがあります。まさに耐え忍ぶこと、これが「忍」であります。正直言いまして、これが重要な事項であることは、若いときは実感がもてませんでした。忍耐力ということであれば一般にも言われることであり、なにも仏教をもち出すまでもないだろうと考えていた訳です。しかし、仏教で云う「忍」というのは「ただ我慢する」というものではありません。
私たちの穏やかな日常というのは、いつまでも続くものではありません。時に、予測できない事態がふりかかるものです。突然に、大切な肉親の死にあうこともあります。突然に、病魔におかされることもあります。突然に、自然災害に見舞われることもあります。人生は思い通りにならないものなのです。このコロナにしてもそうです。
コロナ禍にあって、ステイホームということが盛んにさけばれました。若い人にとっては、自室にこもれば息苦しさを感じてしまいます。ただ、その時に他者との関わりの大切さに気づく人もいたはずです。平常時にはなかなか気づかない。仏教で云う「忍」とは気づきを促すものなのです。耐えろ、辛抱せよ、といった根性主義とは違うのです。仏教で云う「忍」は目を開かせてくれる、智慧へと結びついていく性格のものです。
これまで学生諸君に、何度かメッセージを放ちました。このコロナ禍にあって、ステイホームをしている時、どう生きるべきかを考えようと促しました。でも、自分勝手に「どう生きるか」を考えても肝心なことは見えてきません。自分にとってどう都合よく生きるか、となってしまうものなのです。
問いかけが大事です。「今の自分にできることは何なのか」。そして、その問いかけをする前提として、今の状況をどう捉えるか。自己を見つめること、と同時に社会を見つめる、ということが大事です。

この度の新型コロナ感染拡大はまず中国・武漢が発生源とみなされ、大きく報道されました。中国の女性作家に方方(ファンファン)さんという方がおられます。その方方さんが、都市封鎖された武漢市の様子をブログで発信し始めたのは昨年の1月下旬からでした。このコロナ禍にあって私の心に響いたのは方方さんの言葉でした。彼女は2月24日にこのような文章を綴っています。

私は言っておきたい。ある国の文明度を測る基準は、どれほど高いビルがあるか、どれほど速い車があるかではない。どれほど強力な武器があるか、どれほど勇ましい軍隊があるかでもない。どれほど科学技術が発達しているか、どれほど芸術が素晴らしいかでもない。ましてや、どれほど豪華な会議を開き、どれほど絢爛たる花火を上げるかでもなければ、どれほど多くの人が世界各地を豪遊して爆買いをするかでもない。ある国の文明度を測る唯一の基準は、弱者に対して国がどういう態度を取るかだ。

もう一度、最後の文を読み上げます。

「ある国の文明度を測る唯一の基準は、弱者に対して国がどういう態度を取るかだ」

本学の建学の精神と響き合う言葉だと受けとめました。彼女が発信した言葉は『武漢日記』(河出書房新社)として発売になりましたから、関心のある方は読んでみてください。

この度のコロナ禍は文明災、文明の災いともいうべきものです。私たちに豊かさ、快適さ、便利さをもたらしてくれた文明が私たちを苦しめているのです。気候変動、環境破壊、文明の災いは、近年強力なものとなっています。さらに20世紀末から未知のウイルスが次々と現れてきました。そして今回のコロナパンデミック。人類が自然の隅々まで開発の手を伸ばした、生態系へのとめどない介入が未知のウイルスを人間社会に呼び込んでいるのです。今、人類に対し、大きな問いかけがなされています。「果たして私たちの文明はこのままでよいのか」と。

それにしても、学生諸君はいま手応えが感じられないままでいるかと思います。困難な状況。忍耐を強いられる状況。若者にとっては辛いことであります。ハンデを背負った状況にある人の営みから、何かを学びとることができるのではないかと、私は考えています。
あるテレビ番組で「ベストを尽くせたことが幸せ」という言葉に胸を打たれました。その番組というのは「私は左手のピアニスト 〜希望の響き 世界初のコンクール〜」です。
これは2018年11月に「左手のピアニスト」のためのコンクールとして開催された国際コンクールを取材した番組です。何回か再放送されたようです。この正月にも再放送されました(2021年1月2日 BS1)。ご覧になった方もおられるかと思います。
ジストニアという病気を発症して右手が動かなくなったピアニストたち。彼らは将来を期待されながらピアノが両手で弾くことができなくなったのです。
絶望の淵に立たされ、そこから再起してコンクールに臨むピアニストたち。左手だけでピアノを弾く。コンクールですから最終的には順位がつきます。参加者のひとりがコンクールを終えて言った言葉が胸に刺さりました。

「ベストを尽くせたことが幸せでした」

困難な状況下であっても、最善を尽くす。不安を抱えながらも最善を尽くす。それが幸せだ。考えさせられます。
私たちは日ごろ、何を幸せだと思って生きているでしょうか。欲しいものが手に入る。その時幸せを感じます。しかしまた次に別のものが欲しくなる。実は、それではいつまでたっても幸せがこないのです。
ある意味、私たちには欲望のエデュケーションが必要なのです。ハンデを背負っても、ピアニストであり続けたい。そうした強い意志が、参加したピアニストたちから精進努力を引き出したのです。

さて、仏教経典には、絶望をした人たちが多く登場いたします。息子が父親を殺し、母親を牢獄に閉じ込める。そうした物語が観無量寿経というお経の中に説かれています。母の名前は韋提希(イダイケ)。しかし、彼女はお釈迦さまから阿弥陀仏に関する法話を聴き、救済を得るのです。
正信偈の中にそのことが出てきます。親鸞聖人は唐の高僧善導を称える中で、韋提希が三つの「忍」、「三忍」を得たと語っています。

「与韋提等獲三忍」

という部分であります。三つの忍、すなわち、喜忍・悟忍・信忍です。阿弥陀如来の心を承認することができたという喜びを表す言葉です。それが三忍。三つの忍という言葉であります。
さきほどの「忍」は耐え忍ぶ。それは智慧へと繋がると申しました。ここでの「忍」は真理に対する頷き、喜びを表すものなのです。

教えにふれることで悲しみを喜びに転換することができるという確信の中に、親鸞聖人は生きています。苦しい状況下であっても喜びに転換する力を恵まれている確信の中に、親鸞聖人は生きています。建学の精神にふれる。建学の精神を学ぶ。それは、私たちが生きていくうえで大きな力を得ることにつながっていきます。学ぶ前提として一人ひとりが、自己をみつめ、社会をみつめる。
生涯にわたって学び続ける力を養う場が龍谷大学です。本当の幸せとは何であるかを見きわめる大学。それが龍谷大学です。自分の弱さ・愚かさを認めつつ、確かな道を歩んでいける土台をつくる大学。それが龍谷大学です。

昨年、本学では2039年の創立400周年を目指した長期計画「構想400」がスタートしました。図らずもコロナ元年となってしまいました。しかしながら、各人がこれまでの生き方を省みる、そして、近代文明以降の文明社会を省みる、そうした機会にしたいと私は考えています。創立380周年に掲げた「自省利他」を実践していきましょう。コロナという危機を、新たな価値観を創り上げていく契機とし、飛躍を遂げる機会と捉えましょう。個人の生き方だけでなく、組織の在り方をみんなで考え直す機会といたしましょう。共に助け合い、支え合いながら最善を尽くしてまいりましょう。

今、感染拡大がとまりません。最後に、視聴してくれている学生諸君には改めて自重した行動、当事者意識をもった行動を心がけてもらいたいと思います。
みなさまの健康を心から願い、私の年頭の挨拶とさせていただきます。
本日はご参加いただき、ありがとうございました。



新春シンポジウム「臨床宗教師研修の闇と光 ~2021年度臨床宗教師・臨床傾聴士研修募集要項」

日時 2021年1月13日㈬午後6時~7時
   オンラインzoom開催
主催 龍谷大学大学院実践真宗学研究科
   世界仏教文化研究センター

講師 谷山洋三(東北大学文学部准教授・龍谷大学大学院実践真宗学研究科アドバイザリーボード)
演題 臨床宗教師の現状と未来

ドキュメンタリーフィルム上映
「臨床宗教師研修で学びあえた大切な物語 episode7」
製作 鍋島直樹(龍谷大学大学院実践真宗学研究科長・文学部教授・臨床宗教師研修主任)
発表 2020年度研修生(佐々木氏、吉水氏、柳田氏、新發田氏)

メッセージ
ドキュメンタリーフィルムを楽しみにしていてください。
COVID-19 pandemicの闇の中で、あたりまえの日常がどれほど大切であるかに気づきました。
私は計画を綿密に立てては中止が続く中で、心は折れそうでした。
春、宮城県南三陸町の佐藤仁町長からもお電話がかかり、「残念だけど中止しよう。またやりましょう」と声をかけてくださいました。宮崎市の橘保育園・橘デイサービスセンターには、マスクや医療機器を届けました。8月にはできそうだったのですが、第二波がきて、9月の宮崎実習は中止となりがっかり。秋、打本先生が施設長とご準備してくださった特別養護老人ホーム常清の里の実習も、直前に中止が決定されました。
それでも2020年秋に、研修生は、大学で会えると笑顔でいつものように声をかけてくれました。
そのなんでもないことがこれほどうれしいことはありませんでした。
それぞれつらかったことと思います。
あそかビハーラ病院緩和ケア病棟だけが、私たちを受け容れてくださいました。それは光でした。
闇の中の光は、仏さまがどんなときも変わりなく照らし護ってくださる光であり、柳田さん、佐々木正暁さん、吉水さん、新發田さんたち研修生一人ひとりです。
鍋島直樹実践真宗学研究科長

・・・・・・・・・・・・・・
新春シンポ「臨床宗教師研修の闇と光」実践真宗学研究科

時間: 2021年1月13日 05:30 ~
URL Zoomミーティングに参加する


★新春シンポジウムにおいて、2021年度「臨床宗教師・臨床傾聴士研修」教育プログラムが発表されますこと申し添えます。



講師 谷山洋三(東北大学文学部准教授・龍谷大学大学院実践真宗学研究科アドバイザリーボード)


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 2021年1月6日(水)、2021年3月をもって退職される農学部植物生命科学科 奥野哲郎教授(植物病理学研究室)と、原田賢実験・実習助手の最終講義が行われました。
 奥野先生、原田先生ともに、農学部開設から今日に至るまで、学生指導・研究活動等でご活躍されました。

奥野哲郎教授植物病理学研究室
テーマ「ウイルス、カビ、農薬と歩む研究の旅路」
龍谷大学農学部に来られる前のお話から始まり、研究をおこなう楽しさや喜び、時には過酷さを含め、長年の研究活動を振り返ってお話いただきました。農学部1期生・2期生を含め、奥野先生の講義や実験、研究指導を受けた方には非常に興味のある内容でした。奥野式研究スタイル「YMW」。「やってみなくてはわからない」。この言葉にたくさんの学生が感銘を受けたことでしょう。

原田賢実験実習助手
テーマ「龍大で行ってきたカビ−農薬研究」
奥野先生とともに進めてこられた研究を講演いただきました。研究活動に励んでいるまた、これから励む学生にとってとても良い刺激になったに違いありません。原田先生に指導いただいたり研究のサポートをいただいた学生も数多くいます。昨日『iScience』に受理された研究内容を中心にお話いただきました。
(※原田助手ら「iScience」に論文が掲載されました(植物生命科学科・資源生物科学科))

 両先生の退職は、大変名残惜しいですが、新たな地での今後のご活躍を願っております。学生たちは、引き続き、おふたりの教えを糧に精進していくことでしょう。

参考:教員ブログの記事はこちら



奥野 哲郎 教授


原田 賢 助手


本学における新型コロナウイルス感染者の発生状況についてお知らせします。

 

学生 6名

 

※ 学内における濃厚接触者はいないことが確認されています。
※ 感染が確認された方の一刻も早い回復を念じております。感染者やそのご家族の人権尊重・個人情報保護にご理解とご配慮をお願いします。
※ 本学では、引き続き感染予防の啓発と全学的な感染防止対策を講じてまいります。


 2020年12月12日(土)に、経済学部ゼミナール連合会主催「経済学部ゼミナール対抗研究報告会」がオンラインで開催されました。

 この報告会は、学生の自治組織である「経済学部ゼミナール連合会」が毎年度開催しているもので、後期に開講している「演習Ⅱ」(3年生)の受講生が、自分たちの研究活動について研究発表を行い、学びを深めることを目的としています。

 今年度は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から事前に各チームの発表動画を視聴し、当日はオンライン上で質疑応答のみを行いました。
(8ゼミ19チームの学生が参加)

 審査委員は、経済学部教員に加え、経済学部同窓会の方々にも務めていただき、発表後には様々な観点から発表者に質問やアドバイスがなされました。

 その後の懇親会では、学生、教員、同窓会との交流も図られ、各ゼミの学びがより豊かなものとなりました。

 多大なご協力・ご支援をいただきました経済学部同窓会には、心より感謝申しあげます。




<ゼミ連が当日の運営を行っている様子>






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作成日2016/04/26

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作成日2016/04/26

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作成日2017/04/26

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作成日2017/05/08

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作成日2017/05/01

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