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Graduate School of Practical Shin Buddhist Studies

実践真宗学研究科

2024年度「臨床傾聴士研修」募集要項

龍谷大学大学院実践真宗学研究科

日本臨床宗教師会認定教育プログラム
日本スピリチュアルケア学会「スピリチュアルケア師」認定教育プログラム

写真 ドイツ神学の宗教者との対話 葛野洋明教授の指導 2023年

あそかビハーラ病院緩和ケア施設実習での患者様の食事実習ふりかえり

はじめに

超高齢多死社会を迎え、様々な現場において「心のケア」が叫ばれるようになり、そのニーズが高まる中で、龍谷大学実践真宗学研究科(以下、本研究科)では、2021(令和3)年度より、「臨床宗教師研修」に加えて、「臨床傾聴士研修」を開講する。先行して研修を進めている武蔵野大学や上智大学等の「臨床傾聴士養成講座」に学びながら、人材養成研修として実施する。

1.「臨床傾聴士」とは

「臨床傾聴士」とは、「宗教者ではない」ケア実践者であり、ケア対象者である相手の価値観、人生観、信仰を尊重しながら、苦悩(スピリチュアルな痛み)や悲嘆(グリーフ)を抱える人々に寄り添い、「傾聴」を通して、生きる力を育み「心のケア」を提供することを重視する。医療福祉機関等の専門職とチームを組み、ケア実践者として全存在をかけて、人々の苦悩や悲嘆に向き合い、かけがえのない物語をあるがままに受け容れ、そこから感じ取られる相手の宗教性やスピリチュアリティを尊重し、「スピリチュアルケア」や「グリーフケア」を行う。その際、「臨床傾聴士」は以下のような、自己理解力、他者理解力、関係力、共感力、概念化力、表現力、臨床倫理実践力を養うとともに、自らのスピリチュアリティや死生観を涵養することが求められる。

  • 自分の生育歴や取り巻く人間関係等を振り返り、ケア実践者としての自己を理解し、自分自身を知ることの重要性を確認することができる。
  • 自らのケア実践の限界をよく認識し、また絶えず相互研鑽を積み重ね、感性を磨き続けることができる。
  • 肚を据えて相手の感情を感じとり、慮りながら先入観や偏見に基づくことなく、あるがままに向き合うことができる。
  • 相手をケアし相手からケアされることを体験して、ケアを学ぶことができる。
  • ケアのダイナミズムや多様なスピリチュアリティを感じながら、その相手との信頼関係を築くことができる。
  • 自己のケア実践を省察し、その意味や重層性を大切にして言語化することができる。
  • 尊厳をもって相手を受け容れ、いかなる差別も行わず、倫理的配慮および個人情報保護の遵守ができる。
  • 臨床現場における空気感を深く味わい、高い洞察力を持ち合わせることができる。

2.「臨床傾聴士研修」の目的

「臨床傾聴士研修」は、本研究科が実施する「臨床宗教師研修」とともに実施される。ケア実践者として全存在をかけて、価値観や人生観、そして信仰の異なる人々の苦悩や悲嘆に向き合い、そこから感じ取られるケア対象者の宗教性やスピリチュアリティを尊重し、病院、社会福祉施設、地域社会、被災地等の臨床現場で実践可能な「スピリチュアルケア」と「グリーフケア」を、講義、グループワーク、臨床実習、個人面談等を通して学ぶことを目的とする。そして、臨床現場における対人援助の専門職としてのケア実践において、ケア対象者をあるがままに受け容れ、「スピリチュアルケア」や「グリーフケア」を行うことができる人材を養成する。研修修了後には、様々な現場において、スピリチュアルケアを主としたケア実践ができる人材を目指す。

3.「臨床傾聴士」教育プログラム

基本的には、「臨床宗教師研修」教育プログラムに準ずる形をとる。具体的に重複する以下の項目については、〈「臨床宗教師研修」教育プログラム 履修カリキュラム〉を参照のこと。

 a) 臨床宗教師研修における六つの具体的目標
 b) 臨床宗教師研修教育プログラム 履修カリキュラム及び実習スケジュールについて
 c) 臨床宗教師研修スタッフ・協力者について

4.「臨床傾聴士」資格の認定と更新

(資格の認定)

この養成研修の修了要件を満たした上で、以下に掲げる要件を満たした研修生は、本研究科が付与する「臨床傾聴士」の資格を認定する。

①身体的・精神的・社会的な健康と有機的関連を持つスピリチュアルな健康について、知的・情緒的・実践的に理解することができること。

②自身の中で働き、また将来を導くスピリチュアリティの力動とその背景を、自分自身の課題として理解し、それに継続して取り組む準備ができていること。

③宗教並びにスピリチュアリティの公共的役割について理解していること。

④現代社会のさまざまな宗教・思想・伝統について共感的かつ批判的に理解していること。

⑤自らのスピリチュアリティをケアの素材として提供しつつ、ケア対象者のスピリチュアリティの涵養を目指す基本的な活動をすることができること。

(資格の更新)

「臨床傾聴士」の資格の有効期間は5年間とする。
 次に掲げる各号のすべてに該当する者に対して、「臨床傾聴士」の資格を更新する。

(1)本研究科が主催する研修修了生を対象とした「実践・研究発表会」において、5年間に1回以上の発表を行うこと。

(2)グリーフケア、スピリチュアルケアにかかる活動実績を、5年間に1回提出し、本研究科委員会の審査に合格すること。

前項の各号に定める資格更新を行わなかった者は、臨床傾聴士の資格を喪失する。

5. 臨床傾聴士研修 応募要項

【募集人数】

若干名(3名程度)

【出願資格】

次の①~③のいずれかに該当し、かつ、④の条件を満たし、⑤⑥に賛同・遵守する者。

  • ①本研究科に在籍する者(2年次生以上)
    事前学習レポート提出と申請書提出を求め、内容を精査して当該研究科委員会において受講の可否を判定する。受講可否の結果は、文学部教務課掲示板で発表する。受講許可された院生は、必ず受講登録するものとする。
  • ②本研究科を修了した者(特別専攻生・修了生)
    事前学習レポートと申請書提出を求め、内容を精査して当該研究科委員会において受講の可否を判定する。受講可否の結果は、文学部教務課掲示板で発表するとともに、希望する住所に郵送で通知する。受講許可された者※は、3月下旬に出願が開始される「科目等履修生」として手続きをする。
  • ③大学卒業者で大学院生と同等の資質があると本研究科が認める者、または医師や看護師等、医療系・福祉系の国家資格を有している者(社会人)
    事前学習レポートと申請書提出および面接への出席を求め、それらの内容を精査して当該研究科委員会において受講の可否を判定する。受講可否の結果は、文学部教務課掲示板で発表するとともに、希望する住所に郵送で通知する。受講許可された者※は、3月下旬に出願が開始される「科目等履修生」として手続きをする。
  • ④ケア実践に必要な対人関係能力を有し、心身ともに健康である者
  • ⑤実践真宗学研究科の教育理念・目的を理解し賛同する者
  • ⑥スピリチュアルケア師倫理綱領(一般社団法人 日本スピリチュアルケア学会)を遵守する者

※ 臨床傾聴士研修の審査において受講許可となった場合でも、科目等履修生制度において受講許可がされなかった場合、当該年度の受講は不可。

【出願書類】

  • ①履歴書(本学所定様式)
  • ②臨床傾聴士研修申込書(本学所定様式)
  • ③専門職証明書(該当者のみ)
    国家資格を有する医療福祉関係者の場合は、専門職<医師・看護師・介護福祉士等>証明書の写し。
  • ④身元保証書
    本学所定様式、この身元保証人とは、臨床傾聴士(研修生・修了生)を保護するためであり、臨床傾聴士(研修生・修了生)に対して、倫理綱領等の遵守とトラブル発生時に誠実に対応させる責任をもつ。
  • ⑤事前学習レポート(次のA B Cについて記述すること)
    • A. 参加動機:
      これまで/これからの自分自身の「ケア実践者」としての活動、また医療福祉機関、教育機関等での臨床スピリチュアルケアの経験をふまえて、「臨床傾聴士研修」に参加する動機や、研修で特に学びたいことについて2、000字程度のレポートを提出する。
    • B. 生 育 歴:
      出生から現在に至るまで、自分の人生に影響を与えた出来事について、その時の思いを含めて5、000字程度のレポートを提出する。
    • C. 死 生 観:
      自分自身の人生観、死生観、信仰について、影響を受けた人物や書物、出来事等を含めて2、000字程度で記述する。さらに、記述して気づいたことや感想を800字程度にまとめ、800字程度のレポートだけを提出する。(2、000字程度のレポートは研修が終わるまで自分で保管する。)
    • *出願書類の返却は行いません。

【提出先】

龍谷大学文学部教務課 臨床傾聴士研修担当
〒600-8268
京都市下京区七条通大宮東入大工町125番地の1

【審査スケジュール】

  • 出願期間
    2024年2月1日(木)~2月10日(土)必着 ※簡易書留の郵送に限る。
  • 書類審査
    2024年2月10日(土)~13日(火)
  • 面  接
    2024年2月13 日(火)17:00から 【出願資格】③の出願者のみ。
  • 合格発表
    2024年3月7日(木)予定

6. 臨床傾聴士研修受講に係る経費

  • ①交通費・宿泊費・食事代:実費負担
  • ②医療福祉機関における実習費:実費負担
  • ③講師謝礼・会場借用料:大学負担
  • ④科目等履修料(審査料・許可料・履修料)「科目等履修生出願要項」記載どおり
  • ⑤保険代:実費負担
  • ⑥臨床傾聴士研修実習費8万円 ※④⑤⑥は科目等履修生(社会人)のみ
  • ⑦臨床傾聴士資格更新費2万円

あそかビハーラ病院緩和ケア施設でのグループワーク

宮城県南三陸町歌津での追悼法要と住民との交流

広島平和記念資料館での被爆体験講話と交流

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