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中根 真 本学短期大学部 こども教育学科教授、犯罪学研究センター「保育と非行予防」ユニット長

中根 真 本学短期大学部 こども教育学科教授、犯罪学研究センター「保育と非行予防」ユニット長


中根 真(なかね まこと)
本学短期大学部 こども教育学科教授、犯罪学研究センター「保育と非行予防」ユニット長
<プロフィール>
社会福祉学を研究。子ども家庭福祉や保育、地域福祉の研究のほか、大正期の大阪の福祉教育、出征軍人児童保管所の歴史などから保育を考察する論文等を執筆。

非行予防の観点で保育を考える
最近10年は保育に特化した研究を進めています。社会福祉学では子ども家庭福祉の研究において社会的養護を取り上げることは多いのですが、保育を取り上げることは意外に少ないのが現状です。私は保育園や幼稚園、認定こども園の保育室内の様子よりも、むしろ降園後にどのような家庭や地域社会の中で子どもたちが過ごしているかに着目し、地域福祉の観点で保育を研究しています。
昨今では「働く女性の子どもの受け皿を増やす」ために保育所の整備が喫緊の課題となっています。しかし、問題は保育所の数だけではありません。家庭格差から生じる子どもたちの成長や発達の格差を保育所等が親とは違った形で関わり補う必要があるのに、そのことが議論から抜け落ちているという点が問題だと考えています。
幼児期の親のしつけや教育的配慮・関心の不足、格差が成長にも影響した結果、信頼関係にもとづく良好な人間関係の形成につまずき、非行に走る子どもがいるならば、そこには本人の努力だけではどうしようもできない家庭や社会環境の制約があったのではないでしょうか。本学の犯罪学研究センターや矯正・保護総合センターでは「更生」や「社会復帰支援」に重きを置いていますが、私は非行や犯罪に至る前の「予防」もまた重要であると問題提起をしたいと思っています。そこで、予防研究の第1段階として幼児期に注目し、どのような保育が必要なのか、歴史的考察を通して考えていきます。

子どもを通して家庭を見ていた過去の保育者たち
私が現在進めているのは、大正2年から大阪市内9ヶ所に保育所を開設した「財団法人弘済会」の史料研究です。大正期も今と同じく保育所に子どもを預けて両親ともに働き、生活を安定させようとした家庭が多くありました。弘済会は子どもを預かるだけでなく、「子どもに与える駄賃は子どもの教育のために貯金を」と親に指導するなど、子どもの育ちのために親は何ができるのかを伝えていたのです。具体的には2ヶ月に1回、各保育所で家庭会が開催され、子どものしつけのよろず相談、健康相談などに幅広く対応しながら、家庭内の悪習慣の是正や改善を促していました。つまり、保育者が子どもを通して家庭全体を見て、生活を指導するという状況があったのです。
また、神戸では日露戦争中に夫の出征に伴い、働かなければならない母親のための出征軍人児童保管所が設けられ(1904年)、日露戦争後も戦役紀念保育会として保育事業が継続されました。「母子家庭は時間的に育児が放任されがちであるため、非行に繋がるかもしれない。非行予防の観点からも児童保管所や保育所は必要だ」と考えられていたようです。すなわち、当時から親の就労等の事情によって、家庭教育が十分行えない場合、保育所の保育で代替・補完しようとする意識があったわけです。このように過去の時代と現代の保育状況を慎重に比較対照させながら、保育事業が果たす非行予防の機能・役割について研究を進めていきます。

幼少期の教育が重要であるという経済学の知見
幼少期の重要性を認める経済学の知見があります。ノーベル経済学賞を受賞したアメリカの経済学者、ジェームズ・ヘックマン教授は「恵まれない家庭に育ってきた子どもたちの経済状態や生活の質を高めるには、幼少期の教育が重要である」と主張しています。彼が研究で主に用いたのは1960年代アメリカで実施されたペリー就学前プロジェクトの実験結果です。具体的には、経済的に恵まれない家庭の3~4歳の子どもを無作為に選び、就学前に教育を受けた子どもと受けなかった子どもを40歳まで追跡調査したところ、就学前に教育を受けた子どもは受けなかった子どもより学力検査の結果や学歴が高く、生活保護受給率や逮捕者率が低いという結果が出ました。
つまり、就学前の教育がやる気、忍耐力、協調性といった社会的・情動的性質を現す「非認知スキル」を高め、成人後もその効果が継続したと考えられ、保育や保育者の果たす役割は、子どもの成長だけでなく、経済的・社会的にも好影響を与えるということを明らかにしました(J.ヘックマン=古草秀子訳『幼児の教育経済学』東洋経済新報社、2015年)。
このような研究の裏付けもふまえ、幼少期への社会的介入のあり方、そのための仕組みをどうつくるかも考えていきたいと思っています。



斎藤 司 本学法学部教授、犯罪学研究センター「性犯罪」ユニット長

斎藤 司 本学法学部教授、犯罪学研究センター「性犯罪」ユニット長


斎藤 司(さいとう つかさ)
本学法学部教授、犯罪学研究センター「性犯罪」ユニット長
<プロフィール>
大学では刑事訴訟法を研究。『校正な刑事手続と証拠開示請求権』(2015年 法律文化社)の著作のほか、『法学セミナー』(日本評論社)にて「刑事訴訟法の思考プロセス」を連載。

法改正に伴う影響とは
平成29年7月に強姦罪・準強姦罪など性犯罪に関する刑法の諸規定が110年ぶりに改正されました。これらの改正が、今後性犯罪に関する刑事手続における運用や犯罪者処遇にどのように影響するのか研究を進めたいと思っています。普段の学部等での講義でも性犯罪に触れざるを得ないのですが、学生からは「あまり触れないでほしい」「聞くのも嫌だ」という反応が増えているように感じます。そのような反応をみて、性犯罪をどう扱うべきなのかと思ったのも研究のきっかけのひとつです。性犯罪は身近に起こりうることで、考えなければいけない問題です。性犯罪だけでなく痴漢などもテーマになりえます。今回の法改正で大きく変わったことの1つは、性犯罪を行う主体が男性に限定されなくなったという点です。男性から女性、女性から男性、さらに踏み込めるかは分かりませんがLGBTなども含め、まずは時代ごとに変遷している「性犯罪」「性犯罪者」のイメージをつかむことから研究を進めていきます。

歴史や国際比較で将来を予測
研究を通じて、法律を含めた社会において性犯罪や性犯罪者がどのように捉えられていたかという社会意識の変遷、日本と同じく最近性犯罪の法改正が行われているドイツや北欧諸国の現状などを調べて国際比較にも踏み込みたいと思っています。台湾や韓国は、日本の戦前の法律をモデルとして発展している点で日本と同じですが、現状は異なります。その理由を検討することは、性犯罪者や性犯罪者像に関する日本の特徴、今後の対応策の手がかりを明らかにすることにつながるでしょう。以上のような問題意識で歴史研究や国際比較することで、日本の性犯罪規定や性犯罪者処遇のあり方を考える手がかりにしようと考えています。
犯罪とは個人の「権利(法益)を侵害」する行為です。一例ですが、昔は既婚女性を強姦した場合、「本人の権利の侵害」ではなく「夫の権利の侵害」であるという考え方でした。現在は、その考え方は変わり「個人の性的自由」の権利を侵害すると理解されています。刑法との関係でも、性犯罪のイメージは変わっており、それに伴い性犯罪者のイメージも変わってきていると考えられます。もっとも、時代とともに変わる性犯罪像は、今までそれほど深く研究されていません。この点についても、社会意識の変遷、国際比較を研究することで、今後どうすべきかの予測もできるのではないでしょうか。

性犯罪の処罰像と法律のズレを見極める
法改正がほとんどなかった刑事訴訟法が改正されたり、裁判員制度が施行されたりするなど、10数年前には予測できなかった動きが日本では起きています。今回の改正では、性犯罪の悪質さや重大さに比較して法定刑の下限が低いという意見が反映され、以前は3年だった懲役刑が5年へと厳罰化されました。このように社会が性犯罪者に対し求める処罰と、実際の法律にズレはないのか検討することも本研究テーマのひとつです。そして、性犯罪や性犯罪者像を明確にした上で、将来的には、性犯罪者の処罰だけでなく、性犯罪の再発防止のためにどう支援するのがベストかといった点についても考えなければならないと思っています。



石塚 伸一 本学法学部教授、犯罪学研究センター センター長

石塚 伸一 本学法学部教授、犯罪学研究センター センター長


石塚 伸一(いしづか しんいち)
本学法学部教授、犯罪学研究センター センター長・「治療法学」「法教育・法情報」ユニット長
<プロフィール>
犯罪学研究センターのセンター長を務めるほか、物質依存、暴力依存からの回復を望む人がゆるやかに繋がるネットワーク“えんたく”(アディクション円卓会議)プロジェクトのリーダーも務める。犯罪研究や支援・立ち直りに関するプロジェクトに日々奔走。

「犯罪学」の面白さを広くアピール
私が犯罪学研究センターを立ち上げた経緯は、犯罪学を科学的な学問としてまじめに研究をしている先生方とのネットワークの拠点を作ることで、犯罪学という学問領域を日本でも認知してほしいとの思いがあったからです。
龍谷大学には矯正・保護総合センターがあり、日本の矯正保護や刑事政策の研究に貢献しています。当センターも同様に、人間科学、社会科学、自然科学の分野でバランスよく「知」を融合した研究で貢献し、かつ「犯罪学って面白い!」と興味を持ってもらえる学問となることを目標としています。
罪を犯さざるをえなかった社会背景や成り立ち、国家のあり方を考えることで、世界情勢にも思いを馳せる――。犯罪をつぶさに見つめると、人と世界がいかに密接につながっているかに気づくはずです。そう考えると、犯罪学はあらゆる方向からアプローチできる面白い学問だと思いませんか?
各メンバーが調査や研究成果を踏まえて教育や人材育成、政策提言としてアウトプットしていくことも当センターの目標ですが、犯罪学の面白さを学生や一般の方に広く知ってもらうことも大きな目標のひとつです。犯罪学を学ぶことで扇情的な犯罪ニュースに惑わされない、犯罪学リテラシーを培って欲しいですね。

犯罪者一人ひとりを支える支援活動
私自身の研究は「治療法学」で、主に薬物問題を取り上げ、日本の薬物問題に適合する薬物政策を構築することです。以前の日本は薬物の乱用者・所持者に長期の拘禁刑を科す厳罰主義政策でしたが、近年は再犯防止対策として行政や民間が連携し、社会回復を支援する方向になっています。しかし、“薬物使用者“や“知的障害者”、“高齢者”など一律的にカテゴライズした法律で支援するだけでは、結局自立をさまたげることになります。
必要なのは「その人が何をやりたいか」を理解し、その人らしく生きていくための支援です。犯罪という石につまずき転んでしまっても、次は転ばないように本人も努力し、そこからまた人生を歩き出せるよう、周囲の人間や社会が支えていく。イソップ寓話の『アリとキリギリス』で例えるなら、アリだけが正しい生き方だとするのではなく、アリにはアリの、キリギリスにはキリギリスの生き方があるという考えのもと、それぞれの人生を尊重することが大切だと思います。このような方針で研究や支援活動を通じて犯罪者に寄り添い、オンリーワンの生き方を保障する政策提言や支援活動を今後も継続していくつもりです。

「龍谷・犯罪学」を世界に発信
日本においてはまだ認知度が高いとはいえない犯罪学ですが、本学が掲げる「すべての存在は“縁”によって存在する」という「共生(ともいき)」の仏教精神、ありのままの姿を認めることから始まる親鸞聖人の人間観が根底にある本学ならではの犯罪学を日本や世界に発信していくことが目標です。
世界的に見れば日本は犯罪発生件数が非常に少ない国ですが、今の段階ではその理由ははっきりと分かっていません。この理由を解明することで他の国の犯罪減少に役立つ可能性もあるので、ぜひ国際的にも役立つ研究に育てていきたいと考えています。



8月25日(土)、8月26日(日)に深草キャンパスで開催される「龍谷大学オープンキャンパス 2018」での経済学部イベントを紹介します。



Event1 経済学部紹介イベント「-魅力溢れる経済学部ライフ!-」


8/25(土)・8/26(日) 1回目:11:00~11:30 2回目:14:45~15:15 22号館101教室
※1回目、2回目は同じ内容です。

経済学部生が経済学部での学びや学生生活等、龍谷大学の魅力を紹介します。身近な経済学の考え方を説明したり、実際の活動写真等を交えて各学年での学びを説明したりすることで、わかりやすく経済学部での学修内容を発表します。このイベントに参加すると、経済学部に入学することで、どのような経験ができ、どのような学生になれるのかがわかります。


学生イベント

学生イベント

Event2 模擬講義「経済学は心と行動の科学です」


経済学部・谷 直樹准教授(金融論)
8/25(土)・8/26(日) 1回目:12:30~13:00 2回目:16:15~16:45 22号館101教室

皆さんは大学で何を学ぶか真剣に悩んでいることでしょう。私も悩みました。経済学部では何を学び、将来にどうつながるのか。英国の高校に留学して将来を模索した私自身の経験も交えながらお話しします。
経済学部の魅力は、極めて応用範囲の広い経済学独特の「方法」を習得した上で、驚くほど多様なテーマの研究に取り組む教授陣のゼミに所属できることです。実は経済学は、経済現象だけをテーマにするわけではなく、人間社会のあらゆる現象の奥底にある本質を「経済学的方法」で探る学問なのです。人間は心を持ち、完全には読みきれない交渉相手の心や、社会や自然といった環境の作用を意識しつつ行動を決めます。例えば、外交交渉でここは強気で押そうとか、譲歩しようとか。そうして、選び取った行動は再び環境を形成します。強気で行ったら、相手が譲歩してきたとか、戦争モードに入ってしまったとか、国際社会で孤立したとか。人間の社会、そして歴史はそのようにして作られ、今も動いているのです。経済学はこうした仕組みを解き明かす道具を持った「心と行動の科学」という側面を持つのです。ですから、消費、生産、労働、貧困、金融、貿易、開発といったすぐ思い浮かぶテーマ以外にも、戦争と平和、歴史全般、教育、心理、法律、差別、文化、慣習すら経済学の研究対象になるのです。
この講義では、経済学の基本的な「方法」を初学者でもわかるように紹介し、いくつかの現象の分析に応用します。金融機関の大規模リストラが報道されていますが、背後にはIT、AI 等の技術革新があります。将来は、仮想通貨を支えるブロックチェーンの技術が銀行の存在を脅かす可能性すらあります。一方で、全く新しい仕事が生まれたり、既存の仕事の価値が高まる可能性もあります。皆さんはこうした激動の時代を生きるわけです。しかも人生100年時代です。これを学べば将来はこんな会社に入れて定年までこんな人生を歩めるといった先例が役立つ確率は低いのです。応用範囲の広い社会分析の「方法」を持つ経済学を学ぶことは、先の見通しにくい世界を照らす灯りを手にすることを意味します。この灯りを手に、激動の中でも社会の動きの本質を見失わずに、自分自身の幸福追求、あるいは、貧困のような社会問題の解決を目指す豊かな人生を実現する道を見出すことができるはずです。そんな経済学の魅力をお話しします。


模擬講義(谷准教授)

模擬講義(谷准教授)

Event3 経済学部生による相談・展示ブース


8/25(土)・8/26(日)11:00~16:00 22号館204教室・ラウンジ(北側階段横)

経済学部生による相談・展示ブースです。「経済学」分野のこと、龍谷大学経済学部の特徴について、ポスターや写真を通して発信します。また、現役学生とも交流ができるので、大学生活のことを気軽に聞いてみてください。


学生相談展示ブース

学生相談展示ブース

Event4 経済学部 個別相談コーナー


8/25(土)・8/26(日)  11:00~17:00まで随時  22号館104~106教室

個別相談の出来る「経済学部 個別相談コーナー」では、経済学部スタッフが皆さんの相談を随時受け付けます。経済学部の教育内容だけでなく、入試や資格取得、学生生活、就職など、どのような質問にもお答えします。皆さんの来場をお待ちしています。


個別相談ブース

個別相談ブース


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作成者有限会社アップルップル

作成日2016/04/26

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作成者有限会社アップルップル

作成日2016/04/26

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作成者有限会社アップルップル

作成日2016/04/26

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作成者KDL藤川

作成日2017/04/26

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作成者KDL藤川

作成日2017/05/12

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作成者KDL藤川

作成日2017/05/12

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作成者KDL藤川

作成日2017/04/26

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作成者KDL藤川

作成日2017/04/26

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作成者KDL藤川

作成日2017/05/12

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作成者KDL藤川

作成日2017/05/12

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作成者KDL藤川

作成日2017/04/26

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作成者KDL沖

作成日2017/05/08

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作成者KDL沖

作成日2017/05/08

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作成者KDL藤川

作成日2017/05/15

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作成者有限会社アップルップル

作成日2016/04/26

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作成者KDL藤川

作成日2017/05/01

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