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2024.07.05

佐藤 岩夫氏による講演会を開催【法学部】

2024年6月26日(水)に1年生履修科目の「基礎演習」全クラスを対象に、東京大学の佐藤 岩夫名誉教授をお招きし「大阪空港公害訴訟最高裁判決と團藤重光ノート」をテーマにご講演いただきました。

大阪空港公害訴訟最高裁判決は、その後の公害訴訟の流れを大きく変えるものであり、司法消極主義を定着させた重要な意味を持つ判決です。その大阪空港公害訴訟最高裁判決の謎の一つである、突然の大法廷回付の決定の経緯・背景等を主題として、当時の最高裁判所判事・團藤重光が遺したノートを手掛かりに、佐藤先生は明快にお話しくださいました。
このノートは、本学矯正・保護総合センター「團藤文庫」所蔵の資料です。本学では同センター設立当初から團藤文庫研究プロジェクト(「團藤プロジェクト」)を立ち上げ、團藤博士が亡くなられた2012年末までに全て搬入された史資料を基に調査研究活動を遂行しており、今回の内容はNHKとの共同研究の中で明らかになったことの一部です。プロジェクトには、刑事法学のみならず、法史学、法社会学、憲法学、アーカイブズ学などの研究者20人ほどが学内外から参画されており、佐藤先生もプロジェクトのメンバーです。

團藤プロジェクトについて


学生たちは、この判決の意義から始まり、そこに潜む謎、そして團藤ノートから明らかになった真実へと、興味深く聞き入っていました。後半には、同じくプロジェクトのメンバーの法学部 畠山 亮教授とのセッションが行われ、学生から寄せられた質問に答える形で、講演内容への理解を深めるとともに、司法の役割について考えました。