研究内容を教えてください。

中学生や高校生へのカウンセリングや、レジリエンスを育成する心理教育について研究しています。心理学分野におけるレジリエンスは「心の回復力」「打たれ強さ」「心の弾性」などと訳されることが多く、ネガティブな出来事や経験から立ち直る力のことを言います。レジリエンスは誰もが持っている力です。自身のもつレジリエンスを育むことは、現代のストレス社会を生きぬく鍵になると考えています。

専門分野のおもしろさは何ですか。

カウンセリングや授業を通して、子どもたちが自分の中にすでに存在するレジリエンスと出会う、その瞬間に立ち会えることがとても面白いなと感じます。また、学校現場では教職員の方々と一緒に子どもたちのサポートを行います。いろんな立場の人と仕事をする難しさもありますが、子どもたちの支援という同じ目標に向かってそれぞれが関わる面白さがあります。

なぜその分野を専門として選ばれましたか。

小学校の卒業式に担任の先生から「挫折を糧にして強く生きてほしい」という言葉を贈られました。その頃から、人の持つ心の強さに興味をもっていたのかなと思います。レジリエンスという言葉を知った時、担任の先生が言っていたのはこれだ！とワクワクしたのを覚えています。子どもたちが自身のレジリエンスに“気づく・感じる”きっかけ作りができたらと思っています。