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2018.06.05

第1回「CrimRC(犯罪学研究センター)公開研究会」を開催【犯罪学研究センター】

治療法学の描く未来とは?「日本における薬物乱用への方策と手法」

2018年4月24日、龍谷大学犯罪学研究センターは第1回「CrimRC(犯罪学研究センター)公開研究会」を、本学深草学舎 至心館1階で開催し、約12名が参加しました。


David Brewster(犯罪学研究センター博士研究員、2007年〜2016年にカーディフ大学で犯罪学を専攻、2017年より犯罪学研究センター所属)

今回の発表者であるDavid Brewster(犯罪学研究センター博士研究員、2007年〜2016年にカーディフ大学で犯罪学を専攻、2017年より犯罪学研究センター所属)は、現在「治療法学(Therapeutic Jurisprudence)」研究ユニットで、イギリスと日本の薬物政策の比較研究、そして日本の文化土壌での治療法学の目指すべき方向性について、様々な観点からの調査・研究を進めています。


今回の発表『日本における薬物乱用への方策と手法』では、「覚せい剤取締法 違反件数推移」「覚せい剤事犯者に関する矯正データ」「覚せい剤事犯者の刑務所再入所率」など近年のデータから、日本における薬物乱用と再犯率の高さが浮き彫りになりました。

『ダメ。ゼッタイ。』*1、『おかえり。』*2をキャッチコピーにしたポスターを目にしたことのある方も多いのでは?前者は「薬物乱用防止」を唱えるポスター、後者は「更生保護」の観点から犯罪や非行をした人の立ち直りを社会の中で見守り、地域の力で支えていく運動を唱えるポスターです。
*1(主唱/厚生労働省)http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000167656.html
*2(主唱/法務省) http://www.kouseihogo-net.jp/okaeri/message/

こうしたポスターにも、日本における薬物政策の二重性が象徴的に表現されています。そして、近年の流れとして「治療と更生」から「治療と社会復帰による薬物乱用再発の防止」への広がり、薬物使用者とその家族をはじめとする依存症支援者のサポートも注目されています。

発表後半では、“フロントエンド(犯行確定前→犯行確定)”と“バックエンド(犯行確定後)”における社会的な対処の手法、多様な方策の在り方について紹介され、より広い視点での考察、意見交換が行われました。


「CrimRC(犯罪学研究センター)公開研究会」は、犯罪学研究センターに関わる研究者間の情報共有はもとより、その最新の研究活動について、学内の研究員・学生などさまざまな方に知っていただく機会として、公開スタイルで開催しています。
今後もおおよそ月1回のペースで開催し、「龍谷・犯罪学」に関する活発な情報交換の場を設けていきます。