Need Help?

News

ニュース

2018.12.04

「薬物依存からの回復」をテーマにした動画を更新【犯罪学研究センター】

薬物依存からの回復のために、薬物検査のじょうずな使い方とは?

龍谷大学 犯罪学研究センター(Criminology Research Center)では、犯罪をめぐる多様な〈知〉の融合と体系化を目的とし、現在14のユニットでの研究活動が行われています。
このたび、動画アーカイブスのページに「治療法学ユニット」に関連するシンポジウム動画を追加・公開しました。

■犯罪学研究センター 動画アーカイブス
https://crimrc.ryukoku.ac.jp/movie/


犯罪学研究センター「治療法学ユニット」では、20年余の薬物問題研究の成果を踏まえ、覚せい剤を主たる依存物質とする日本の薬物問題の状況に適合するテーラーメイドの「新たな薬物政策」を構築し、類似した社会的・文化的環境にある東アジア地域において、これを普及・展開することを目的に活動しています。

昨今、航空各社では、乗務直前の検査で機長の体内から基準を超えるアルコールが検出されたというニュースが相次いでいます。中には、最新型のアルコール検知器の導入の遅れから、アルコール濃度検査をすり抜けた可能性があるという指摘もあります。ここには、本来乗客の安全を守るはずの乗務員個人の「規範意識の薄れ」や「処罰」だけでは済まされない問題が介在しているのです。
社会の安全・安心を守るためには、管理者である企業のチェック体制や福利厚生の充実だけでなく、産学官民が一体となった取り組みが欠かせません。今回話題となったアルコールに限らず、たばこやドラッグなどさまざまな物質依存があることを前提に、私たちは依存症との問題に向き合う必要性があります。

そこで、さまざまな物質依存からの回復に向けて欧州で先行している「ハームリダクション(harm reduction)」*という考えが有用です。ハームリダクションでは、個々人の依存状況から「どのようにすれば健康を保てるのか?」という視点に立ち、それぞれのペースで断酒・断薬をし、治療・回復を目指すようなアプローチを指します。
これを機に、日本の社会に見合ったチェック体制、そして治療・回復に向けたプログラムについて考えてみませんか。

------------------------------------------------------

▼今回公開した動画の一つである「薬物依存からの回復のために ~薬物検査のじょうずな使い方~ 」に関するシンポジウム映像を紹介します。
【>>映像本編はこちら(YouTube Link)】



[タイトル]
シンポジウム「薬物依存からの回復のために ~薬物検査のじょうずな使い方~ 」
[概要]
『ハーム・リダクションと薬物検査~回復のためのDrug Check~』と題して、2017年・2018年に開催したイベントの様子を紹介します。
石塚伸一(本学法学部教授)による「世界の薬物政策と薬物検査の状況、企業が薬物検査を導入するメリット」に関する発表のほか、薬物検査キットの使用方法の実演など、薬物依存症との関わり方について考える機会となります。
(2017年10月 品川インターシティ、2018年2月 京都 龍谷大学にて開催)

------------------------------------------------------

*ハームリダクション(harm reduction):
個人が、健康被害や危険をもたらす行動習慣(合法・違法を問わない)をただちにやめることができないとき、その行動にともなう害や危険をできるかぎり少なくすることを目的としてとられる、公衆衛生上の実践、方略、指針、政策を指す。