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2019.10.25

【滋賀県初】絶滅危惧植物の「ムサシモ」大津市の琵琶湖で発見

【本件のポイント】
・環境省レッドリストで絶滅危惧IB類に掲載されている全国的にきわめて希少な水草の「ムサシモ」
(学名Najas ancistrocarpa)が、大津市の琵琶湖畔に漂着しているのを発見
・「ムサシモ」が発見されたのは滋賀県内では初めて
・発見者は龍谷大学農学部の三浦励一准教授と滋賀県立大学環境科学部の大学院生:稗田真也氏


 環境省のレッドリストで絶滅危惧IB類に掲載されている植物「ムサシモ」が、2019年9月下旬に大津市の「におの浜」近辺において、湖岸に漂着したいわゆる「流れ藻」の中に混じっている状態で発見されました。滋賀県では初めての発見です。現時点では、もともと琵琶湖のどこに生育していたのかは不明です。「ムサシモ」の生育地は全国的にもきわめて少ないため、他の生育地から意図的あるいは非意図的に持ち込まれた可能性は低いと考えられますが、詳細については今後、DNAを分析して確認する必要があります。

 今般の絶滅危惧植物の発見にあたり、この情報を公開することは乱獲を助長するリスクもあることから、公表することなく“そっと見守る”という選択肢もありました。しかし、流れ藻のもとになった本来の生育地が特定できていないことや、琵琶湖周辺地域の方々と情報を共有することで琵琶湖の自然に対する理解を高めていけたらとの考えから、絶滅危惧種の保全問題に詳しい専門家の意見も踏まえ、情報提供の呼びかけを含めた情報公開による保全手法を選択しました。
 絶滅危惧植物をむやみに採集すべきでないことはもちろんですが、増殖させようとして他の場所に移植することも、逆に適切な種の保全をさまたげることがあります。このような例を通じて、絶滅危惧植物の保全に関する正しい知識や考え方を発信していきたいと考えています。


■左記画像
ムサシモの植物体(三浦撮影)



〈参考ウェブサイト〉
日本のレッドデータ検索システム
http://jpnrdb.com/search.php?mode=map&q=06050075265

問い合わせ先 : 龍谷大学農学部准教授 三浦励一(みうら・れいいち)
滋賀県大津市瀬田大江町横谷1-5/Tel 077-599-5650 <三浦研究室直通>