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2019.12.04

「昆虫学Ⅱ」にて講演会を実施~農業害虫との闘い-天敵生物を使った害虫管理の研究-~

2019年11月26日(火)2講時、「昆虫学Ⅱ」にて、農研機構西日本農業研究センター 主任研究員 安部 順一朗 氏をお招きし、『農業害虫との闘い -天敵生物を使った害虫管理の研究-』と題してご講演いただきました。
農業現場に深く関わっている安部氏が冒頭に用いたスライドが「農業は自然破壊である」だったことに、受講生たちは衝撃を受けていました。自然ではない状態を人が作ったことで、ただの虫を害虫にしてしまったこと、自然界ではモノカルチャーではなく、天敵が存在するため特定の生物が増えにくいことを述べ、農生態系と自然生態系の違いについて説明されました。それを踏まえて総合的病害虫雑草管理の概念と、さらに安部氏が行っている天敵生物を利用した害虫防除技術の開発について、自身の研究例を紹介されました。最後に、消費者が「無農薬が良い」と言いながら「虫に食われていない農作物の方がいい」と矛盾したわがままをいっているとコメントされたのも興味深いことでした。

学生の感想:学生は非常に興味を持って受講していました。受講後には「天敵生物を使った害虫防除の原理を説明していただいたため、とても理解しやすかった」、「授業で学んだことをより具体的かつ詳細に説明していただいたため、興味がさらに湧いた」といった感想が多く、今回の講義では、通常の授業ではなかなか実感できない部分を具体性を持って理解してもらうことができました。また、農業にさらに興味を持ったという感想も多く寄せられました。

安部氏より:皆さん、熱心に聴いて下さり、非常に講義しやすかったです。質疑応答で質問される方が少なかったのですが、講義後にいただいた用紙にはびっしりと感想や質問が書かれており、びっくりしました。また、返答に窮してしまいそうな非常に鋭い質問も多く、私自身にとっても良い刺激になりました。今回の講義で学生さんが少しでも、日々口にしている農作物がいかにして守られているかに興味を持っていただけたらと思います。