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2020.01.16

第31回新春技術講演会 ポスターセッションに参加【犯罪学研究センター】

生きづらさを抱えている人に柔軟に対応できる力を持った地域社会へ

2020年1月15日(水)、龍谷大学 犯罪学研究センター(CrimRC)は、びわ湖大津プリンスホテルで開催された「第31回 龍谷大学 新春技術講演会」内のポスターセッションに出展しました。
【イベント概要>>】https://www.ryukoku.ac.jp/nc/event/entry-4222.html

本学瀬田キャンパスを開設した1989年以降、開催されてきたこのイベントは、今回で31回目を迎えました。講演会の開催目的の1つに「本学が取り組んでいる最新の研究成果を学外に発信すること」が掲げられており、当センターも昨年に引き続き参加しました。
【昨年の内容>>】https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-3070.html


第31回 龍谷大学 新春技術講演会のようす

第31回 龍谷大学 新春技術講演会のようす


今回のテーマは、「先端技術でひらく持続可能な社会」です。
第1部講演会では、はじめに矢島秀浩氏(経済産業省 近畿経済産業局 地域経済部長)より「経済産業及び近畿経済産業局におけるSociety5.0*1関連等の取組」に関する報告が行われ、つづけて、産業界から招聘された講演者による基調講演がありました。第2部講演会では、理工学部・農学部の教員による研究内容の発表がありました。

第1部と第2部の講演の合間に行われたポスターセッションでは、理工学部・農学部を中心とした学部に加えて、本学に設置された研究センター、本学発のベンチャー企業など70を超える出展タイトルが一堂に介し、各々のポスターの前で発表が行われました。


ポスターセッション会場のようす

ポスターセッション会場のようす

犯罪学研究センターは、「人にやさしい犯罪学の視点で考えるソーシャル・デザイン〜塀のない社会を目指して〜」と題し、以下の3つの視点から取り組みを紹介しました。

1.【犯罪と科学】自然科学的視点から見た刑事裁判の盲点
「科学鑑定」ユニットの取り組みを中心に、科学技術の発展がどのように刑事事件の捜査や裁判に影響を及ぼしているのかを紹介。

2.【犯罪と社会】社会科学的視点から見た犯罪状況と政策評価
→日本における犯罪状況を説明するとともに、犯罪現象を把握するために実施される社会調査や犯罪対策の効果測定の必要性について、「政策評価」ユニット「犯罪社会学」ユニット「意識調査」ユニットISRD−JAPANプロジェクト)の取り組みを通して紹介。

3.【犯罪と人間】人間科学的視点から見た“つまずき”回復支援
→近年、犯罪に対する政策では、「再犯防止」、「地域定着」、「就労支援」などが喫緊の課題。「治療法学」ユニットや、連携組織である本学ATA-net研究センターの取り組みを紹介し、地域社会における総合的な支援のあり方について提言。


CrimRC_2019posterA1_200108.pdf(5.96 MB)ファイルを開く

>>犯罪学研究センター ポスター展示内容(PDF)


ポスターセッションのようす

ポスターセッションのようす


犯罪学はさまざな領域から構成される学際的な学問ですが、その対象が犯罪(逸脱行動)であるためか、人びとの興味関心は、罪を犯した人の資質や防犯対策、捜査手法に集中しがちです。そこで、今回の新春技術講演会のテーマ「先端技術でひらく持続可能な社会」を受け、「人にやさしい犯罪学」を標榜する当センターの特色をアピールするために、ユニットの研究成果をもとにポスターの内容を検討しました。結果、従来の「犯罪を起点とした刑事システム」を中心に考えるのではなく、「犯罪や非行に至る前の段階も踏まえた、より広い視野から社会状況を眺めることが必要である」ことをポスターに盛り込みました。
そのような観点にたつと、いまの日本には日常生活の中で、何らかの生きづらさを抱えている人が多いことに気づかされます。当センターは「人が日々の生活で抱える問題や失敗を“つまずき”という視点でとらえ、社会から孤立させないようにする。“つまずき”からの立ち直りには、地域社会における総合的な支援が必要」と考え、これからの日本に必要なソーシャルデザインを犯罪学の立場から提示しました。

当センターが考えるソーシャルデザインは、
生きづらさを抱えている人に柔軟に対応できる力を持った地域社会へ」です。


ポスターセッションの来場者からは、「刑事裁判と自然科学との関係について(科学鑑定と再審請求の事例等)」に関する質疑はもとより、「過疎地域における地域コミュニティのあり方」、「社会格差による子どもの貧困や非行問題」といった現代社会が抱える多様なトピックに関して犯罪学がどう寄与できるのか等、研究の社会実践に向けた意見も求められました。

犯罪学研究センター(CrimRC)は、今後もエビデンスに基づく研究と対人支援の観点からの犯罪者の処遇、そして共生社会を目指した真の意味での犯罪対策の在り方を探っていきます。

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【補注】
*1 Society 5.0:(内閣府HPより引用)
「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)。
狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱されました。」
https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/index.html