2022.08.08
【里山学研究センター】公開研究会開催 共催:科研費(基盤B)「農地の法的社会的管理システムの比較研究」(代表者・楜澤能生)
「EUとドイツにおける 持続可能な農業を展望する政策と法」
開催日時 | 2022年09月07日 10:00 ~ 2022年09月07日 13:00 |
---|---|
開催場所 | 深草学舎 和顔館4F会議室3 |
お問い合わせ | 【里山学研究センター事務局】TEL:075-645-2154 E-mail:satoyamagaku@ad.ryukoku.ac.jp |
龍谷大学里山学研究センターでは、9月7日(水)午前10時より公開研究会(共催:科研費(基盤B)「農地の法的社会的管理システムの比較研究」(代表者・楜澤能生))
「EUとドイツにおける 持続可能な農業を展望する政策と法」を開催します。
【概要】
今日農地林地の維持管理は、一つの大きな変化の局面を迎えています。各国において従来農業は家族を中心に営まれ、中小の家族経営が農地所有権の主体となる農業構造が維持されてきました。
しかしドイツでは非農業部門の法人企業が農地を取得し、農業を工業的に展開する事態が特に東独部で顕著に出てきており、農地所有の構造も一部企業へ集中する傾向が出てきています。農林地の取引については、これを行政の許可の下に置き、望ましい農業構造を確保する法制が確立されていますが、法人の持分取得シェアディール を通じた土地取得については法の欠缺が生じており、いまこれにどう対処し、望ましい農業構造をいかに保持するかが大きな問題になっています。
日本と中国では、農業の生産性向上のための農業経営の規模拡大が課題とされ、特に一般企業法人の農業参入を容易にすべく、農地取引規制の緩和が法政策的課題とされています。
以上のような動向に対して、ドイツで 2017 年に出された 「 未来戦略 有機農業 」では有機農業を全農地の20%に拡大するとの目標を、さらに EU で 2020 年に出された Farm to Fork 戦略では有機農業を全農地の 25%に拡大するとの野心的な目標を掲げています。こう した動向を受けて日本の農水省も 2021 年に、突如 「 みどりの食料システム戦略 」 を公表して、2050年までに農地の 25%、1万 ha を有機栽培農地にする、という目標を掲げました。こうした戦略は、前述の経営規模の拡大による生産性の向上という従来の方向性に対するオールタナティヴとなりうるのか否か、その検討も含め、生産 機能だけでない多面的な機能の発揮、 自然の循環機能という視点から農林業を捉え、そのような農林業の持続的な展開を担保する農林地維持管理法制を確立する という、 両国に共通の課題をめぐって議論します。
【日時】9月7日(水)10:00-13:00
【開催場所】深草学舎 和顔館4F 会議室3
【企画趣旨説明者】 楜澤能生 教授(早稲田大学・研究代表者)
【報告者】 Cara von Nolting 研究員 / José Martinez 教授・所長
(ゲッチンゲン大学農業法研究所)
「EUにおける「農場から食卓」戦略と ドイツのエコロジー
農業の将来戦略」
Friederike Heise 研究員 / Jonas Lohstroh 研究員
(ゲッチンゲン大学農業法研究所)
「家族経営の維持との緊張関係における農業の工業化」
【参加費】無料
10:00-10:05 開催挨拶 村澤真保呂 教授
(龍谷大学里山学研究センター・センター長)
10:05-10:15 企画趣旨説明 楜澤能生 教授(早稲田大学・研究代表者)
10:15-11:15 「EUにおける「農場から食卓」戦略と ドイツのエコロジー
農業の将来戦略」
報告書 Cara von Nolting 研究員 / José Martinez 教授・所長
(ゲッチンゲン大学農業法研究所)
11:15-12:15 「家族経営の維持との緊張関係における農業の工業化」
報告者 Friederike Heise 研究員 / Jonas Lohstroh 研究員
(ゲッチンゲン大学農業法研究所)
12:15-13:00 質疑応答