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2023.07.27

ワークショップ&リリース「日本の死刑と再審」【刑事司法・誤判救済研究センター共催/犯罪学研究センター後援】

<ドイツより発信> 〜日本政府はまだ死刑を存置し、生命権と人権を侵害し続けるのか?〜

開催日時 2023年09月04日 20:00 ~ 2023年09月04日 24:00
開催場所 ドイツ会場よりLIVE配信予定
お問い合わせ 龍谷大学 刑事司法・誤判救済研究センター(RCWC) Tel:075-645-7922 E-mail:rcwc@ad.ryukoku.ac.jp

2023年9月4日に開催するワークショップ&リリース「日本の死刑と再審」についてご案内します。当日はドイツ・ベルリンより日本語通訳付でライブ配信します。ぜひふるってご参加ください。

>>お申込みフォーム 】※参加無料 要事前申込み


ワークショップ&リリース「日本の死刑と再審」
〜日本政府はまだ死刑を存置し、生命権と人権を侵害し続けるのか?〜

【企画の趣旨】
 日本には死刑制度が存続している。その執行方法は絞首刑である。また、再審は、ラクダを針の穴に通すのと同じくらい難しい。
 日本は立法、行政、司法の権力の均衡を図る三権分立の政治体制をとっている。しかし、裁判所が再審請求の裁判をしている最中であっても、法務大臣が死刑の執行を命令して、再審請求の裁判を止めてしまう。
 袴田巌(87歳・男性)の雪冤の再審裁判が静岡地方裁判所で始まった。しかし、検察官は、再審の裁判を引き延ばそうとしている。
 大崎事件では、10年の拘禁刑の有罪判決を受けた原口アヤ子(96歳・女性)は、出所後に再審請求の活動を始め、3度の再審開始決定があったが、ことごとく上級審で覆され、現在、4回目の再審請求が最高裁判所に係属している。
 このような時代状況の中、大阪には、死刑囚等による3つの訴訟が継続している。再審請求中の執行、死刑の当日告知・即時執行、そして絞首刑の残虐性を争う3つの行政訴訟・賠償請求訴訟である。
 わたしたち、日本の死刑と再審の改革を求める研究者と弁護士のチームは、2023年9月4日、欧州の中心であるベルリンから、生命と権利を保障する努力をしている世界の人たちに、日本政府の人権侵害をアピールし、改革への協力を呼びかけるためにこの「ワークショップ&プレスリリース」を開催する。わたしたちの声に耳を傾けてほしい。


日 時:2023年9月4日(月)ドイツ時間13:00-17:00(日本時間20:00-24:00)
場 所:ベルリン・フンボルト大学213号教室、旧王宮ウンター・デン・リンデン9
(Raum 213, Humboldt Universität zu Berlin, Altes Palais – Unter den Linden 9 )
※ドイツでの開催のようすをLIVE配信します(日本語逐次通訳付き)

テーマ:ワークショップ&リリース「日本の死刑と再審」
“日本政府は、まだ死刑を存置し、生命権と人権を侵害し続けるのか”

趣旨説明: 石塚伸一(龍谷大学名誉教授)
司会:ヘニング・ローゼナウ(ハレ大学法学部教授)
スピーカー:
袴田事件弁護人  戸舘圭之  (第二東京弁護士会)
大崎事件弁護人  鴨志田祐美(京都弁護士会)
大阪3訴訟代理人 西 愛礼(大阪弁護士会)
刑事訴訟学者   斎藤 司(龍谷大学法学部教授・刑事司法・誤判救済研究センター長)
コメンテーター:
金尚均(龍谷大学法学部教授)
古川原明子(龍谷大学法学部教授) ほか

主 催:一般社団法人 刑事司法未来(Criminal Justice Future: CJF)
共 催:龍谷大学 刑事司法・誤判救済研究センター(Research Center of Criminal Justice and Wrongful Convictions,Ryukoku University: RCWC)
ベルリン・フンボルト大学ルイス・グレコ研究室(Prof.Dr.Luis Greco, LL.M., Lehrstuhl für Strafrecht, Strafprozessrecht,ausländisches Strafrecht und Strafrechtstheorie , Humboldt-Universität zu Berlin)
協 力:マルティン・ルター大学ハレ・ヴィッテンベルク ヘニング・ローゼナウ研究室(Prof. Dr. Henning Rosenau)
後 援:龍谷大学 犯罪学研究センター(CrimRC)、株式会社TKC、特定非営利活動法人CrimeInfo ほか
協 賛:モナッシュ大学エレオス・ジャスティス(Eleos Justice, Monash University)、イノセンス・プロジェクト・ジャパン(Innocence Project Japan:IPJ)、フォーラム90 ほか

【プログラム(予定)※日本時間】
20:00 開会:企画の趣旨説明“日本の死刑と再審”(石塚伸一)
20:20-21:20 第1部(司会:ヘニング・ローゼナウ)(逐次通訳)
  第1報告「袴田巌事件について〜47年の拘禁の末に始まった再審裁判〜」
  第2報告「再審法案の起草について〜日本には、再審に関する法律がない〜」
  第3報告「死刑囚人権訴訟〜大阪で死刑囚の権利を争う裁判が始まった〜」
=休憩=(21:20-21:50)
21:50-22:50 第2部(司会:ヘニング・ローゼナウ/石塚伸一)(逐次通訳)
  第4報告「日本の再審〜研究者の目からみた〜」
  日本から、ドイツから、世界からのコメント(各10分)
22:50-23:50 ディスカッション(60分)(逐次通訳)
23:50-24:00  まとめと閉会の辞(10分)

補注:
【袴田事件】 1966年6月30日に静岡県で強盗放火殺人事件が発生し、8月18日被疑者として袴田が逮捕された。彼は無実を主張したが、拷問のような長期の取調べの末、1通の自白調書が採用され一審は有罪。控訴したが棄却。1980年12月12日に最高裁判所で死刑が確定した。2度の再審請求などを経て、2014年3月27日、静岡地方裁判所が再審開始を決定し、拘置の執行も停止し、彼は東京拘置所から47年7カ月ぶりに釈放された。袴田は、長年の孤独な拘禁が原因で、拘禁症状などを罹患している。
静岡地方検察庁は、再審開始決定に対して即時抗告を申し立て、2018年6月、東京高裁は再審開始を覆す決定をしたが、弁護側が特別抗告し、最高裁判所は、高裁の決定を取り消して高裁に差し戻した。2023年3月、東京高裁は静岡地裁を支持する決定を言渡し、静岡地裁で再審の裁判が始まった。しかし、検察官は、事実を争う構えであり、裁判をいたずらに引き伸ばそうとしている。袴田は重度の拘禁反応に罹患しており、現在87歳。彼を支えてきた姉・秀子は90歳である。
日本の死刑囚の再審は、戦後5例目であるが、この事件以外の4事件は全て1980年代であり、したがってこの35年間、死刑台から生還した人はいない。

【大崎事件】 1979年10月、鹿児島県の大崎町で男性の変死体が見つかった事件。1980年3月に鹿児島地裁で義理の姉と兄弟による殺人事件として有罪が確定し、1981年1月に最高裁で上告が棄却され、懲役10年の刑が確定した。
姉は、裁判のやり直しを求めて再審を請求し、2002年鹿児島地裁は2004年に再審開始決定を取消し、2006年最高裁は特別抗告を棄却した。2010年に第2次の再審が請求されたが、再審請求は棄却された。第3次の再審請求では、地裁も、高裁も再審の開始を認めたが、2019年、最高裁第1小法廷が再審請求を自ら取り消した。2020年3月に始まった第4次再審請求が現在最高裁に係属している。請求人の原口アヤ子は96歳である。

【大阪死刑3訴訟】 (1) 2020年12月に元弁護人が提訴した、再審中の死刑囚の再審請求中に法務大臣の命令で死刑が執行されたことが裁判を受ける権利や弁護権を侵害するとして国家賠償を求める裁判(再審請求中の死刑執行訴訟)。(2) 2021年11月に死刑囚が提訴した、死刑執行日の朝、突然、執行が告知され、1時間も経たないうちに執行している現在の実務は違法であり、原告には受忍義務が存在しないことを確認し、かつ国家賠償を求めた裁判(即日告知・即時執行訴訟)。(3) 2022年11月に死刑囚が提起した、絞首による死刑執行は、残虐であり非人道的、品位を傷つける処刑方法であるとして、死刑執行の差止めと国家損害賠償を求める裁判(絞首刑訴訟)。いずれも、現在、大阪地方裁判所に係属している民事訴訟である。
参考: https://www.crimeinfo.jp/data/osaka/


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