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2021.04.22

【龍谷大学ATA-net研究センター/犯罪学研究センター共催・ティーチイン】 シリーズ第5回「薬物政策としての大麻政策-政策としての歴史的文脈と現在の論点-」

テーマ:「薬物政策としての大麻政策-政策としての歴史的文脈と現在の論点-」(オンライン開催・事前申し込み制・参加無料)

開催日時 2021年05月07日 18:00 ~ 2021年05月07日 20:00
開催場所 Zoom(当イベントの専用アカウント)
お問い合わせ 研究部(人間・科学・宗教総合研究センター)ATA-net研究センター事務局   Tel 075-645-2154  Fax 075-645-2240 Web https://ata-net.jp/

龍谷大学 犯罪学研究センター(CrimRC)は、下記のウェビナーを、来る5月7日(金)に共催します。
【>>お申込みページ】
※お申し込み期限:5月7日(金)18:00まで


シリーズ第5回
「薬物政策としての大麻政策-政策としての歴史的文脈と現在の論点-」

日時:2021年5月7日(金)18:00-20:00
形式:Zoom/定員:約200名

報告者:佐藤 哲彦(関西学院大学社会学部教授)

プログラム ※一部変更となる場合があります
1.開会の挨拶 石塚 伸一(本学法学部教授) 5分
2.報告者 佐藤 哲彦(関西学院大学社会学部教授)55分
3.質疑応答・ディスカッション 55分
4.閉会の挨拶  5分

【企画の趣旨】 大麻使用や大麻所持をどのように処遇するかというのは、よくあるような使用者のプロファイルの話としてではなく、薬物政策という観点で話をする必要があるトピックです。薬物政策とは、薬物を意味づけ、その意味にもとづいて組み立てる政策のことで、そこには刑事政策、保健医療政策、社会政策などさまざまな局面があります。それは、政策である限りにおいて、最初から決まったものであるわけでなく、時代状況や社会環境との関係をもとに議論し組み立てる性質のものです。今回は、まず、大麻使用罪の創設や大麻所持の厳罰化など、こんにちの大麻をめぐる薬物政策が議論される制度的文脈そのものの成立過程を実証的に説明することで、大麻取り締まりの可否自体が歴史的なものであることを示します。それを踏まえて、依存などの(医療的)問題にのみ言及して薬物政策を議論することの問題を、歴史的資料・国際的統計・国際的政策動向などの観点から説明します。これらにおいて重要な論点の一つは、現在議論しているのは薬物政策であって、したがって薬物政策特有の枠組や視角が必要だということです。それは同時に、薬物政策について議論することが、こんにちの社会で何を議論することなのか、ということについて明らかにすることでもあります。たとえば大麻使用を合法化するなど、こんにち一部の国で見られる政策や、逆に大麻使用を犯罪化するなどの政策などの是非を議論する以前に、そもそも薬物政策を議論するプラットフォームの必要性が議論されることになるでしょう。

【プロフィール】 佐藤 哲彦(さとう・あきひこ) 
日本で最初に薬物使用と薬物政策の社会学を始めた社会学者。著書『覚醒剤の社会史』(東信堂, 2006)は日本犯罪社会学会学術奨励賞と日本社会病理学会学術奨励賞を受賞。1990年代半ばよりオランダやイギリスをはじめ、各地で薬物使用と薬物政策の調査を行っている。国際的な薬物政策研究雑誌であるInternational Journal of Drug Policyの編集委員もつとめた(2013〜2016年)。他に薬物政策の国際NGOとして有名なGlobal Commission of Drug Policyの政策提言書(Policy Paper)のレビュアーなどもつとめる。他の著書に『ドラッグの社会学』(世界思想社, 2008)など。近著に『Risk and Substance Use: Framing Dangerous People and Dangerous Places』(Routledge, 2020)(共著)。現在は関西学院大学社会学部教授。

主催:龍谷大学 ATA-net研究センター
共催:龍谷大学 犯罪学研究センター(CrimRC)

※Zoomの視聴情報は、「Peatix」お申込み後に届くメール(自動送信)に表示されます。Zoom視聴情報を、他に拡散しないようお願いいたします。
また、申し込み名とZoomの名前を合わせていただくようにお願いいたします。

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【龍谷大学ATA-net研究センター/犯罪学研究センター共催・ティーチイン】
私たちは、2020年1月、ATA-net研究センターの設立を記念し、イーサン・ネーデルマンさんをお招きして、「薬物政策とハーム・リダクション」に関するシンポジウムを開催しました。その際、つぎのことを確認しました。

薬物との戦争(A War on Drug)」は終わった。薬物の自己使用を犯罪として処理することを止めようという動きが本格的化している。特定の薬物を禁止して、それを使うと捕まえて、刑務所に放り込むという厳罰主義のアプローチは、当事者の回復のチャンスを奪い、支援者との関係を断ち、地域社会の健康に有害な影響を及ぼす。わたしたちは、依存症者を処罰して、社会と刑務所を往復させる「回転ドア」を壊す必要がある。

ところが、これまで処罰の対象となっていなかった大麻の使用を犯罪化・刑罰化しようという論議が始まっています。厚生労働省は「大麻等の薬物対策のあり方検討会」を立ち上げ、医療用大麻の使用を拡大し、これまで処罰対象ではなかった「大麻使用罪」を新設しようとしています。なぜ、日本政府は、世界的潮流に抗うような作業を始めたのでしょうか。龍谷大学ATA-net研究センター犯罪学研究センターは、連続ティーチインを開催して、現実を知ること、政府政策の意味を学ぶことから始めようと思います。


【関連ニュース】
>>2020.02.10News 龍谷大学ATA‐net研究センター キック・オフ・シンポジウム 第1部レポート【犯罪学研究センター共催】
>>2020.02.10News 龍谷大学ATA‐net研究センター キック・オフ・シンポジウム 第2部レポート【犯罪学研究センター共催】