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2022.03.07

「持続可能性を高めるための地域市民活動の現在—多様な人々の潜在力を活かすには?—」シンポジウム開催 生物多様性と文化多様性を結ぶ新しい学術動向を考えるシンポジウム <3/13(日)ウェビナー(Zoom)によるオンライン開催(事前申込制)>

【本件のポイント】

  • 龍谷大学里山学研究センター※1は3月13日(日)に公開シンポジウム「持続可能性を高めるための地域市民活動の現在—多様な人々の潜在力を活かすには?—」をオンラインにて開催
  • 気候変動問題とくらべて生物多様性問題は都市住民に問題意識が伝わりにくく、取り組みが遅れていることが国際的な課題
  • 生物多様性問題に市民とともに取り組み、先進的な活動で知られる国内の講演者の方々を招き、持続可能社会をめざす市民活動の課題とそれを克服する新たな方向性を考えるシンポジウム

 

【本件の概要】
 龍谷大学里山学研究センターは、これまで自然共生型社会をめざして、古くから人々に利用されてきた里山に着目して研究を重ねてきました。今回、本センターは自然共生型社会に向けた実践上の課題と克服策、新たな方向性を考えるために、地域市民活動の担い手によるシンポジウムを開催します。
 1992年の「国連地球サミット」以来、人類と地球環境の持続可能性が国際的課題となり、気候変動と生物多様性の二つの領域を中心にその解決に向けた取り組みが進められています。気候変動問題は、誰もが体感できることや計測手法が確立されていることもあり、取り組みが早くから進んでおり、欧米を中心に市民社会の問題意識も高まっています。しかし生物多様性問題は、生物多様性の宝庫が途上国に集中しており、先進諸国では直接的な影響が体感されないことから、問題が市民社会に伝わらないことがIPBESなど国際機関も悩ませる課題になっています。
 シンポジウムでは、西宮市の都市住民とともに甲山を活用したさまざまな取り組みでNEWSWEEK(日本版2007年8月)の「世界を変える百人の社会起業家」に選ばれた小川雅由氏、尼崎市民とともに工場跡地の森林化に取り組む田村和也氏、和歌山県での漁業・林業・行政をつなぐ企業家として知られる松谷真弓氏の講演を通じて、持続可能な自然共生型社会の実現に向けた地域市民活動のキーポイントについて議論し、今後の市民社会の実践に役立てたいと考えます。

 


1.開催日時 : 2022年3月13日(日) 14:00〜16:30
            ※一般来聴歓迎、無料、事前申し込み制

 

2.開催場所 : Zoomによるオンライン ※申し込みは下記申込フォームにて
 Webフォームより:https://forms.office.com/r/kfJ5p36Qc2
 Peatixより:https://satoyamagaku-event.peatix.com/view

3.プログラム
 14:00 あいさつ・主旨説明
 14:10 「都市住民と自然をどう結ぶか」
            講師 小川雅由 氏
 (NPO法人こども環境活動支援協会(LEAF) 専務理事、西宮市立甲山自然環境センター センター長)
 14:50 休憩
 14:55 「都市型里山保全の取り組み」
            講師 田村和也 氏(株式会社 里と水辺研究所 主任研究員)
 15:25 「伝統的漁師町から学んだ『持続可能性』」
            講師  松谷真弓 氏(アプローチ株式会社 代表取締役)
 15:55 休憩
 16:00 ディスカッション/質疑応答
 ディスカッサント 松田頼彦 氏
 (NPO法人美しいふるさとを創る会 事務局長、株式会社 ヤスダハンズ 会長)
  総合司会 村澤真保呂(龍谷大学里山学研究センター センター長)
    16:30 終了


4.講演者プロフィール
・小川 雅由(おがわ まさよし)氏
1953 年生まれ。1972 年西宮市役所入所。1992 年に環境省こどもエコクラブ事業(1995 年スタート)の基本モデルとなる地球ウォッチングクラブ(EWC)事業を始める。1998 年市民・事業者・行政の恊働による「こども環境活動支援協会(LEAF)」の発足に携わる。2003 年西宮市環境都市推進グループ課長着任。同年12 月に全国初の「環境学習都市宣言」を行う。現在、西宮市環境審議会委員、NPO法人こども環境活動支援協会専務理事(西宮市立甲山自然環境センター長)。
*環境学習を通じた持続可能なまちづくりを提唱。2006 年3 月西宮市退職、2007 年3 月からLEAF 事務局長兼理事に就任。2007 年『Newsweek』で「世界を変える社会起業家100 人」の一人として紹介される。2017年 第13回JICA理事長表彰(JICA国際協力感謝賞 個人の部)受賞。兵庫県環境審議会委員(環境学習分野)、西宮市環境計画推進パートナーシップ会長、神戸女学院大学大学院非常勤講師等を務めた。

・田村 和也(たむら かずや)氏
1971年生まれ。大阪教育大学教育学部自然研究専攻卒業。生物調査会社を経て2000年から現職。専門は植物生態学、植生学。現在は都市近郊における生物多様性に配慮した森づくりの支援、兵庫県内の里山林の再生計画などに取り組んでいるほか、森づくりや里山林再生に関わる市民活動のコーディネートにも取り組んでいる。特定非営利活動法人 こども環境活動支援協会 理事。

・松谷 真弓(まつたに まゆみ)氏
京都府在住/アプローチ株式会社代表取締役・キャリアコンサルタント。⼈の本質に関わるキャリア経験を活かし、企業や組織を中⼼とした研修・プロジェクトの推進に携わる。⼈がイキイキすることで組織が元気になる !がコンセプト。多様な組織が繋がることで⽣み出される可能性に魅⼒を感じ、サスティナブル経営の基盤作り(行政・企業、学校、他団体を主体とする地域の企画、広報)をサポートする。グローバル認定組織と関係性のためのシステムコーチ(ORSCC)。

・松田 頼彦(まつだ よりひこ)氏
1955年京都府生まれ。12年間の会社勤務の後、多様な事業の設立を経て、2004年に有限会社丹後最上インクス設立(代表取締役に就任)。同年、特定非営利活動法人「美しいふるさとを創る会」を設立(理事・事務局長に就任)し、立命館大学経営学部プロジェクト団体「丹後村おこし活動チーム」創設を主導する。2018年には、有限会社丹後最上インクスと有限責任事業組合(LLP)丹後試作工房を統合し、株式会社丹後最上試作工房設立(代表取締役に就任)。

・村澤 真保呂(むらさわ まほろ)
龍谷大学社会学部教授。1968年生まれ。心理学、社会学、環境学を結ぶ思想的研究を行っている。専門は社会学・社会思想。著書に『ポストモラトリアム時代の若者たち——社会的排除を超えて』(共著、世界思想社、2012)『里山学講義』(編著、晃洋書房、2015)『都市を終わらせる——「人新世」時代の精神、社会、自然』(ナカニシヤ出版、2021)など。訳書にフェリックス・ガタリ『ミクロ政治学』(共訳、法政大学出版局、2021)など。

5.主催 : 龍谷大学里山学研究センター

6.用語説明 
※1 龍谷大学里山学研究センター
2004年度に文部科学省オープンリサーチセンター整備事業として採択されてから、人と自然との共生をめざした「里山学」を掲げ、里山の保全再生に向けたプロジェクト研究に取り組んできました。また、2015年度文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業に採択されたことを契機に、琵琶湖の保全・再生に「Satoyamaモデル」を活かす政策を模索してきました。さらに2020年度に学内プロジェクトの重点強化型研究推進事業に採択され、現在、「「人新世」時代の新・里山学の創造―新たな「自然」概念構築と「自然との対話」方法論の確立に向けた文理融合研究」をテーマとして、研究活動に取り組んでいます。

問い合わせ先:龍谷大学里山学研究センター事務局
Tel 075-645-2154 E-Mail satoyamagaku@ad.ryukoku.ac.jp