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2022.06.03

「お寺を居場所に」浄土真宗本願寺派の取り組みと考え方について学ぶ【社会共生実習】

ご講演いただいた弘中氏


 「社会共生実習(お寺の可能性を引き出そう!―社会におけるお寺の役割を考えるー)」(担当教員:社会学科教授 猪瀬優理、コミュニティマネジメント学科 准教授 古莊匡義)では5月13日に浄土真宗本願寺派 子ども・若者ご縁づくり推進室室長の弘中貴之氏をお招きし、「お寺を居場所に 浄土真宗本願寺派の取り組みと考え方」というテーマでご講演いただきました。 


 はじめに、社会の中の一般的なお寺のあり様や役割、また、高齢化や過疎化が進む現代ではお寺との関係が希薄化しているということをお話しいただきました。しかし、そのような中でも2015年にマサチューセッツ工科大学メディアラボと朝日新聞社で共催された「未来メディア塾2015」でおこなわれた議論では、20年後もロボットにとって代わられることなく「人間の仕事として残りそうな職業」に「お坊さん」が挙げられたということをご紹介いただきました。

最近の寺院の役割についての調査結果からも「お防さんは葬儀と法事」という役割から、人工知能にはできない「癒しや苦悩からの解放」という役割が求められていることがわかり、今後担っていく必要があると仰っていました。


授業の様子



 また、「人生100年時代」と言われる中で、生き方についても過去のロールモデルは参考にならず、先が決まっていない時代に突入していくと言われている中で、仏教としては「生きる」という考え方自体を切り替えて捉える方が良いのではと考えられていること、目に見える「有形資産」だけではなく、「健康」、「パートナー」、「つながり」、「学び続ける力」などの「無形資産」が重要であるということも学びました。答えのない時代にどうやって幸せになっていくのか、その問いに自分で答えていかなくてはいけない時代になっているとのお話に学生たちも真剣に耳を傾けていました。




 後半には、福井県で子ども食堂「テンプル食堂よしざき」をお寺で運営されている女性僧侶の方の活動の様子を、動画を交えながらご紹介くださいました。月に一度、子どもに限らず地域住民の方が集まって食事を共にしながら交流の場を設け、地域全体で子育てをしようと奮闘されている活動の様子は、葬儀や法事を執り行う「お寺」のイメージが変わるものでした。

他にもフードパントリーやマルシェ、ウクライナの子どもたちへの支援、寺子屋、若者の居場所作りなど、多岐にわたる取り組みをお寺がおこなっていることを知ることができました。
弘中氏のお話の中には「つながり」という言葉が繰り返し使われており、お寺が人と人とのつながりを重んじて、地域の活性化に貢献されている様子を学ぶことができました。




 受講生たちは、実際に本願寺にも足を運び、本山の役割を体験的に知る予定です。受講生たちが、今後のお寺の役割をどのように見つけ出していくのか楽しみです。


社会学部「社会共生実習」について、詳しくはこちらの【専用ページ】をご覧ください。