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2022.06.26

「昆虫学Ⅰ」にて講演会を実施~訪花昆虫と植物~

2022年6月22日(水)1講時、「昆虫学Ⅰ」にて、農研機構 農業環境研究部門 農業生態系管理研究領域 生物多様性保全・利用グループ 上級研究員 前田 太郎 様をお招きし、「訪花昆虫と植物」をテーマにお話しいただきました。

顕花植物の85%が虫媒花で花粉媒介を虫に頼っています。では、どのような戦略で虫を誘引しているのでしょうか。それは、形、色、匂いなど、固有の特徴をもつことで、同種のみに訪花するように誘導していること、そして、虫はそれらの特徴について連合学習をすることなど、虫と植物との共進化について、とても分かりやすく説明されました。また、近年の知見である、ハチが植物を傷つけることで花を咲かせる時期を早めるという、虫が植物を操作することを紹介され、虫も花を上手く利用していることを説明されました。
そして、モノカルチャー(単一品種)の農生態系より、多様な種が混在する農生態系の方が、より安定した農業ができることを話されました。ヨーロッパでは、市民レベルから農業施策まで、媒介昆虫にやさしい環境づくりがされているのだそうです。

<学生のコメント>
虫が私たちの生活にとってどれほど重要で、助けられているかを学びました。大学生になり、農業のことを学んでいるとどうしても害虫に目がいきがちだったので、花粉を運ぶような植物にとって重要な役割を持っている虫が数多く存在することを聞くと驚きました。振り返ってみると、虫と花のやり取りは、報酬である花粉をだましておびき寄せているものもあれば、律儀に等価交換しているようなものもあるというように少し人間社会に似ていると私は感じていて、全体を通してとても面白かったです。