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2022.07.27

米袋をトートバックに、学生らしい発案でリユースを。 【社会共生実習】

 社会学部の『社会共生実習(農福連携で地域をつなぐ―「地域で誰もがいきいきと暮らせる共生社会に向けて」)』(担当教員:コミュニティマネジメント学科 准教授 坂本清彦)では、連携先の“おもや”でとれた自然栽培の農産物などを定期的に販売している「くさつファーマーズマーケット」にて、使用済みの米袋をトートバックに変身させるワークショップを受講生らが企画・実施しました。

 “おもや”は、滋賀県栗東市の特定非営利活動法人縁活による「農福連携」事業です。障がいをもつメンバーが、農薬や肥料を一切使わない農業やカフェレストランの仕事にかかわり、障がい者の就労機会拡大や居場所づくり、多様な地域関係者とのつながりづくりを進めています。

 受講生たちは、とても丈夫な紙製の米袋という消費者が普段あまり目にしない農業資材を使い、農や食との豊かな関わりがあることを多くの人に知ってもらえたらという“おもや”の方々の思いを生かし、ワークショップを企画しました。また、マーケットで“おもや”の一部としてワークショップに参加することで、“おもや”のメンバーやスタッフ、さらには他の出店者やお客さまとコミュニケーションをとって交流を深めるとともに、企画への自主的な参加による自主性を養うことも目的としています。


 マーケット開催2日前の6月24日(金)、“おもや”の休憩室で進めた準備は大詰めです。トートバックの試作を重ねてきた経験を生かして受講生らが役割分担をしてテキパキと作業を進めました。
 切る、折る、貼る、穴をあける、看板を作る、、、作業工程はたくさんありましたが、それぞれが主体性をもって動くことで、限られた時間を有効活用しました。



 また、“おもや”では障がいをもつ方の就労支援事業も行っておられますが、この日はメンバーの和田琉聖さん、花岡咲季さん、木村圭吾さんにもお手伝いいただき、見本となるトートバックに素敵なイラストを描いてもらいました。


左:木村圭吾さん、右:和田琉聖さん


花岡咲季さん

 6月26日(日)、マーケットに朝から集まった受講生たちは、“おもや”の野菜販売テントの横にブルーシートを広げ、トートバッグの材料やテーブルを並べてワークショップの準備を整え、お客さまを待ちます。
 6月にしては厳しすぎる日差しで気温がぐんぐん上がり、マーケットを訪れるお客さまもいつもに比べて少なかったようですが、それでもワークショップに興味をもって声をかけてくださる方がおられました。特に、“おもや”のメンバーが見本のトートバッグに描いた、ビビッドな野菜などのイラストに目を奪われ、足を止められるお客さまがたくさんおられました。



 また、見本のバッグを持って受講生たちが道行く方々に積極的に声をかけたところ、「やってみたい」という子どもさんを含むお客さまが訪れてくださり、日差しを避けるテントの下で、受講生らが事前に準備したパーツを組み合わせてトートバッグに仕立て、アニメのキャラクターのシールを貼ったり、マーカーで思い思いのイラストを描いたりと、自分だけのオリジナルバッグを作っていただきました。



 マーケットに参加した受講生からは「かなり暑い日で客足が心配だったが思ったよりもたくさんのお客様にお越しいただき交流できてよかった」などといった感想があり、参加できなかった受講生からは「マーケット当日は子ども連れのお客様もいらっしゃって盛況だったようで、事前準備の甲斐があった」という声を聞くことができました。

 この実習では、普段は淡々とした農作業に携わる中で受講生が多くのことを学んでいますが、今回のマーケット参加のように自分たちで企画し実施する体験も通じて、農業と地域の多様な人々との関わりを積極的に広げていくことも引き続き学ぶ予定です。


社会学部「社会共生実習」について、詳しくはこちらの【専用ページ】をご覧ください。