2022.07.16
「収穫後生理学」にて講演会を実施~柿の魅力を活かす奈良県の取り組み~
2022年7月15日(金)2講時、「収穫後生理学」にて、奈良県農業技術研究開発センター加工科長 濵崎 貞弘様をお招きし、「柿の魅力を活かす奈良県の取組み」と題し、ご講演いただきました。今回は、平山研究室からオンラインのライブ配信講演を行いました。
テレビに多数出演されている濵﨑さんから、柿の魅力をたっぷり語っていただきました。柿は果実を食べるイメージが強いですが、加工品やサプリメントなど様々な用途で活用されており、機能成分も多く、特にカキタンニンは、最強のポリフェノールと呼ばれ、医療、美容分野でもその機能性が期待されています。古来よりカキタンニンは柿渋として利用されてきましたが、製造に3年以上かかるところを、奈良式カキタンニンの高速抽出法により2週間に短縮したこと、これにより柿渋のど飴、サプリメントの「柿ダノミ」など商品化が進んだことが紹介されました。
【学生コメント】
・柿を普段からあまり食べることも無く、あまり興味を持っていませんでしたが、今回の講義で加工の難しさを知り、それでもなんとか柿を流通させようとする姿に感動を受けました。新たな事に挑戦する事はとても好きなので今後の進展がとても気になります。
・柿を今まではただの果物だと思っていたが、本講義を受けて柿の可能性がこんなにもあることに驚きました。
・柿は食用の甘味としての役割しかないと思っていた。しかし、今回の講義で私たちの暮らしに貢献していることがわかった。特に、柿の成分であるカキタンニンが酒のアルコールや血糖値、潰瘍性大腸炎等の病気に効果的であることに驚いた。医療や日常生活に活かせる幅広い果物へイメージが変わった。
【濵﨑氏コメント】
今回の講義で、「柿」という農作物の魅力が果実の美味しさや高い栄養価に加え、葉や柿渋など果実以外にも大きな価値があること、そして「国果」と言われるまでに連綿と紡いでいた先人たちの取り組み、すなわち我が国に根ざした歴史や文化にもあることをご紹介しました。普段見慣れた柿に、これほど豊かな背景があったことに驚かれた方も多いかと思います。それらを丁寧に紐ほどいていくことで、今まで見えなかった魅力や価値が改めて浮き彫りになったり、それをきっかけに新たな研究開発がスタートしたりすることもあるでしょう。
最新の専門分野を効率よく集中的に学ぶことができる学生の数年間を、ぜひ大事に使ってください。

