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2022.08.10

清水耕介 国際学部長がスイスのQ1ジャーナル Religions の特集号にゲストエディターとして招待【国際学部】

清水耕介国際学部長がスイスのQ1ジャーナル Religions に大乗仏教についての特集号のゲストエディターとして招待されました。
この特集号では林佩瑩准教授(国立政治大学、台湾)および末木文美士名誉教授(東京大学、日文研)を共同編者として迎え、大乗仏教の国際関係に対する貢献可能性を探る予定です。

https://www.mdpi.com/journal/religions/special_issues/E2VBH71FK6

【Call -for-paper要旨】
本特集では、大乗仏教が現代の紛争解決に貢献する可能性に焦点を当てる。国際関係学(IR)の研究者は、現代世界が不確実性と予測不可能性に満ちていることをよく認識している。また、このような状況において、仏教が世界平和実現のためのオルタナティブな世界観を提供することへの期待も高まっている。
しかし、大乗仏教の教えを現代の問題に適用することは、暗い歴史に彩られた仏教であるため、容易なことではないことを認識する必要がある。過去の同様の研究プロジェクトは、大乗仏教の歴史が語る暗黒の歴史を、あたかも存在しないかのように位置づけることで実現されてきた。
この暗黒史とは、ブライアン・ヴィクトリアが『禅と戦争』で典型的に記述した大乗仏教組織の戦争協力史のことであるが、これに限定されるものではない。逆に、こうした暗黒の記録を扱った研究では、あたかも大乗仏教が現代の紛争解決に貢献する可能性がないかのように論じている。彼らにとっては、大乗仏教は現代の国際紛争を語る資格はないのである。
本特集は、この二つの流れを橋渡しし、大乗仏教の貢献の可能性を明らかにするものである。本特集では、大乗仏教の暗黒の歴史を直視し、それを踏まえて、大乗仏教が現代の国際社会にどのように貢献しうるかを探求する。つまり、大乗仏教の負の歴史から、グローバル社会への貢献についてポジティブな未来を導き出すことを試みるのである。