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2022.08.24

ジェンダーの視点で紐解く仏教史上のマイノリティの活躍 連続ワークショップ「性なる仏教」多様な分野の研究者が集い今秋から開催 東アジア仏教を支えてきたのは成人男性だけではなかった。初回は仏教関連文献にみられる「性転換」に着目し、「性の超越と仏教」をテーマに報告 <初回9/10(土)12:00-16:00ハイブリッド開催、Webから要事前登録>

【本件のポイント】

  • 古来、仏典や仏教関連文献にみられる性的マイノリティの存在に着眼し、仏教が想定してきた「性」に迫る連続ワークショップを開催
  • 全6回のワークショップはハイブリット開催。多様な分野の研究報告と語り合いを通じて、「社会的・文化的な性差」であるジェンダーについて共に考える機会に


【本件の概要】
 龍谷大学ジェンダーと宗教研究センター(GRRC)は、ジェンダーの視点で仏教をみつめる連続ワークショップ「性なる仏教」を9月10日(土)から全6回にわたり開催します。
 近年「性」は身体的な特徴には限らないことが知られ、LGBT+の様々な性のありようが認められています。性的マイノリティは、現代において突然表出してきたわけではなく、古来ずっと存在してきました。仏典や仏教関連文献を紐解くと、そうした人々は現出しているものの、あまり注目されてこなかったのです。第1回ワークショップでは、いわゆる「性転換」した人物に焦点を当てます。また、第2回以降のワークショップでも、仏教学・歴史学・美術史学など分野を越えた若手・中堅研究者が集まり、各自のフィールドに出現した女性や性的少数者、あるいは子どもなど、仏教史上のマイノリティの活躍を示す資料を紹介し合い、語り合います。
 当センターは、国連が目指すSDGsおよび本学の推奨する仏教SDGsの実現の一端を担うべく、仏教をはじめとする宗教研究の知見から、ジェンダー平等の実現に取り組むことを目的としています。

1.実施概要
- 名称:連続ワークショップ「性なる仏教」
- 日程:2022年9月10日(土)から月1回、全6回開催 - 参加費:無料 ※事前申込制
- 会場:①本学大宮キャンパス(20名程度・先着順) ②オンライン(Zoom)
- 主催:龍谷大学 ジェンダーと宗教研究センター(GRRC)
- 共催:浄土宗総合研究所 浄土宗の平等思想とLGBTQプロジェクト
龍谷大学世界仏教文化研究センター(応用研究部門)・花園大学人権教育研究センター

2.第1回ワークショップ
(1)実施概要
- 日 時:2022年9月10日(土)12:00-16:00
- テーマ:「性の超越と仏教」
- 趣 旨:第1回のワークショップでは、仏教関連文献にみられる、いわゆる「性転換」した人物に焦点を
当てる。これらの文献は、これまで身体的特徴の変化に言及するものと一律に解釈されてきた。しかし丹念に資料を読んでいくと、そうとは限らないことが浮き彫りになってくる。
前近代の人々が想定している「性転換」がどのようなもので、たとえば出家修行者が「性転換」した場合はどうなるのか、「性転換」が語られることが意味するものは何だったのか、若手研究者の資料紹介などをもとに、仏教が想定してきた「性」に迫る。

(2)報告内容
■ サッチャーナンディ(龍谷大学大学院文学研究科)
報告タイトル:律蔵に記載される「性転換」した人々 ―上座部の比丘尼僧伽復興に関連して―
プロフィール:ミャンマー出身のティーラシン。上座部では仏教の女性出家者「比丘尼」の系譜が断絶したため女性出家者は正式には存在しないとされるが、ミャンマーでは「ティーラシン」と呼ばれる八戒あるいは十戒を受持する女性修行者が出家として公式に認められている。現在、龍谷大学大学院文学研究科で、諸律蔵の比丘尼犍度における女性出家を中心とする研究を続けている。主要な論文に「ミャンマー国家総統委員会編『比丘尼についての裁定資料』(Bhikkhunīwinissaya Sardan)翻訳と注解」(『龍谷大学佛教学研究室年報』25-26、2022年)などがある。

■ 岸田悠里(龍谷ミュージアム リサーチ・アシスタント)
報告タイトル:転変する性
プロフィール:2016年龍谷大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学後、2019年博士学位(文学)取得。経典の解釈を通じて、それがどのように絵画表現されてきたのかに関心を持ち、研究を続けている。2016年から龍谷ミュージアムでRAとして勤務し、『ブッダのお弟子さんー教えをつなぐ物語』(龍谷大学 龍谷ミュージアム・京都新聞・朝日新聞社、2022年)の図録執筆などを行う。代表的な論文に「宗祐寺所蔵仏涅槃図と『小涅槃経』」(『龍谷大学大学院文学研究科紀要』39、2017年)がある。

■ 大谷由香(龍谷大学特任准教授/ワークショップ主催者)
報告タイトル:鎌倉時代の転女比丘尼
プロフィール:2006年龍谷大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学後、2009年博士学位(文学)取得。2017年度から本学特任講師、2020年度から現職。東アジアの仏教戒律思想の変遷を専門とする。単著に『中世後期泉涌寺の研究』法藏館(2017年)、論文に「越境する戒律問答」(2022年)などがある。

(3)詳細・申込方法
以下URLから詳細を確認のうえ、ページ内のフォームに必要事項を入力しお申込みください。

https://grrc.ryukoku.ac.jp/news/news-115/

3.次回以降の予定 ※時期や内容は変更することがあります。予めご了承ください。
-    2022年10月1日(土)13:00-16:00   第2回「仏典を生きる女性たち」
-    2022年11月12日(土)13:00-16:00 第3回「浄土真宗で語られる女性」
-    2022年12月10日(土)12:00-16:00 第4回「ルッキズムな仏教」
-    2023年 1月14日(土)13:00-16:00 第5回「中世日本の女性の救い」
-    2023年 2月11日(土)13:00-16:00 第6回「中世日本の僧と家族」

問い合わせ先:
龍谷大学 ジェンダーと宗教研究センター(GRRC)  Tel 075-343-3458
E-mail grrc@ad.ryukoku.ac.jp   URL  
https://grrc.ryukoku.ac.jp/