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2022.09.16

吟行、句会を通して日本の伝統文化 俳句を学ぶ、「現代俳句講座」を開講【文学部】

夏期集中講義「現代俳句講座」を開講しました。本講座は公益社団法人 俳人協会ご協力のもと、1995年度から文学部の正規科目として開講し、今年度は大学コンソーシアム京都の単位互換制度を通じて受け入れた他大学生を含め計64人の学生が受講しました。  
初日は実作に必要な俳句についての知識を学び、2日目は、自然ゆたかな宇治を吟行し、実作に取り組みました。3日目は、作品を句会という場で鑑賞、評価し合い、最終日は、発展的内容の講義を行い、全日程を終了しました。

受講した学生からは、
・17字という限られた文字数の中で、自分が感じた情景などを句にするのはとても難しかった。
・実際に行って、景色を見ないと出て来ない言葉がたくさんあることに気づかされた。
・同じ経験をした人たちが、自分と違う視点で俳句を作っていたのがおもしろかった。
・限られた字数で最大限に表現できる俳句の特徴が、今後レポート執筆時に役立つかもしれない。
・同じ意味でもたくさんの表現ができる日本語と日本文化をより好きになれた。

と様々な感想がありました。

また、今年度はウクライナから来ている留学生も受講し、本学・他大学の学生とともに日本の伝統文化である俳句への理解を深め、多くの学生たちが豊かな感性を活かした新鮮な俳句を作成しました。



<宇治吟行句会作品抄>

宇治川に落ちる炎暑の日の欠片
阿弥陀堂晩夏の光放ちけり
琴坂の滴る琴音美しき
葉柳や母の故郷をうたう詩碑
青鷺の足濁流に立っており
ああ海鵜明日に向かひて羽広ぐ
河川敷麦わら帽子の君の顔
ワイシャツは肩で着るべし夏燕 
薄紅葉きみの頬まで染むるらむ
宇治橋や夏の青さも洒落た青
遅刻して片蔭走るお茶の町
海鵜の子区別のために名付けられ
橋渡り過去と別れる朝涼み

<雑詠句会作品抄>

もう少しいてもいいのよ秋燕
汗ぬぐい笑う私と君と海
新涼や遊牧民(ノマド)は包(パオ)をたたむ頃
電柱を蹴れば晩夏の音がする
初夏や藍をかさねて陶器市
癖っ毛を指に絡めて朝曇 
吟行の輪を外れては飛蝗追う
オンライン気が付けば皆夜学生
西日濃きあたりや挙手の理系女子
幾度も帰省きっぷを眺めけり
夏祭り無邪気にはしゃぐ君の顔
炎昼や一つしかない影法師
枝豆や落ちて何処へ粒一つ
負けし夏熱闘語るユニホーム
蝉の声二人の話かき消して
青空に響く和太鼓夏祭り
通りゆく知らない町の夏祭り
桜桃忌有象無象が浮く疏水