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2017.10.30

国際学部 松居竜五教授が「第15回角川財団学芸賞」を受賞

第15回角川財団学芸賞を受賞した松居教授

国際学部国際文化学科の松居竜五教授が『南方熊楠――複眼の学問構想』により、第15回角川財団学芸賞を受賞しました。

角川財団学芸賞は、アカデミズムの成果をひろく一般読書人・読書界につなげ、知の歓びを共有するとともに、研究諸分野の発展に寄与することを目的として平成15年に設立された賞です。文学・歴史・民俗・思想・宗教・言語等とその周辺分野、あるいは、それらを広範・多義的にテーマとし、高レベルの研究水準にありながら、一般読書人にも読まれうる個人の著作が対象となります。

授賞式は12月13日(水)にホテルメトロポリタンエドモンド本館にて行われます。

■松居教授のコメント
この本は様々な研究者と協力しながら、和歌山県田辺市の旧邸を中心におこなってきた約25年間の資料研究の成果をまとめたものです。こうした長い期間にわたる研究を、このような形で評価されたことを大変嬉しく思います。
南方熊楠については、伝説的な逸話や、超人的な活躍がよくとりあげられますが、論文では常に先行文献を明記し、実証的な研究手法を重んじた学者です。その上で、近代科学の限界を乗り超えるための学問構想を作り上げた。だから熊楠の研究も、まずは資料をきちんと読解した上で、実証的な方法に基づかなければならないと考えています。
大学院生の時に熊楠に興味を持ってから約25年。その一つの集大成を今回まとめることができましたが、研究は一つの面がまとまると必ず新たな展開を迎えます。熊楠について、今までは「海外での学問形成」についての研究が中心でしたが「それを日本でどのように活かしてきたのか」という面について関心があります。熊楠は日本だけにおさまらない人物。海外の研究者とも協力して、多面的な研究を進めていきたいと考えています。


受賞作『南方熊楠 複眼の学問構想』(慶應義塾大学出版会、2016年12月刊)

■南方熊楠について
1867年5月18日、和歌山生まれの博物学者、生物学者、民俗学者。
東京大学予備門を中退後、19歳から約14年間、アメリカ、イギリスなどへ海外遊学。英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、ラテン語、スペイン語に長けており、国内外で多くの論文を発表した。漢文の読解力も高く、古今東西の文献を渉猟した。性格が奇抜で人並み外れたものであるため、後世に数々の逸話を残している。

■角川財団学芸賞の詳細はこちら
http://www.kadokawa-zaidan.or.jp/kensyou/gakugei/

■本件に関するお問い合わせ先
龍谷大学国際学部教務課 075-645-7895