Need Help?

News

ニュース

2022.10.13

400年続く伝統ある大津祭についての事前学習をおこないました【社会共生実習】

 社会学部の『社会共生実習(大学は社会共生に何ができるのか―文化財から“マネー”を創出する―)』(担当教員:社会学科 教授 髙田満彦)では、コロナ禍で開催を見送られていた大津祭が今年3年ぶりに開催されるということで、宵宮・本祭で本プロジェクトの受講生が取材や曳(ひ)き手体験をさせていただくことになりました。

 10/7(金)には、その事前学習として、元田栄三氏(NPO法人大津祭曳山連盟 理事長)による大津祭についてのご講話を聴講しました。


元田栄三氏

 講話では、400年以上の歴史をもつ大津祭の成り立ちや、国指定の重要無形民俗文化財に認定された曳山(ひきやま)の見どころ、曳山の巡行順を決める「くじ取り式」からはじまり、「お囃子(はやし)」の稽古、本祭1週間前に曳山を組み立てる「山建て」、提灯が灯される中の「宵宮曳き」、「本祭」、「奉告祭」といった行事が約1か月かけておこなわれること、大津の歴史や伝統文化を学び大津の良さを発信できる人材を育てる「大津まちなか大学」の存在についてなど、古くから大津祭が地域住民にとっていかに密接でいかに大切なものであるかを教えていただきました。
 一方で、「町人文化の華」とも呼ばれるこの大津祭りは、今もほとんどの曳山を大津市中央学区の町内会が所有していますが、移住によるマンション住民の増加に伴い、曳山の乗り手や曳き手が不足している問題や大津祭を支援してくれていた有力者が市外に進出したことなどによる財源不足の課題などもあることを教えていただきました。


聴講の様子


聴講の様子

 講演後のディスカッションでは、本プロジェクトの受講生から、新しいものを取り入れてファン層を拡大することで大津祭の存続の一手を担えないかといった提案などがありました。
 当初の大津祭をいかに忠実に再現できるかという課題にも取り組んでおられるため、祭りそのものに新しいエッセンスを加えることは難しいそうですが、曳き手ボランティアの募集や参加者の門戸を開く取り組みなどをおこなわれつつあり、少しずつ新しい取り組みに挑戦されていることも教えていただきました。


ディスカッションの様子


ディスカッションの様子

 明日、明後日はいよいよ宵宮・本祭というこのタイミングで貴重なお話を聞く機会をいただいた受講生たちからの活動報告が楽しみです。


社会学部「社会共生実習」について、詳しくはこちらの【専用ページ】をご覧ください。