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2017.10.31

公開シンポジウム「人はなぜ暴力を振るうのか、その対策とは」を開催【犯罪学研究センター】

人はなぜ暴力を振るうのか、その対策とは

10月21日、龍谷大学犯罪学研究センターは、女性に対する暴力被害調査研究会(文部科学省科学研究費補助金「女性に対する暴力の実態把握と科学的妥当性・信頼性の高い被害者調査の創出(課題番号:15H01922)」)、龍谷大学矯正・保護総合センター及び龍谷大学社会科学研究所並びに日本犯罪社会学会と協働して、公開シンポジウム「人はなぜ暴力を振るうのか、その対策とは」をテーマにシンポジウムを本学深草学舎22号館101教室で開催し、約100名が参加しました。

シンポジウムでは、石塚伸一日本犯罪社会学会長(本学法学部教授,犯罪学研究センター長)挨拶に続き、浜井浩一本学法学部教授(公開シンポジウム実行委員長)から本シンポジウムの企画趣旨について説明がなされました。


石塚伸一教授(犯罪学研究センター長、日本犯罪社会学会会長、本学法学部)


 基調講演では、「暴力の解剖学」と題し、ペンシルベニア大学教授のAdrian Raine教授をお迎えし、脳、遺伝、栄養状態などの生物学的要因、および生物学的要因と生育環境など社会的要因との相互連関(バイオソーシャルな視点)から、いかに暴力的な性格が形成されるのかについてお話しを伺いました。


Adrian Raine教授(ペンシルベニア大学)


続いて、シンポジウムでは、「日欧比較―女性を対象とした暴力被害調査」と題し、ヨーロッパと日本で実施した女性に対する暴力の被害実態調査の成果について報告されました。

まず、欧州基本権機関・統計調査部門主任のSami Nevala氏をお迎えし、欧州基本権機関が2012年にヨーロッパで実施した“Survey on women’s well-being and safety in Europe”の結果とその成果についてお話しを伺いました。


Sami Nevala氏(欧州基本権機関・統計調査部主任)


次に、2016年に日本で実施した「女性の日常生活の安全に関する調査」に関する報告がおこなわれました。本学法学部教授の浜井浩一氏から「日本調査の実施のプロセス」と題して、日本における女性に対する暴力の現状や日本調査の実施に至るまでの経過について、本学社会学部教授の津島昌弘氏から「日本調査からわかったこと」と題して、日本調査の結果やヨーロッパ調査結果との違いについて報告されました。


浜井浩一教授(本学法学部)


津島昌弘教授(本学社会学部)


 そして、専修大学名誉教授の岩井宜子氏をお迎えし、これまで岩井氏が積み重ねてこられた研究成果から、ヨーロッパと日本で実施した女性に対する暴力の被害実態調査の成果の意義についてコメントをいただきました。


岩井宜子氏(専修大学名誉教授、治療的司法研究センター顧問)


 その後、シンポジウムの参加者と意見交換をしました。



 最後に、福島至龍谷大学矯正・保護総合センター長(龍谷大学法学部教授)から閉会の挨拶をいただき、本シンポジウムを終了しました。


福島至教授(矯正・保護総合センター長、本学法学部)


本シンポジウムは、神経犯罪学の立場からの暴力の原因の解明、そしてヨーロッパと日本で実施した女性に対する暴力の被害実態調査の結果を通して、日本において女性に対する暴力をどのように防いでいくのか等について考える有意義な機会となりました。