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2022.11.14

経営学部専攻科目「現代社会と企業」において、「労働問題・労働条件に関する啓発授業」を行いました

 毎年11月は、「過労死等防止啓発月間」です。この「月間」には「過労死等防止対策推進法」にもとづいて、過労死等をなくすためにシンポジウムやキャンペーンなどの取り組みが行われています。
 経営学部の開講科目である「現代社会と企業」では例年この時期に合わせて、「労働問題・労働条件に関する啓発授業」を行っています。今年は10月27日に西垣廸代さん(全国過労死を考える家族の会兵庫代表)、11月10日には古川拓弁護士(過労死弁護団)にご講演いただきました。
※ この「啓発授業」は、「過労死等防止対策等労働条件に関する啓発事業」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04730.html)の一環でのものです。

 西垣さんはご子息を過労死で亡くした経験を踏まえ、「息子の過労死から過労死ゼロを願う-大手電子機器メーカー子会社システムエンジニア過労死事件-」のテーマでお話ししてくださいました。古川さんは「働く前に知っておきたい労働法」のテーマで、過労死や働き方をめぐる法律や実態、そして課題について解説してくださいました。講演を聴いた受講生の感想を紹介します。

【西垣さんの講演について】
 今回は講演して下さり、とても貴重な機会を得ることが出来ました。息子さんを実際に亡くされた悲しみは他人には計り知れないようなショッキングなことだと思われますが、過労死をなくそうという取り組みにご尽力いただく姿勢はとても勇気と努力がいることだと思います。
 働くという行為がとても自分達にとって生きる理由にもなり、また自分を精神的に傷付けてしまうほど危険なものだと感じました。弁護士の方の「今のSEの環境は昔の産業革命と似ている」とありましたが、人間が歴史的に過ちと呼べる行為をしたことを繰り返してしまう愚かさを思うと、同時に未来にはそのようなことがないようにしなければいけない責任を感じました。また自身や周囲の身近な人が同じような状態になってしまったときに自分を守るための知識をつけなければならないと感じました。


西垣廸代さんは対面で講演されました。

【古川さんの講演について】
 今回の講演をお聞きし、労働者に保障されている権利を知っておくことは、自身の身を守ることに繋がると改めてよくわかりました。実際に友達から、「求人ページには交通費支給と書いてあったのに面接時に交通費は出さないと言われた」という話を聞いたり、「エリアマネージャーからの罵声がよく飛んでいる」といった話を聞くことがあります。身近に労働法に触れるようなことがあるということを知り、他人事ではないと感じました。
 そして、過労死、過労自死が若者に多いということも知り、ショックを受けました。仕事をするために生きているわけではないのに、職場での苦痛のために死ぬということは、その人にとっても、家族にとっても残酷なことだと思います。そのようなことが起こらないためにも、労働者に与えられている権利を多くの人が正しく認知し、労働法違反が疑われる際に「それ、おかしくない?」と言える社会でなくてはならないと思いました。
 私もその一歩として、今日得た知識を頭に入れておき、いざという時に身を守れるようにしようと思いました。ご講演ありがとうございました。


古川拓弁護士はオンラインで講演されました。

 科目担当者(細川)は、2017年度から本科目に「啓発授業」を取り入れています。例年、200~300人の学生が過労死・過労自殺問題について学ぶ機会を得て、ワークルールの重要性や権利を行使することの大切さを実感することができているように思います。今後もこのような機会を積極的に設けていきたいと思います。
                            (文責:細川孝)