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2022.11.25

2022年度第4回REC BIZ-NET研究会「高生産性・環境配慮型製法による高効率可視光光触媒」を開催

2022年11月18日(金)に、 2022年度第4回REC BIZ-NET研究会「高生産性・環境配慮型製法による高効率可視光光触媒」をオンライン(ライブ配信)にて開催しました。
今回のBIZ-NET研究会は約40名の申込があり、講師として、本学 先端理工学部 電子情報通信課程 教授の山本 伸一 先生にご講演いただきました。

講演内容・研究の背景は以下のとおりです。

 光触媒は光を吸収してエネルギーの高い状態となり、そのエネルギーを反応物質に与えて化学反応を起こし、汚れ防止・消臭・抗菌という効果を発揮し、建物の外壁・建物の内装材などに広く使われています。最近では、環境・脱CO2という視点で、排水の有機物処理や人工光合成による水から水素の発生の研究なども進められています。
 一方、光触媒として広く活用されている酸化チタンは波長388 nm以下の紫外光で機能を発揮しますが、紫外光は太陽光中に5%程度であり、太陽光エネルギーの95 %が使われていないという課題があります。そこで、太陽光や照明に広く含まれている可視光でも機能する可視光光触媒の研 究が行われています。しかし、可視光光触媒としてバナジン酸ビスマスやリン酸銀などがありますが、効率・生産性・原材料の危険性・製造時の廃液処理・材料コストという問題があります。
 山本伸一先生は、これら問題の解決に取り組まれており、「優れた可視光応答性を示すバナジン酸と第3~11族金属との化合物である金属バナジン酸を高い生産性で実現できる製法」、「第3族金属のアップコンバージョン効果を活用し赤外線や近赤外線を可視光線に変換することにより触媒効果の向上が図れる新しい可視光触媒」、「原料として塩化銀と五酸化二リンを使用した固相反応による安全かつ効率的なリン酸銀の製法」を提案されています。

今回のBIZ-NET研究会では、これらの内容をご紹介いただき、聴講者から高い評価をいただきました。


図:研究内容(一部)

※山本伸一先生の教員紹介はこちら