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2022.12.06

「農業政策論」にて講演会を実施~食糧不足から米の生産調整・水田フル活用~

2022年度後期「農業政策論」にて、10月21日・11月18日の2回にわたり、前近畿農政局長 大坪 正人 氏をお招きし、「食糧不足から米の生産調整・水田フル活用」と題しご講演いただきました。

第1回は、日本の食糧事情について、時代を追ってご説明いただきました。戦前からの戦後の食糧不足の状況と食糧増産の対策、特に近畿地方における農業水利事業の実例。高度成長期には米の生産拡大と消費の減少により米の増産から生産調整への転換、そのために実施された対策。そしてカロリー自給率の大幅な低下とその要因、特に国民の食生活の内容の変化による影響などです。今後は、国内需要をまかなえない品目の国内生産拡大のためにも、水田を米以外の生産に活用する水田フル活用が重要とのことでした。
また、行政官として37年勤務した経験の紹介と仕事としての国家公務員の魅力についてご紹介いただきました。
農業・食料問題が一人一人の食生活につながっていること、食料自給率に対する様々な考え方、それらに対する政策の一連の変化などに学生の関心は高かったようです。また、国家公務員・行政の仕事に対する興味も高く、今回の話が将来の職業選択の一助になれば、との思いでお話いただきました。

第2回は、日本農業のグローバル化の進展と農産物貿易の自由化、農業の多面的機能の重要性と食料農業農村基本法の制定、産業政策と地域政策、ウクライナ情勢と世界の穀物需給がテーマでした。さらに今後の農業の展開方向として、スマート農業、農産物・食品の輸出促進、SDGsと農業、みどりの食料システム戦略についてお話いただきました。
学生たちは、農産物貿易の自由化の影響と農業の多面的機能の重要性、および現下のウクライナ情勢が及ぼす穀物の国際需給と日本への影響に興味を示していました。今後の日本農業の展開方向としてスマート農業の重要性と農産物・食品の輸出促進に期待と将来性を感じる学生が多かったようです。また、SDGsや地球温暖化と農業の関わりとその対策であるみどりの食料システム戦略についても、強い関心があるようでした。