2022.12.14
農学研究科修士課程修了生が若手研究者優秀演題賞を受賞(第22回国際栄養学会議)
12月6日〜11日に東京で開催された「第22回国際栄養学会議(International Congress of Nutrition;ICN)」において、農学研究科 修士課程を修了された本山 結恵さん(小児保健栄養学研究室、2022年3月修了)が応募した演題が、若手研究者優秀演題賞
(Young Investigator Excellent Abstract Award)を受賞しました。
本学会は、栄養科学の研究における国際協力の推進を目的とする国際栄養科学連合(International Union of Nutritional Sciences;IUNS)が主催する会議で4年に1回開催されています。第22回となる今回は、2022年12月6日(火)~11日(日)の間、日本の東京国際フォーラムにて開催されました。日本で実施されるのは1975年の京都大会以来47年ぶりです。
【本山 結恵さんコメント】
この度はこのような賞をいただくことができとても嬉しく思います。本研究を進
めるにあたりご指導とご鞭撻を賜りました楠先生、ならびに数々のご助言を賜り
ました先生方に厚く御礼申し上げます。この研究過程で得た知識や学びを、引き
続き研究や臨床の面で活かしていけるよう取り組んで参ります。
現在は病院の管理栄養士として働いておりますが、在学中にもっと勉強しておけ
ばよかったと思うことも多いです。ぜひ在学生の皆さんには4年間の学生生活を
大事にしていただきたいなと思います。
演題名:
Nutrition intake among children with cow’s milk allergy according to the degree of elimination
演者:
Yuie Motoyama1, Yuzuna Tanaka1, Ayu Kawabata1, Tomiyo Nakamura2, Takashi Kusunoki1,3
1. Laboratory of Child Health and Nutrition, Department of Food Science and Human Nutrition, Faculty of Agriculture, Ryukoku University, Shiga, Japan
2. Laboratory of Public Health Nutrition, Department of Food Science and Human Nutrition, Faculty of Agriculture, Ryukoku University, Shiga, Japan
3. Department of Pediatrics, Shiga Medical Center for Children, Shiga, Japan
【発表内容要旨】
牛乳アレルギー児のCa摂取不足が指摘されているが除去段階に応じた検討はない。今回我々は、様々な除去段階にある食物アレルギー(FA)児を対象に食事調査を行い、牛乳アレルギー児に注目してその特徴を分析した。滋賀県立小児保健医療センター小児科アレルギー外来に通院する6~15歳のFA小児を対象として食事調査及びベジメータ®を用いた皮膚カロテノイド量(ベジスコア)測定を行ない、牛乳について完全除去群38名、部分除去群27名、、非除去群82名の3群に分けて比較した。その結果、植物性たんぱく質、βカロテン当量、αトコフェロール、ビタミンC、多価不飽和脂肪酸などは除去の程度が強いほど摂取量が多くなる有意の傾向を認め、ベジスコアも除去の程度が強いほど高値となった。一方、Ca、動物性たんぱく質、ビタミンB2、飽和脂肪酸などは除去の程度が強いほど摂取量が少なかった。牛乳除去例で抗酸化作用や抗炎症作用を持つ多くの栄養素の摂取量が多かったのは、Ca摂取を意識した代替食を積極的に取り入れている結果と推察されるが、それでもなおCa摂取は不充分であり、今後さらなる検討が必要である。
本大会については以下のURLを参照下さい。
https://icn22.org/index.html