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2022.12.23

企画立案・プレゼンテーションに苦戦【社会共生実習】

 社会学部の『社会共生実習(いくつになっても、出かけられる!~高齢者を元気にする介護ツアー企画~)』(担当教員:現代福祉学科 准教授 髙松智画)では、介護が必要な高齢の方々にも楽しんでもらえるような日帰りツアーの企画~実施を目的に活動しています。

 受講生たちは3チームに分かれて、本学にお招きしたご高齢のゲストの方々や連携先である川口内科医院(京都市下京区)のデイケア利用者様に聞き取った情報をもとに、それぞれが考える「高齢者を元気にする介護ツアー」を企画し、12/16(金)にそのプレゼンテーションをおこないました。


Aグループ発表の様子

Aグループは、蹴上周辺のツアー企画。
「食を楽しむ。季節を楽しむ。」と題して、蹴上で有名なお食事処での食事とお寺でのお参り・お茶を楽しみながら桜の鑑賞ができるツアーをプレゼンテーションしました。

Bグループは、知恩院をメインとしたツアー企画。
「まったり東山ツアー~京都の魅力を感じよう~」と題して、歴史を感じることのできるお寺巡りや四季折々の食材を用いた京料理が堪能できるツアーをプレゼンテーションしました。


Bグループ発表の様子


Cグループ発表の様子

Cグループは、京都御苑をメインとしたツアー企画。
「京都御苑散策ツアー~のんびりだからこそ楽しめる~」と題して、苑内の自然を感じながら過ごすのんびりとした時間と京都ならではの食材や京都らしい雅やかな食器を使った食事が楽しめるツアーをプレゼンテーションしました。

 いずれのグループも、「介護・介助のしやすさ」などを考慮して、タイムスケジュールに余裕を持たせること、段差がないバリアフリーの食事処の選定、お手洗いの大きさが十分ある場所のチェックなど、細部まで気を付けたツアーを企画しました。

 2週前に、同じようにプレゼンテーションに挑んだものの、ツアー参加者に楽しんでもらおうと、歩く距離が長すぎたり、レクリエーションを詰め込みすぎたりして、ハードスケジュールになっていました。また、プレゼンテーション自体も持ち時間の超過や資料の準備不足などが目立ち、企画やプレゼンテーションの難しさに直面しました。
 しかし今回は、前回の失敗を教訓に、タイムスケジュールにゆとりを持たせるなど企画を見直し、プレゼンテーションの方法も改善されて、中には実際の経路を動画に撮ったものを早送りで再生することでわかりやすいプレゼンテーションを心掛けたグループもありました。

 受講生らのプレゼンテーションを受けて、この日、アドバイザーとして参加してくださった方々から、たくさんのアドバイスやご意見をいただきました。


大西友子さん

 前回と今回のプレゼンテーションを聴講してくださった大西友子さん(株式会社どこでも介護・代表取締役)からは、前回に比べて細かいところまで目が行き届いて、ブラッシュアップ出来てきたように思う。ただ、どのグループにも言えるが、ツアーの押しポイントが自然だったり食だったりと、ありきたりなものが多い。前回のプレゼンテーションで「染色体験」を入れていたグループもあるが、そういう他にない体験などが入っていると良い。押したいところがチラシのネーミングにもなるのでもう少し練ってほしい、などのアドバイスをいただきました。
また、雨の日の対策、お食事処の感染対策についてどういう配慮をするのかなども聞きたかったといったご意見もいただきました。

 橋本英司さん(株式会社どこでも介護・旅程管理責任者)からは、食事はツアー参加者それぞれが食べたいものを頼むのも良いが、事前に予約などをしておいて統一したほうが提供される時間が早い。注文がバラバラだと提供にばらつきが出る可能性があるため、食べ始めが遅くなる方が出て次の行動に支障がでる場合がある、などのアドバイスをいただきました。


橋本英司さん

渡邉光代さん

 渡邉光代さん(医療法人 川口内科医院 デイケア・介護福祉士)からは、高齢者の方は集合時刻よりずいぶん早くいらっしゃることが多いので、集合場所には椅子・トイレが必須である。当院で集合するつもりであれば、事前にトイレ等の借用について交渉しておく必要がありそうだ。また、「杖など」という表現について、歩行器、キャリーケースもあり得るし、杖も一本杖、二本杖もある。「など」に何を含むかというところにまで配慮した方が良い。更に、靴の着脱がある場合は、杖を持つ方のサポートで靴を代わりに持つ予定であれば、靴を入れる袋に持ち主の名前を書けるようにマジックを用意しておくほうが良い、などといった細部にまで行き届いたアドバイスをいただきました。

 日頃、介護の人材確保に奔走している西村千菜美さん(大津市 健康保険部長寿政策課 事業所/施設整備室・主幹)からは、現在、母親の介護をしており、家では四点杖で移動してくれているが、外出するとなるとやはり車椅子が必須であり、本日は純粋に良い情報をいただいたなと嬉しく拝見していたが、どの企画も屋外での行動が多く、実施が3月ということで、車椅子に座っている人は寒い可能性がある。そうしたソフト面にも気を配ってプランニングいただけると更に良い企画になるのではないかと感じた。
 また、以前、二条城の砂利で車椅子のタイヤがとられて大変だったことがある。予期せぬことが起こる可能性があるので、事前に準備できることは重々していただければと思う、などといったアドバイスをいただきました。


西村千菜美さん

 受講生らは、これらのアドバイスを受けて、企画の更なるブラッシュアップを図ります。次週、更に修正・変更を加えたそれぞれの企画のプレゼンテーションをおこない、その中のひとつの企画が実施への歩みを進めることとなります。
 どの企画が実現するのか・・・結果をお楽しみに。


授業終了後もアドバイザーの方々と熱心にディスカッションする受講生


授業終了後もアドバイザーの方々と熱心にディスカッションする受講生

社会学部「社会共生実習」について、詳しくはこちらの【専用ページ】をご覧ください。