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2023.01.19

市民参加型の「びわ湖100地点環境DNA調査」を基に環境DNA出前授業を実施 コップ一杯の水から考える、琵琶湖の水圏環境と生物多様性 高校生とともに水質調査・DNA抽出実験を通して考察 < 1/28(土)9:30-12:00草津市・光泉カトリック高等学校にて開催>

【本件のポイント】

  • 「びわ湖100地点環境DNA調査」は、2021年度から滋賀県の協力の下スタートした年に 1 度の市⺠参加型の全県一⻫調査。株式会社フォーカスシステムズが協賛
  • 魚類等の生物が環境中に放出した DNA を利用した生物調査技術である「環境 DNA分析①)」を用いた国内最大規模の観測。琵琶湖の生物多様性の保全に役立て、SDGs の達成に寄与
  • 同調査を基にした出前授業を滋賀県内の高校生に向けて実施。生物多様性について考察


【本件の概要】
 龍谷大学先端理工学部の山中裕樹准教授(生物多様性科学研究センター②)・センター長)は、株式会社フォーカスシステムズとともに、「びわ湖100地点環境DNA調査」を基にした出前授業を実施します。「琵琶湖を中心とした水圏環境と環境DNA分析」をテーマに、講義と実験を組み合わせたアクティブ・ラーニング形式の授業で、今回初の試みとなります。

1.実施概要
- 名    称:環境DNA実験教室 - テーマ:「琵琶湖を中心とした水圏環境と環境DNA分析」
- 日    程:2023年1月28日(土)9:30〜12:00
- 会    場:光泉カトリック高等学校(滋賀県草津市野路町178)
- 対  象:同高校2年生(生物クラス:27名)
- 内  容:大学教員による講義、水質調査実験、DNA抽出実験、ワークショップ
- 共    催:株式会社フォーカスシステムズ(本社:東京都品川区 | 独立系IT企業)
       龍谷大学 生物多様性科学研究センター(ラボ:滋賀県草津市・瀬田キャンパス内)
- 企画・運営協力:株式会社リバネス(東京本社:東京都新宿区 | 教育・人材育成事業)

 

2.プログラム ※一部変更となる場合があります。

時 間

内 容

9:30-9:35

ご挨拶 (趣旨説明・講師自己紹介)

9:35-9:45

イントロダクション (琵琶湖の水質調査の意義・コップ1杯の水からわかること・今日のミッション提示)

9:45-10:00

講義① 水質調査に挑戦 (実験の手順説明)

10:00-10:20

実験① 水質調査実験 

(3地点から採取したサンプルを班毎に調査・パックテスト・微生物観察)

10:20-10:30

考察・発表

10:30-10:40

休憩

10:40-10:55

講義② 生物の遺伝情報・DNA (DNAって何?・DNAからわかること)

10:55-11:05

実験② DNA抽出実験

11:05-11:15

講義③ 環境DNA分析ってどんな技術?

(生物を直接サンプリングせずに、水に溶けた生物のDNAで分析可能)

11:15-11:35

グループディスカッション

(琵琶湖100地点調査の結果を使ったワークショップ)

11:35-11:45

発表・共有

11:45-11:55

まとめ

11:55-12:00

アンケート記入・解散

 

3.講師プロフィール
山中裕樹准教授(龍谷大学先端理工学部/ 生物多様性科学研究センター長)
 滋賀県長浜市出身。ポスドク時代に共同研究者と環境DNA分析による魚類の検出技術を発想、2009年より技術開発を開始。現在、環境DNA分析を広く役立つ技術に育てるため、普及とシステム作りに取り組んでいます。また、本技術をコアとした研究の社会実装プランで、「第1回 滋賀テックプラングランプリ(2016年度)」のファイナリストに選出され、最優秀賞を受賞しています。
※当日は、修士・博士学位を有す、株式会社リバネスのスタッフが実験をサポートします。

4.用語解説
①)環境DNA分析
 水や土などの環境媒体に含まれているDNA(環境DNA)の情報を基に、そこに生息する種の分布や多様性、量を推定する分析手法。元々はバクテリアや菌類などの微生物を対象としてきましたが、魚類などの大型生物を対象とした分析技術の開発がここ10年ほどで急激に技術的発展し、生物多様性観測における一般的な調査手法の一つになりつつあります。また、生物を捕獲することなく「水から」検出できる簡便さから、生物多様性の観測や水産資源の管理に革命をもたらすと、一般社団法人環境DNA学会が設立されるなど社会実装に向けた動きが進んでいます。

②)龍谷大学 生物多様性科学研究センター
 生物多様性科学研究センターは、これまで、生物種の検出のみならず、種内の遺伝的多様性も「水から」の分析を可能にしてきました。近年では種の存在のみならず「生物の状態」まで知ることを狙い、環境RNA(環境中に含まれる生物の核酸で、DNA上の遺伝情報を有す)の分析も開始したことで、総合的な生態系情報の分析へと発展しつつあります。これによりDNAだけではわからない、繁殖活動や病原菌への感染といった情報まで得られるようになると期待されます。本学の研究グループは世界的にも最古参に近く、現在世界をリードする研究を推し進めています。

5.問い合わせ先
龍谷大学 研究部
生物多様性科学研究センター Tel 075-645-2154 E-Mail  ryukoku.biodiv@gmail.com
株式会社フォーカスシステムズ
ITイノベーション事業本部  Tel 03-5420-2470 E-Mail iti_pr@focus-s.com
IR・広報室         Tel 03-5421-7790 E-Mail koho@focus-s.com