Need Help?

News

ニュース

2023.02.02

連続ワークショップ「性なる仏教」第6回 日本仏教はなぜ僧侶が妻帯するという選択をしたのか?日本仏教における出家者のあり方・生活に迫る「中世日本の僧と家族」をテーマに開催< 2/11(土)13:00-16:00ハイブリッド開催、Webから要事前登録 >

【本件のポイント】

  • 日本初の“ジェンダーを基軸とした宗教研究”の拠点・龍谷大学ジェンダーと宗教研究センター(GRRC)1)による連続ワークショップ
  • 仏教学・歴史学・美術史学など多様なフィールドの研究者が、仏教史上のマイノリティの存在に着眼し、仏教が想定してきた性のありように迫る
  • 戒律で禁じられている僧侶の妻帯による「僧の家」が古くから日本で存在したのはなぜか。中世出家者の「家」とは何だったのか。妻の役職「坊守」を確立した真宗の家族の実態に迫り、語らう機会に


【本件の概要】
 龍谷大学ジェンダーと宗教研究センター(GRRC)は、今秋からジェンダーの視点で仏教をみつめる全6回の連続ワークショップ「性なる仏教」を開催しています。最終回として2月11日(土)に実施する第6回は、「中世日本の僧と家族」について報告します。
 日本仏教の大きな特徴として、仏教の戒律では本来禁じられている僧侶の「肉食妻帯(僧侶が鳥獣魚肉を食し、妻をもつこと)」が一般に容認されていることが挙げられます。中国や東南アジアに存在する多くの仏教国では、今でも僧侶の「肉食妻帯」は禁止されています。仏教史をたどれば、中世の浄土真宗では妻帯していた僧侶も存在していましたが、大きな転換点は、明治5(1872)年4月25日の太政官布告133号「自今、僧侶肉食妻帯畜髪等可為勝手事(今より僧侶の肉食・妻帯・蓄髪等勝手たるべし事)」であるとされています。しかし実際にはこの布告以前から家族のいる僧侶は存在しており、寺宝の相続などが親子間で行われていました。
 今回は仏教における「家族」という面に着目し、中世出家者の「家」のありよう、また妻の役職「坊守」を確立した真宗の家族の実態について、史料を紐解きながら議論していきます。

 


1.実施概要
- 名 称:連続ワークショップ「性なる仏教」
- テーマ:第6回「中世日本の僧と家族」
- 日 時:2023年2月11日(土)13:00-16:00 ※2022年9月から月1回、全6回開催予定
- 会 場:①本学大宮キャンパス東黌1F(20名程度・先着順) ②オンライン(Zoomウェビナー)
- 参加費:無料 ※事前申込制
- 主 催:龍谷大学 ジェンダーと宗教研究センター(GRRC)
- 共 催:浄土宗総合研究所 浄土宗の平等思想とLGBTQプロジェクト
龍谷大学世界仏教文化研究センター(応用研究部門)、花園大学人権教育研究センター

 


2.第6回ワークショップ
(1)趣旨
「中世日本の僧と家族」

僧侶の妻帯は戒律で禁じられていますが、実際には日本では古くから僧侶が妻子を蓄え子孫に仏法を継承させる「僧の家」が存在していたことが知られています。今回のワークショップでは、日本仏教における出家者のあり方・生活はどのようなものだったのか、「家族」という面に着目します。
中世出家者の「家」とは何だったのか、また妻の役職「坊守」を確立した真宗の家族の実態に迫ります。

(2)登壇者・プロフィール
■報告者|坪井 剛(佛教大学仏教学部准教授)

報告タイトル:中世における「僧の家」の形成とその特質
プロフィール:1980年生まれ。2011年、京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。2014年に博士(文学)取得。京都造形芸術大学専任講師・准教授等を経て、2020年から現職。専門は日本中世仏教史。
主な論文に「「建永の法難」事件再考―訴訟過程の検討を中心として―」(『古代文化』66―1、2014年)、「地蔵院本『笠山会要誌』と寺誌編纂―附翻刻」(早島大祐編『中近世武家菩提寺の研究』小さ子社、2019年)など。

■報告者|板敷 真純(公益財団法人中村元東方研究所専任研究員)
報告タイトル:僧の妻の系譜、坊守の系譜
プロフィール:1989年東京都生まれ。東洋大学大学院文学研究科インド哲学仏教学専攻博士後期課程修了、博士(文学)。公益財団法人中村元東方研究所専任研究員。親鸞や関東の門弟たちを専門とする。
最近の論文は「真宗における妻の役割とその変遷―真宗史料に見る「坊守」の活動を中心に―」(2021、『東アジア仏教学術論集』九)、「真宗史料に見る妻の活動とその影響-特に十四世紀後半から十五世紀の「坊守」を中心に-」(2022、『東アジア仏教研究』二十)。

■司会|⼤⾕ 由⾹(龍谷大学文学部特任准教授/ワークショップ主催者)
プロフィール:1978年生まれ。2006年龍谷大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学後、2009年博士学位(文学)取得。2017年度から本学特任講師、2020年度から現職。東アジアの仏教戒律思想の変遷を専門とする。単著に『中世後期泉涌寺の研究』法藏館(2017年)、論文に「越境する戒律問答」(2022年)など。

(3)詳細・申込方法 (第6回ワークショップ 申込期限:2月10日 (金) 15時)
以下URLから詳細を確認のうえ、ページ内のフォームに必要事項を入力しお申込みください。
https://grrc.ryukoku.ac.jp/news/news-257/
 

 

3.用語解説
1)龍谷大学ジェンダーと宗教研究センター(GRRC)
GRRCは、仏教をはじめとする宗教研究の知見から、ジェンダー平等の実現に取り組むことを目的として、2020年4月に創設。世界の諸宗教との比較研究を行うとともに、宗教教育や社会実践についてもジェンダーの分析視角を用いて新たな視座から活動を展開しています。
 

問い合わせ先:
龍谷大学 ジェンダーと宗教研究センター(GRRC)  Tel 075-343-3458
E-mail grrc@ad.ryukoku.ac.jp   URL  https://grrc.ryukoku.ac.jp/ 


ファイルを開く

【チラシ】連続ワークショップ「性なる仏教」第6回「中世日本の僧と家族」