2023.02.14
地域住民の思い出の場所を展示した写真展を開催。予想をはるかに超えた170名もの来場者に驚きと感謝【社会共生実習】
社会学部の「社会共生実習(地域エンパワねっと・大津中央)」(担当教員:社会学科 教授 脇田健一)では、2/11(土)から2/12(日)にかけて、受講生らが一から企画したイベント「中央の記憶 レトロ写真展」を開催しました。
実習フィールドである滋賀県大津市中央学区では、地域と関わりを持たずに家に引きこもりがちな高齢者が増加しているといった問題を抱えていることを知った受講生らは、高齢者の方々が地域に足を運び交流できる場の提供を目標に活動を始めました。
目標に向かって、まずは、数台の使い捨てカメラをリレーすることで交流の輪を広げる「中央カメラリレー」を開催しました。
ここでは、40~80代の同学区住民約20名が参加してくださり、小さい頃によく遊んでいた場所やご自身のペットなど、思い思いに撮影してくださいました。

「中央カメラリレー」で利用した
使い捨てカメラのセット
次に、カメラリレーの参加者に、撮影した場所や物への思いを語りあってもらう「お茶会」を開催しました。
ここでは、次に開催する写真展に展示する作品を選定いただくとともに、その写真のキャプションとなる情報を受講生らが聴き取りました。
そして、活動の集大成として、撮影いただいた写真を展示した空間で、昔話に花を咲かせながら地域住民同士が交流できる場を提供する「中央の記憶 レトロ写真展」を開催しました。
写真展は、一連の活動に携わってくださった方々の口コミや新聞各社の記事掲載もあって、二日あわせて170名ほどの来場があり、大盛況となりました。
知人の口コミでご来場くださった桑原さんは、「昔はよく長等町にあった飲み屋街で呑んでいました。今はマンションが建ったり空き地になってしまって昔の面影がなくなってしまいましたが、この写真展に来て、当時の思い出がよみがえってきました。」とお話くださいました。
また、「中央カメラリレー」にご参加くださった佐野公信さんは「私はここ(踏切のあたり)で生まれ育ちました。今は大通りになっていますが、昔は狭い道路でこのあたりに実家がありました。」と今は無きご実家の面影を感じつつお話くださいました。
同じく、「中央カメラリレー」にご参加くださった木村徹也さんは「小さいころ、よくここ(滋賀県立琵琶湖文化館)の近くにあった公園で遊んでいました。私の叔父は文化会館の地下にあったプールで遊んでいたと聞いたことがあります。今では文化館も施設の老朽化によって入ることが出来ず移転することになっていますが、懐かしい思い出のある場所です。」とお話くださいました。
このように、来場した方々はご自身の思い出や撮影者の思いに浸りつつ、会場スタッフや企画した受講生たちと昔話に花を咲かせて楽しい時間を過ごしてくださいました。
また、写真展の会場となった大津百町館には、展示した写真をポストカードにして、想いを共有したい相手にハガキでメッセージを送ったり、記念にお持ち帰りいただけるブースも設置しました。
このイベントを企画した受講生らは、写真展にお越しくださった方々が昔のことを思い起こして懐かしんだり喜んでくださったことがうれしい。また、この会場自体がもともと地域住民の憩いの場であるため、「ちょっと寄ってみた」という方も多く、地域付き合いを肌で感じることが出来、感銘を受けた。当初の目標である引きこもりがちな高齢者の方々に足を運んでいただくことは難しかったが、来場してくださった方々が楽しんでくださったことが何よりの成果であったと話してくれました。
社会学部「社会共生実習」について、詳しくはこちらの【専用ページ】をご覧ください。