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2023.02.16

誰の発言なのか?音声から個人認識を可能にする先端技術 コンピュータによる音声の話者認識のいま シリーズ勉強会「デジタル・フォレンジック鑑定と向き合うために」

第4回『音声・話者認識の現状』
< 2/25(土)18:00-20:00  オンライン開催  Webから要事前登録>
登壇:柘植 覚 教授(大同大学情報学部)


【本件のポイント】

  • 法科学の一分野である「デジタル・フォレンジック1)」についてまなぶシリーズ勉強会
  • 音声から個人を認識するコンピュータ技術「話者認識」の現状について紹介
  • 情報技術を用いた証拠資料の鑑定に関する知識を得るとともに、司法に適用する上でどのような理論的・実務的問題点があるかを考える機会に


【本件の概要】
 デジタル・フォレンジックとは、インシデントレスポンス2)や法的紛争・訴訟に際し、電磁的記録の証拠保全及び調査・分析を行うとともに、電磁的記録の改ざん・毀損等についての分析・情報収集等を行う一連の科学的調査手法・技術を指します。
 法科学分野において、個人を認証する生体情報として、指紋やDNA、筆跡と並んで音声も古くから利用されてきました。音声には、話者の身体的特徴による先天的個人性と、話者の母語獲得過程またはそれ以降に身につけた後天的個人性があるとされます。今回の勉強会で取り上げる「話者認識」は、人によって異なる声の特徴を利用して、コンピュータが音声から個人を認識する解析技術です。講師の柘植教授には、電話や録音記録などの音声から話者を特定する技術およびその応用例などをご紹介いただきます。


 

1.実施概要
- 名    称:シリーズ勉強会「デジタル・フォレンジック鑑定と向き合うために」
- テーマ:第4回公開勉強会『音声・話者認識の現状』
- 講 師:柘植 覚 教授(大同大学情報学部)
- 日 時:2023年2月25日(土)18:00-20:00 ※2022年11月から月1回、全5回開催予定
- 会 場:オンライン(Zoom)
- 参加費:無料 ※下記URLから事前申込制
- 主    催:龍谷大学 犯罪学研究センター3)  - 司会進行:古川原明子 教授(本学法学部)

 

2.講師プロフィール
柘植 覚 教授(大同大学情報学部)
専門は、コンピュータサイエンス(知覚情報処理)。特に人が話した発声をコンピュータにより認識をすることを中心に研究を進めている。誰が話したかをコンピュータが理解する「話者認識」は、法科学の重要な分野で、科学警察研究所との共同研究も行っている。また、音声による人間とコンピュータとのコミュニケーションや、音による楽曲の検索など幅広く研究。


【略歴】
・    平成13年 徳島大学大学院博士後期課程 修了 | 博士(工学)
・    平成9年5月〜平成11年3月 ATR音声翻訳通信研究所 研修研究員
・    平成12年9月〜平成18年3月 徳島大学工学部助手
・    平成18年3月〜平成18年4月 徳島大学工学部講師
・    平成18年4月〜平成22年3月 徳島大学大学院 ソシオテクノサイエンス研究部講師
・    平成22年4月~平成30年3月 大同大学情報学部准教授
・    平成30年4月~現在 大同大学情報学部教授


【主な研究】  ※科研費研究(研究期間)の一部を記載
・    人工音声による話者認識器詐称防止に関する研究(2019-2022)
・    合成音声の検知と製品推定のためのキャラクター識別(2018-2021)
・    音声認識における誤認識要因の解明およびシステム利用のための訓練方法の確立(2013-2016)

 

3.詳細・申込方法
以下URLにて詳細を確認のうえ、ページ内のフォームに必要事項を入力しお申込みください
https://www.ryukoku.ac.jp/nc/event/entry-12054.html 
(第4回勉強会 申込期限:2/24(金)17:00)

 

4.次回(最終回)の予定 ※内容は変更することがあります。予めご了承ください。
-    2023年3月25日(土) 第5回 テーマ:「デジタル・フォレンジック鑑定の証拠能力」
講師:徳永 光 氏(獨協大学法学部教授)

 

5.用語解説
1)デジタル・フォレンジック
法科学の一分野で、主にコンピューター犯罪におけるデジタル証拠の収集・保存・解析を行うことを「デジタル・フォレンジック」と言います(日本語では「デジタル鑑識」と言うこともあります)。警察庁はインターネットが社会、経済上、普及した平成23年に「警察白書」でサイバー犯罪対策に関する特集を組んだり、サイバー犯罪専門のHP(https://www.npa.go.jp/cyber/)を開設したりするなど、その防止や捜査に力を入れています。ただし、デジタル証拠の複雑性から、この種の事件の裁判では、証拠調べや証拠の信頼性などの審議がどのようになるのか、手探りの状態であるようです。

 

2)インシデントレスポンス
コンピュータやネットワーク等の資源及び環境の不正使用、サービス妨害行為、データの破壊、意図しない情報の開示等、並びにそれらへ至るための行為(事象)等への対応等を指します。

 

3)龍谷大学 犯罪学研究センター
「犯罪学」(英:Criminology)とは、犯罪にかかわる事項を科学的に解明し、犯罪対策に資することを目的とする学問です。同センターは、2016年6月に発足し、同年11月に文部科学省「私立大学研究ブランディング事業」に採択されました。これまで建学の精神を具現化する事業として、犯罪予防と対人支援を基軸とする龍谷大学ならではの犯罪学の創生に向けた研究と社会実装活動を展開してきました。



問い合わせ先:
龍谷大学 犯罪学研究センター  Tel 075-645-2184 Fax 075-645-2240
E-mail crimrc2016@ad.ryukoku.ac.jp    URL  https://crimrc.ryukoku.ac.jp/