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2023.06.07

「地域産業活性化プロジェクトⅠ(京の老舗と不易流行)」で『姉小路界隈を考える会事務局長』の講演会を実施【経済学部】

 経済学部では、受講生が主体的に考え行動する実践型の授業に力を入れています。「京都老舗の会」の協力を得て毎年実施している「地域産業活性化プロジェクトⅠ(京の老舗と不易流行)」(担当:辻田素子教授)は今年度、チャップリンや川端康成、大内兵衞らが愛した老舗旅館の柊家を取り上げます。同旅館を支える取引先や顧客、地域社会などへの調査も行い、老舗の強みや地域とのつながりなどを多面的に分析し、一冊の本にまとめます。

 5月24日の授業では、景観保全やまちづくりに長年取り組んでこられた「姉小路界隈を考える会」事務局長の谷口親平氏をお招きして、「姉小路界隈におけるまちづくり28年」をテーマに約3時間にわたって講義いただきました。

 姉小路界隈とは、京都市のシンボルロード「御池通」、近代建築物と洒落た店舗が並ぶ「三条通」、趣ある商店街「寺町通」、京都の都心軸「烏丸通」に囲まれた東西700m、南北200mの地域です。京都らしい町並みが今に残り、その一角に柊家旅館があります。

 谷口氏は、同地域で、五山の眺望やコミュニティーを破壊するマンションの建設計画が浮上したのを機に、景観や風情を守るために立ち上がり、柊家旅館をはじめとする地元の事業者や住民らと「姉小路界隈を考える会」 を結成しました。町式目制定(2000年)、建築協定締結(2002年)、地区計画決定(2013年)といった圧倒的な活動実績と谷口氏の情熱に、学生らは強い刺激を受けたようです。

「姉小路界隈を考える会」 の活動は、京都市はもちろん、国の景観行政にまで多大な影響を及ぼしてきました。深い知識、物おじしない行動力、多言語での発信力、ゆるぎない信念、志を同じくする仲間。行政や大企業と対峙しながら、街並みやコミュニティーを守ってきた谷口氏とのディスカッションは、現実社会の課題にいかに立ち向かうべきかを考える絶好の機会になりました。

 6月8日には、柊家旅館の女将、西村明美氏をお招きし、事業継続にあたっての伝統と革新のバランスや、おもてなしの心などについてお話いただきます。その後は、同旅館に出入りされている取引先へのインタビューも予定しています。