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2023.06.22

【法学部企画広報学生スタッフLeD’s】堀 清史先生インタビュー

1.堀先生ってどんな人?

Q1.学生時代はどのように過ごされていましたか?また、どうして教員になろうと思ったんですか?


基本的に今もそうなんですが、すごい変わった学生でしたね(笑)。学生の時には、基本的にずっと勉強していましたね。他のインタビューの先生を見るとですね、「遊んでばかりいました」とか「俺勉強してなかったっすよ」とか言いながらもすごいきちんとした成績を残しておられるので、すごいなと思うんですけど。私は基本的にずっと勉強していました。大学生の頃、基本的に3回生から受けることができる司法試験を受けようと思っていたんですが、ある日、気づいたら出願の日付が過ぎていて(笑)。「こらまいったな」と思って、しょうがないので、「じゃあこの1年間何しようかな」ということで他のサークル、それまでやってなかった活動とか、あとはゼミの活動に力を入れてみたりして、そこでなんというか、ある意味では視界が広がったというところがありますね。

Q2.学生時代、民事訴訟法のゼミに入ろうと思ったきっかけはなんですか?

私のいた大学だと、ゼミが一年間の単位で区切られていて、この大学だと4セメスターから5セメスターの演習Ⅰと、6セメスターから8セメスターの演習Ⅱと分かれていると思うんですけど。私のいた大学だと、3年生で4単位、4年生で4単位という形で別々のゼミが取れたんです。そういうこともあって、色々とゼミを取ってたんですけど、元々憲法が好きだったので、憲法のゼミを一つとって、もう一つ何にしようかなと思っていたときに、たまたま法学検定試験というのがありまして。そこで、民事訴訟法の点が悪かったんですね(笑)。「あ、ちょっと民訴勉強しなきゃな(笑)」と思って、民事訴訟法を取ったっていうのが、一番、直近の動機かなと思ってて。不思議なものですねぇ(笑)。その民事訴訟法のゼミはですね、私の同級生を含めて、私がいた学年に27人の学生がいたんですけど。そのうち少なくとも5人は司法試験に受かっているので、中々優秀なゼミだったんだなぁと思っているんですけど。

Q3.民事訴訟法の魅力はなんですか?

まず民事訴訟法の魅力というのは、特に訴訟法なので、刑事訴訟法と比較するのがわかりやすいと思います。刑事訴訟法というのは、検察官が一方にいて、他方に罪を犯したと疑われている被告人がいて、それを裁判官が裁く、という構図で、基本的にこの構図は全部変わらないんですね。それに対して民事訴訟法というのは、原告と被告、訴えた人と訴えられた人がいて、誰でも訴えることができますし、逆に言えば、誰でも訴えられる可能性がある、ということで立場が入れ替わりうる状態で、そういったところで、色々と考えなければいけない点が増えるので、そういった点で、「面白い、興味深いところがある。」というのが魅力でした。民事訴訟法はすごく魅力が伝わりづらい学問で、大人になってもわかりにくいもので(笑)。

Q4.研究の世界に入ろうと思ったきっかけはありますか?

色々あるんですけど、元々学生時代に民事訴訟法のゼミに入ってまして、その時に、ゼミが面白かったのと、たまたまその大学で学会が開かれて、その学会の手伝いをしたんですね。その時に「あぁ、研究の世界はすごいことをしているんだなぁ」というふうに思いまして、そういうところがあって、民事訴訟法を勉強しようと。


2.堀ゼミってどんなゼミ?

Q1.堀先生のゼミで行っている合同ゼミはどんなことをしているのですか?

合同ゼミといっても、学内で行っているので、そんなに大きなものではないんですけど。もう一つの民事訴訟法のゼミである越山先生のゼミと合同でやっています。3年生からしか民事訴訟法の授業がないので、2年生の演習Ⅰでは、まず民法の基本的な事例、そしてそれに即して法的な議論が展開できるようにして、かつ少しだけその事件が訴訟になったらどうなるのか、そういうことを勉強しているというところです。例えば、民法で代理という制度を学ぶのですが、代理に関して民法で出される事案が、実際に訴訟になるとするとどのようにおこなわれるのか、訴訟のどういう局面で代理に関してどういう主張が出てくるのか、といったようなことも触れるようにしています。越山先生とはお互いに口頭での説明を補い合ったり、一緒に事例を考えたりしています。色々な面で、私にとっても学ぶところの多い合同ゼミです。

Q2.堀先生にとってゼミとはどのようなものですか?

やっぱり、講義科目で出来ないことを補充するっていうのが演習科目の一番の意義だと思うんですね。講義っていうのは一方的に情報を伝える側面があって、学生さんが自分で物事を考えるということが、そこまでできないんですけど、やっぱり演習科目だと自主的に自分で物事を考えていくという能力が大事だと思っています。その意味で、私にとってゼミとは、学生の皆さんが、自主性とか問題解決能力とかの面で育っていく場だと思います。

Q3.ゼミにはどんな学生がいるのでしょうか?また、どんな学生に来てほしいと考えていますか?

バラエティー豊かで、個性があって、非常になんていうか、様々な学生さんがいますね。やっぱり、ずっと国立で過ごしてきたので、国立は学生の質が均質というか、けっこう幅が狭いんですね、それに比べると私立はバックグラウンドが広くて、なんというか能力とか関心とか、全然違うので、その点でちょっと苦労はするんですけど。ただ、私のゼミにきている子たちでいうと、興味・関心はけっこうバラバラなんですが、自主的に考えてくれるところはいいところだと思います。今後もそういった学生が来てくれるといいな、と。

Q4.ゼミで学生に身に付けてもらいたい能力はありますか?

まずは、そうですね。基本的には、折角法学部に入っているので、法的に討論できる能力っていうのをまずは身に付けてもらいたいんです。ですが、それだけでなく、その基礎となる物事をちゃんと調べる能力であるとか、その調べたものをきちんとまとめる能力とか、ちゃんと表現して文章にできる能力とか、そういった基礎的なスキルを身に付けてほしいなと思います。

Q5.「ここは他のゼミには負けないぞ」という点があれば教えてください。

ないですね(笑)。本当のところをいうと、私はまだまだ教員としての経験も浅くて、ゼミとはこういうものだ、という固まった考え方もあまりないので、学生の皆さんの意見を聞いて、それに応じて、「じゃあこうやってみようか」って柔軟に考えることができるというのは、他のところには負けにくいところかなと思います。

Q6.最後に学生に向けて何かメッセージがあればお願いします。

まず、高校生に向けてだと、大学はなんというか、高校までと違って、色々な可能性に溢れたところで、自分がやりたいと思う勉強ができる、すごくいいところだと思うんですね。なので、学部の選択とか、学部の中でも何を専攻するとかもあると思うんですけど、色々なことを考えて、色々な可能性を探ってほしいと思います。大学生に向けてということになると、もちろんバイトとかサークルとか色々あると思うので、皆さん忙しいとは思うんですけど、もっと勉強しよう、というところですね(笑)。もちろんインターネットの記事とかすごく役に立つものもあるんですけど、色んな本もありますからそういうものでたくさん勉強してもらって、自分の視野を広げていってくれたらなと。ある種のバタフライエフェクトみたいなものだと思うのですが、一冊の本との出会いが人生を変えることだってあると思うんですよね。それが良い方向への変化か、悪い方向への変化かは別として。そういうわけで、結論としては皆さんもっと図書館に行って本を読みましょう、というあたりかもしれません。



3.インタビューを終えて

研究などでお忙しいにもかかわらず、インタビューを喜んでお受けしていただいてとても嬉しく思いました。朗らかで物静かな先生でしたが、インタビューの際は、明るく笑い話も加えて話していただいて、私たちも楽しくインタビューをすることができました。誰でも訴えられる可能性がある民事訴訟法。皆さんの知識にもなる分野です。ぜひ、これをきっかけに民事訴訟法に関心を持ったなら、堀ゼミへ。自分の可能性は無限。You, Unlimited.次回の教授インタビューも、乞うご期待ください。


【取材・記事】
安川宗一郎(法学部1回生)
植道茜(法学部2回生)