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2023.06.29

多様性について考える:[教養教育科目「人間とスポーツ」]平野真理子さんによる特別講演会を実施【教養教育センター】


6月19日(月)、教養教育科目「人間とスポーツ」において、平野真理子さん(平野卓球センター監督)より、「私の娘は三人三様~個を見つめて個性を伸ばす~」というテーマにてお話を伺いました。
特別講演会は、担当教員の河合美香教授(法学部)とのQ&A形式で進められ、平野さんの三人の娘さんの名前の由来などを含めたプロフィールの後、それぞれの娘さんの個性について、紹介いただきました。
長女美宇さんは、卓球選手で、講演会前日の6月18日(日)もパリ五輪代表選手選考大会の一つを激戦の末に優勝するなど、日本を代表するトップアスリート。二女の世和さんは、幼少期から卓球教室で美宇さんの球出しなど、裏方としても力を発揮して平野さんの右腕になる性格。三女の亜子さんは、発達障害と診断されていますが、並外れた集中力をもち、絵画と卓球でそれぞれ力を発揮されています。



平野さんが三人の娘さんの「個」を見つめ、それぞれの「個性」を伸ばすために常に声をかけ、コミュニケーションをとりながらサポートされている様子、平野さんが大学卒業後に赴任した特別支援学校や学級での経験が、三女の亜子さんへの関わりに影響していること、また、その間の経験は現在、幅広い年齢層と個性を持ち、多様な目的をもった会員が所属する卓球センターの運営方針に大きく影響していることなど、お話しいただきました。 
さらに、「障がいを持つ人」と「健常者と言われる人」が一緒に勉強できるよう、学校制度を変えるために奔走された経験、また、その時の組織のトップのマネジメント力の重要性についても語っていただきました。
「『健常者』ではなく『健常者と言われる人』と表現する理由は?」や「多様性を認めることは、多様性を認めない人も認めることではないか」、「体力がないのは私の個性だから、ありのままの私を認めてほしいという主張に対してどう考えるか」などの質問に対して、「多様性を認める側と認めてもらう側がいるという考え方自体おかしい。大事なことは、誰もがありのまま、自分らしく生きること。それはワガママを押し通すという意味ではなく、お互い個性を尊重し合うこと」と平野さんの考えを伺いました。



最後に平野さんから受講生に対し、「一期一会を大事にしてください。偶然の出会いが、自分の人生を変える運命の出会いになることもあります。それは自分の受け止め方次第。出会いを大切に。」また、「自分の名前の由来を知っていますか。願いを込めて名前をつけてくれた人達は、きっとありのままのあなたを大切に見つめてくれています。」とメッセージが送られました。



学生からは「自分の価値観の狭さを実感した」、「『健常者』という言葉の理解が変わった」「個性を大事にし、夢を叶えるために努力する人を応援することは素敵なこと」、「短所と考えがちなことが長所となり得ることを知った」「熱い話に聴き入り、あっという間の90分だった」などの感想がありました。

限られた時間でしたが、平野さんの熱い話が多様性について考える契機なれば、、、。何より、多様であることが当たり前になり、多様性について考える必要がなくなれば、と思います。