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2023.07.06

【法学部企画広報学生スタッフLeD’s】越山 和広先生インタビュー

1.越山先生ってどんな人?

Q1.越山先生は、学生時代どのような学生だったとご自身で思われますか。


結構、真面目に勉強はしていました。しっかり授業に出て勉強していましたが、友達たちと飲みに行くこともしていました。

Q2.越山先生はドイツの大学で法学博士号を取得されていますが、なぜドイツに行こうと思ったのですか?

これは高校時代まで遡って話さないといけないですね。(笑)もともと高校の頃は法学部に興味は無く、どちらかというと文学や考古学とかの方面をやりたいなと思っていたんです。でもある理由で、法律家を目指すようになったんです。高校の先生にもうるさく言われていたんですよね。(笑)まあそんな感じでついつい法学部に入学し、司法試験も受けたんです。だけど、当時の司法試験は今と比べてとても難しく、必死に勉強したんですけど、3年間落ち続け、燃え尽きてしまいました。そこでゼミの先生に相談したところ、他のことを考えたほうがいいと言われ、何をやろうか考えました。じゃあどうしようかなという事で、先生のすすめを受けて大学院に行ってみたんです。大学院では日本の法律について研究するんですけど、日本の法律は、明治時代以降ヨーロッパの法制度を元にして組み立てられているので、その元になっているヨーロッパの法制度から学ばないといけない、ということに気づきました。そこでドイツ語や英語を学び直しました。たまたまその時に、母校がドイツの大学と交流していて、後の私の師匠となる先生がドイツの大学から招待されたんです。それで本当に偶然なんですけど、私がその先生の日本滞在中にお供というかお世話をする係になったんです。1週間ぐらい滞在されたのですが、その時に師匠から「お前には随分世話になったから、お前がドイツに行きたいなら俺のところで勉強してもいいぞ。」というお話をいただいたんです。少しリスキーではあったんですが、論文や勉強で行き詰まっていたし、幸い奨学金も貰えたので、思いきってドイツに留学しました。師匠にとても親切にしてもらい、なんとかドイツ語で論文を書けるところまでになりました。それが1つの自信になりましたね。ドイツへの留学はほぼ全て偶然が重なった出来事ですね。カッコよく言うと出会いでしょうか。(笑)

Q3.ドイツに実際に行かれて、ドイツと日本の間にはどのような違いがありましたか?

ドイツ再統一の直後に行ったんですけど、実際に困ったことで一番特徴的だったのは、郵政などが民営化されていない中での、郵便、公共機関や役所の対応の悪さですかね。日本のサービス業の感覚でいくと、公務員であってもサービスをしっかり意識してますよね。まあ昭和時代はひどかったですけど(笑)。ドイツでの公務員の仕事ぶりは昭和時代の日本の役所以上にとんでもなくて、すごくびっくりしましたね(笑)。例えば窓口が10個ぐらいあるから全部開けてほしいと思うのに、3個ぐらいしか開いていなくて、並んでいるとお昼休みだからといってパッと閉めちゃったりして、すごい考え方だなって思いましたね(笑)。
日本でドイツの語学学校に行っていたから、ドイツ語は少しはできるだろうと甘くみていたことも大変でしたね。どこの国に行ってもそうなんですが、現地行って最初のしゃべりって大変で、最初の空港からフランクフルト市内に出たときに数字が聞き取れなかったんですよ。ドイツ語は二桁まではわかりやすいんですけど、三桁からが聞き取りがむずかしくて、たしか150マルク、当時はマルクだっただけれども、その150の100の部分がわからなくて、50?そんな安いか?と聞き間違いをしていましたね(笑)。自分はドイツ語をできるだろうとひどく過信していたので、それを打ち砕かれたことが一番大変でした。

Q4.越山先生は民事訴訟法を専門とされていますが、民事訴訟法を専門としたきっかけを教えてください。

民事裁判官をしている親の姿を見ていて、裁判手続きについての法律には関心や親しみみたいなものがあって、それで民事訴訟法のゼミを大学で選びました。

Q5.越山先生のご趣味は何ですか。

クラシック音楽を聴くのは好きですね。私の研究室に来ていただければわかるんですが、クラシック音楽のCDが何百枚あります。まあ、オーディオ装置はさすがに置けないので小さいものを置いています。CDは家に置けなくなったものを学校に持ってきているのですけどね(笑)。
それと、子供の頃から動物や植物を育てるのが好きで、マンション暮らしになってそれができなくなったので、ずっと諦めていましたが、最近になって、できることはやりたいなと思い植物を育て始めました。犬や猫は流石に飼えないので、数年前にメダカを飼ってみたんです。それが実に面白くて、去年は失敗したんですけど、今年の夏に30匹ほど増えました。メダカは繁殖が簡単にできて、面白いのでそれに一番はまってます。餌をあげると寄ってくるんですよ(笑)。趣味と言われるとその2つになりますかね。 


2. 越山ゼミってどんなゼミ?

Q1.越山先生のゼミの強みや特徴について教えてください。


民事訴訟法って3回生になって始めてやる科目なんですよね。でもゼミは2回生の後期から始まるので、ズレがあってやりづらいところがあるので、まず最初は、裁判の仕組みや組み立て方を理解するために、民法の問題をつかって、当事者はその事件で一体どういう利益を得たいと思っているのか、そのためにはどのような主張をする必要があるかを考えてもらっています。そして、その理屈を文章で表現することを目標としています。論理的な文章の組み立て方を学ぶことは、学生時代には定期テストで役立ちますし、世の中に出ても自分の考えを相手に伝え、まとめるときに役に立ちます。ゼミではそういった力がつくようにお手伝いしたいなと思っています。

Q2.ゼミには、どのような学生に来てもらいたいですか。

難しい質問だなぁ(笑)。勉強はできるかできないとかではなく、やればだれでもできるので、元気で明るくて真面目だったらそれが一番良いと思ってます。ぜひ、そういう人と一緒に勉強したいですね。

Q3.学生やゼミ生と関わる上で意識されていることはありますか。

学生さんが持っている力を見てあげて、その力を発揮できるようにお手伝いをすることが我々教員の役目だと思っているので、そこを強く意識して授業をしています。

Q4.学生やゼミ生に大学生活を通して、身につけてほしいことや成長してほしいことを教えてください。

私自身の学生時代の経験から言えることは、司法試験を受けたり、ドイツ留学をしたりと結構チャレンジングなことばかりをやってきたんですよね。(笑)あと、そもそも大学の教員になること自体が就職活動とは違う世界なので、超チャレンジングなものなんですよね。上手くいくか分からないことをずっとやってきました。もちろん失敗したものもあります。ですが、せっかく1回の人生ですから、何か目の前にチャレンジできるような事があるなら積極的にチャレンジして欲しいですね。上手くいくかはやってみないと分からないと思うので、最初から諦める人にはなってほしくないですね。失敗したって大したことないですよ。(笑)


3. 学生に向けて

Q1.龍谷大学の好きなところを教えてください。

3年前の夏のある日に、急にすごい雨が降ってきて、私は傘を持っていなくて、門の辺りで途方に暮れていたんです。そうしたら、なんと3人の人に「どうしたんですか?傘に一緒に入って、そこまで一緒に行きましょうか?」と言われて、これはこの大学の一番いいところで、みんな礼儀正しくて、優しい、親切っていう、そういう気持ちが大学全体に結構あるなとずっと思っていて、すごく気持ち良く仕事ができる環境だなと思っています。そこが一番いいところだと思っています。

Q2.学生に向けてメッセージをお願いします。

今、日本だけでなく世界全体が不安定な状況です。法学部で法制度や政治の仕組みの基本を学んだ上で、本当にこの仕組みのままでいいのか、本当にこれで世界を救えるのか、ということを最終的には考えて欲しいですね。また、皆さんが抱えている社会への矛盾や疑問を解決するための手がかりを法学部の学びの中で発見して欲しいと思います。


4.インタビューを終えて

当初、私たちはインタビューが上手くできるかどうか非常に緊張していましたが、越山先生の温かいご対応のおかげで、スムーズに進めることができました。また、実際に越山先生とお話をさせていただくことで私たち自身も多くの学びを得ることができました。
自分の可能性は無限。You, Unlimited.次回のインタビューも、乞うご期待ください。


【取材・記事】
法学部学生広報スタッフ LeD's
山本 真央(法学部3年)
砂川 さやか(法学部3年)
蓑方 稔人(法学部3年)