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2017.12.20

「第8回アーバンデザイン甲子園」で阿部大輔ゼミナールが優秀賞と審査員特別賞をダブル受賞【政策学部】

 2017年12月10日に開催された日本建築学会近畿支部都市計画部会主催「第8回アーバンデザイン甲子園」で、政策学部阿部大輔ゼミナール(石家由実子、和泉汐里【代表】、大仲智也、岡本万梨子、田中壱穂【副代表】、田中佐季、田中裕稀、田中優大、中村裕也、筈谷友紀子【副代表】、平田小百合、古川雄太、増谷香乃子)が前期と後期に取り組んだ作品がそれぞれ「審査員特別賞」と「優秀賞」(準優勝)を受賞しました。阿部ゼミにとっては、2年連続でのダブル受賞の快挙となりました。

■優秀賞
 都市の《地》《層》を解く
【概要】縮小社会の到来に、都市デザインはどのように貢献できるのだろうか?縮小のプロセスを実態的に捉えつつ、低成長時代の都市に新たな価値を見出し、エリアの自律的な再編を促すような縮小都市計画論を構想する。まず、「少子化格差」(=幼年人口の動態が都市内で大きな格差となって現れている現象)の存在をリサーチで明らかにした。少子化格差は放置すると幼年人口の格差だけでなく、地域を支えてきた様々な空間的・社会文化的格差の助長にも繋がりかねないという点で看過できない。次に、縮小計画論の新たな視座として、近現代が都市に刻印してきた空間的履歴(例えば都市計画事業で実現された建物疎開など)に着目し、それを「アーバン・アーカイブ」として価値付けを試みた。そしてその両者が交わるエリアにおいて、社会・文化・空間資源を埋め込み直すことで地域社会の営みを回復し、地域空間のレジリエンスを高める《包摂近隣住区》を提案する。

■審査員特別賞
 都市に宿る移ろいのカタチ 宿泊を介した都市環境のストック化
【概要】京都市では、好調なインバウンド観光の一方、ベッド数の不足が明らかであり、宿泊施設建設の需要が高まっている。そうした中、特に急増しているのが従来のホテルとは異なる「簡易宿所」である。さらに近年、簡易宿所の中でも民泊やゲストハウスとは異なる、新築のペンシルビル型の投機的な宿泊施設が急増している。そのような新しいタイプの宿泊施設をインスタントホテルと定義した。投機的なインスタントホテルの地域への増殖は「場所の消費」を後押しすることが懸念されるが、単なる総量規制や立地規制は現実的ではない。宿泊施設は今後も都市内に増え続けることを前提に、宿泊施設の立地が界隈のポテンシャルを引き出すための都市デザインの方法として、Lodging Improvement District [LID](=都市空間のリノベーションに寄与する宿泊施設の立地促進)と地域共生型宿泊施設 Local Engagement Hotels [LEHs](事業性を担保しつつ、地域の生活基盤の向上に寄与する宿泊施設の設計)を提案する。

このコンペは2010年より開催されており、近畿圏の大学・大学院におけるアーバンデザインや都市計画・まちづくり の演習、実践、卒業設計等を集めて、教員・学生が一同に会し、作品発表・意見交換・情報交流を行うものです。審査員は近畿に拠点をおいて活動する新進気鋭の実務家が担っています。

 今年は27作品の応募の中から以下の12作品が入選し、入選チームのみが最終審査に挑みました。
01 神戸大学大学院 《備讃瀬戸の駅-巡り重なる空間の連なりが、高松の海とまちをつなぐ-》
02 明石工業高等専門学校 《川湊の漁協》
03 大阪市立大学大学院 《川に気づき、川と築く》
04 大阪産業大学 《QUARREL LINE》
05 大阪工業大学大学院 《古民家改修プロジェクト「まちらぼ」》 ※優秀賞
06 龍谷大学 《都市の「地」「層」を解く》 ※優秀賞
07 信州大学大学院 《ちょっとそこまで、芹田散歩。》
08 明石工業高等専門学校 《MOTOKOH REBOOT PROJECT》 ※審査員特別賞(高岡賞)
09 大阪大学大学院 《「となりの里山へGO!」大都市近郊の里山の地域の魅力を伝える》
10 関西大学大学院 《貝塚をめぐるサイクルツーリング》 ※最優秀賞(高木賞)
11 大阪工業大学大学院 《湯の叙景》 ※審査員特別賞
12 龍谷大学 《都市に宿る移ろいのカタチ~宿泊を介した都市環境のストック化~》 ※審査員特別賞(忽那賞)

建築系の学部・大学院からの参加が大多数を占める中で、アーバンデザインを専門的に学んできたチームとしての力をプレゼンでも議論でも十分に出し切り、見事ダブル受賞に輝きました。

■リンク
「第8回 アーバン・デザイン甲子園 結果発表」
阿部 大輔准教授 紹介ページ