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2023.10.20

法学部企画広報学生スタッフLeD’sインタビュー/『生誕110周年記念特別展「團藤重光の世界-法学者・最高裁判事・宮内庁参与」』を見て(1)【法学部】

はじめに
今回LeD’sの顧問である畠山先生がこの團藤プロジェクトの代表ということもあり取材させていただきました。法学部に所属していますが恥ずかしながら團藤先生のお名前は存じていただけで具体的な活躍までは知りませんでした。
私は法学部に入学して早いもので3年目になりました。授業では刑法、民法、憲法、刑事訴訟法などなど様々な法律を学びました。法学部に入るまでは「この法律はおかしい」「何でこんな法律にしたの?」と思うことがありました。皆さんもそのような経験はないでしょうか。ですが、授業を受けているうちにその条文に狙いを理解できるようになりました。もちろんすべてを理解できたわけではありませんが、少しずつではありますが成長したなと自分で感じます。
さて、それぞれの法律はそれぞれの狙いがあって作られています。このインタビュー記事は團藤重光先生の展示会についてのものです。團藤先生は刑事訴訟法を作られた方であり、日本の法学界に大きな影響を及ぼした方です。この展示会では團藤先生のメモなどから先生の考えの一端が垣間見ることができ團藤先生が何を思い、何を願ってこの法律を作られたのかを知ることができます。
今回の展示会は終了していますがもし、次に開催されたときは法律に興味がある人はもちろん、法律をあまり深くかかわってこなかった人にもぜひご来場していただければと思っています。

團藤展・團藤プロジェクトとは
東京大学法学部教授や、最高裁判事などを務め、日本の法学界に多大な影響をもたらした團藤重光先生が制定に関わった立法資料(審議会などに関する各種資料)や最高裁判事として関与した事件に関するメモなど多種多様なコレクション(以下「團藤文庫」という)が、現在本学矯正・保護総合センターにおいて所蔵されています。
同センターでは、團藤先生より團藤文庫を寄贈されて以来、團藤文庫研究プロジェクト(以下「團藤プロジェクト」という)を立ち上げ、調査研究活動を遂行しています。
團藤プロジェクトでは、團藤文庫の所蔵史料を社会に広く公開することや教育に役立てることを社会的使命として掲げ、史料の公開と発信を続けています。團藤プロジェクトでは上記史料の公開と発信の一環としてこれまで都合3回の展示会(團藤展)を開催しています。(今回は3回目の展示会になります)。
今回、インタビューを引き受けてくださったのは、龍谷大学 矯正・保護総合センター リサーチ・アシスタント(團藤プロジェクト・アーカイブズ系担当)、法学部 非常勤講師を務める太田宗志先生です。先生の研究テーマは「法学者・團藤重光の人物研究、團藤重光の旧蔵資料「團藤文庫」)の研究」で、現在は複数の研究者と協力しながら團藤文庫の研究を進めています。2021年には国立公文書館が創設した「認証アーキビスト」に認証され、研究と同時に資料の保存やデジタル化などを行っていらっしゃいます。

今回の團藤展について
Q. 團藤展は過去に2回行われていましたが、今までと今回の展示会のテーマの違いは何ですか。
A. 1回目はですね、2014年に開催しました。寄贈を完了したのは2012年で、團藤先生がお亡くなりになったのがその年の6月なので、6月以降に資料をこちらの方に移転していただいて、その際に資料の全部を見るということになりました。受贈いただいたということで、まず社会の人々にお見せして團藤先生が何を目指していたのかを知っていただかなければと考えました。遺した資料を見て、2次利用して活用してもらうということを原資料の所蔵者として團藤先生は望まれていました。ですから、資料の公開と・発信を推進していくというのが、團藤プロジェクトの目的の1つだと思っています。
1回目はそもそも團藤重光という人がどういう人なのかを知ってもらうということで、團藤先生のライフコースにフォーカスを当てた展示を行いました。2回目の展示は2015年に行い、その時は「いのちといのり」というテーマを決めて1回目よりは小規模に3日間だけ開きました。「いのちといのり」ですので、團藤先生の宗教に関わる資料などを展示しました。仏典など様々なものがありますが、書物には赤線が引いてあったりして調べたりした痕跡があって、とてもよく勉強されていたことがわかります。また、「いのち」に関わるものとして戦時中のものなども展示しました。

人気の展示は?
Q. 今回の展示で、見学者に人気な展示物は何ですか。またどんな方が見学に来られますか。
A. やはり「雑記帳」ですね。NHKでの團藤先生の事件ノートの放送を見て実物があるということで、足を運んでくださっている方や、親子で雑記帳を見に来られた方もいらっしゃいました。
また、お話した人の中で、「しっかりと見たかったけど、老眼鏡忘れてしまって滲んでよく分からなかったので、また来ます」と仰っていた方もいらっしゃいました。
他にも、大阪空港公害訴訟を番組を通じて知り、圧力を示唆するようなものがあることや司法権の独立について考えて、ここまで足を運んでくださる方もおられます。そもそも團藤先生の存在を知っていたけど忘れてしまったが、番組で思い出して、「こういう人だったんだ」という風に見に来てくださる方もおられました。あとは、当時弁護団に参加していた方やそのご家族など團藤先生との関わりが実際にあった方もお越しになっていました。彼を取り巻いた人々、もしくは彼を通じて色んな思いを持った人々が、日々訪れてくださって嬉しかったですね。展示会場でたくさんの方とお話して私自身様々な思いをしたし、すごく力づけていただきました。
このような展示をして発信することで、色んな方が来てくださるというのもわかったので、来て下さる方の期待に応えていけたらと思います。それも大学の使命の1つだと思っています。

イチオシの展示
Q. イチオシの展示品は何ですか
A. 難しいですね…。でも、やはり思うのは、写真をああいった形でコラージュしたものを貼り付けていることも、1つの売りじゃないけど、こちら側からの見てほしいところではあります。あれ実は、会期中に追加で貼り付けていて、最後に成長する展示を目指しているんです。まだちょっと力及ばず、展示品の入れ替えが一部入れ替えできていないですけれども、色々見ていただきたいなと思います。生まれてから晩年に至るまでの写真の流れから團藤先生がどういった人生を歩んできたのかっていうのをちょっとわかってほしいというか、伝えたいというのがあります。写真資料がたくさんあるので、それをみなさんに見ていただきたいなと思いました。


今回のインタビューは非常に長いものとなったため今回は一度ここまでにしたいと思います。実はインタビュー前に團藤展の展示会場で太田さんに解説していただきながら回るというとても贅沢な時間を過ごしました。ただ見るだけではなく理解しながら見ることはすごく大事だと思いました。
近日中に続編を公開するのでぜひ期待していてください!!

【取材・記事】
法学部学生広報スタッフ LeD's
伊藤 千夏(法学部3年)
川上 桃佳(法学部3年)
鈴木 啓太(法学部3年)
山本 真央(法学部3年)