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2023.10.30

荒木 浩氏(国際日本文化研究センター教授)による講演会を開催【法学部】

荒木 浩氏(国際日本文化研究センター教授)による講演会を開催【法学部】

龍谷大学法学部は、10月27日に3、4回生対象の専門科目「マスコミ論Ⅱ」受講生らを対象に講演会を開き、国際日本文化研究センター(日文研、京都市西京区)教授の荒木浩さんが、6月に刊行した自著『京都古典文学めぐり』(岩波書店)の出版に至る過程、研究成果を紹介する工夫などを解説しました。

「マスコミ論」は、新聞や出版などの紙媒体やネット、映画など、各種メディアの実際について学ぶのが目的です。本年度は、内田孝・非常勤講師が、主に書籍が企画され、書店に並ぶまでの過程を取り上げています。
荒木さんの研究対象は主に、京都を舞台にした平安時代の文学。『源氏物語』を扱った単著なども多数執筆する一方、『今昔物語』を通じてインドや中国など近隣諸国と日本の文学作品の影響関係、現代アニメと古典文学など幅広いテーマで研究を進めてきました。『京都古典文学めぐり』は、読者を物語が展開された実際の場所にいざなうことが目的で、新聞連載をベースに大幅加筆し、新たに編んだものです。
荒木さんは「高校での京都への修学旅行が、古典研究を始める契機に」などと自己紹介を交え、出版社と著者は、出版に向けてどんな打ち合わせを進めていくかを具体的に解説しました。「原稿を書くのは筆者でも、書名や表紙のデザインは出版社が決めることが多い」などと体験に基づき、書籍編集の実際を紹介すると、受講生らは真剣に聞き入っていました。今回の著書のベースとなった新聞連載を担当した内田・非常勤講師は、新聞連載時の実際を補足説明。龍谷大学図書館の協力で「奈良絵本 大和物語」の美しい絵巻が紙面を飾った経緯などを伝えました。

学生からは、質問事前に寄せられたものを含め、タイトル決定の流れや京都が舞台の古典を研究する意義のほか、「ゼミでの共同作業をスムーズに進めるにはどうしたらいいか」といった質問があり、共同研究の経験を踏まえて荒木さんが回答していました。