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2023.11.15

沖縄県の高校生が龍谷大学を訪問【社会学部】


2023年11月9日(木)に沖縄県教育委員会主催「進学エンカレッジ推進事業」の一環として、沖縄県の高校生が本学深草キャンパスに来校し、模擬講義受講・在学生との交流・キャンパス見学を行いました。

進学エンカレッジ推進事業は大学や企業を訪問して、「何のために大学に行くのか」「大学で学ぶ意義は何なのか」を考えることを通じ、今後の高校生活の糧を得ることを目指す教育取組です。本学では社会学部の川中大輔准教授がコーディネートを務めました。

模擬講義では、「多文化共生社会をデザインする−自己中心主義的なものの見方に挑む−」をテーマに成就館で行われました。まず価値観の多様化をめぐる両義性にかんする説明があり、自らにとって異質性が高い他者と共に生き、調和を創り出していく現代的課題が確認されました。その上で、今回は多文化共生の推進について考えることとなりました。
具体的には学校教育現場で起こっている葛藤の一つを題材とするワークショップに高校生が取り組み、意見を出し合う時間が設けられました。
高校生にとっては、自らの身近なところから社会をつくり変えていくことを体験的に学ぶ機会となりました。

その後、社会学部の在学生と高校生との交流が行われました。「大学では何を学び、どのように学んでいるのか?」「高校では何を学び、どのように進路を決めたのか?」といった質問が飛び交い、在学生と高校生の間で活発なやりとりがなされました。

この日の終盤では、模擬講義の内容も振り返りながら、現代社会において「大学で『学ぶ』こと」の意味について「共に広く深く考える場としての大学」「問題を発見する場としての大学」「多様な人と交わる場としての大学」というキーワードでの説明が川中准教授からなされました。
高校生が進学することについて考える機会となりました。

【協力いただいた在学生の声・浅田裕也さん/現代福祉学科4回生】
 今回の高校生との交流は私自身にとても良い経験であったと感じました。高校生はとても素直で、他者の考えを尊重しながらも、自分自身の考えをしっかり述べていました。
私が高校生の時にはこのような機会がなければ物事を多面的に考え、議論をすることもなかったので、とても良い経験になったのではないかなと思われました。
また、高校生の考えを聞くことで私自身の価値観も広げる必要があるのだとも気づかされました。

【川中大輔准教授のコメント】
 私たちは無自覚のうちに自己中心的なものの見方にとらわれてしまいます。そして、無自覚のうちに異質性の高い他者を遠ざけたり、抑圧したり、排除したりしてしまいます。だからこそ、自分にとっての「当たり前」に対し、批判的/相対的に思考する態度を育み,自らの生き方に結びつけていくことが求められてきます。一人ひとりがそうした変容を遂げるにあたって、大学はどのような役割を果たすことができるのだろうか。今回はこうしたことを改めて考える機会となりました。学びの場を共にしていただいた高校生や引率された先生方、添乗員の方々、沖縄から同事業推進を支えておられる方々にこの場をお借りして御礼申しあげます。


模擬講義の様子


在学生との交流の様子