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2023.12.04

【文学部】【実践真宗学研究科】宗教間対話実習を実施しました

 
 本学の大学院・実践真宗学研究科の院生が、ドイツでキリスト教神学を学ぶ留学生と「宗教間対話実習」を実施しました。
 この「宗教間対話実習」は、1回生ゼミの院生と「臨床宗教師総合実習」を履修している院生が、異なる宗教的立場の方々と、バラエティに富むテーマのもと対話する実習です。
 キリスト教神学を学び、将来は神父や牧師を目指す留学生と、仏教(浄土真宗)の僧侶とは宗教的に立場が大きく異なります。
 しかし直面している課題は共通するものが多くあります。


大宮学舎本館にて

 
 最初に取り上げたテーマは、臨床宗教師についてでした。実践真宗学研究科で学修することができる臨床宗教師についてドイツ語で紹介し、実習のプログラムについては英語で説明しました。
 留学生の皆さんからは、ドイツではすでに多くのチャプレンが活躍していることをお聞きしました。宗教者に求められている課題が、共通していることを知らされました。それと同時に、国や文化・宗教的背景が異なるので、それぞれの状況に応じて展開していくことも大事だと、深く考えることができました。
 現実社会のなかで、さまざまな課題があって、宗教者への大きな期待が寄せられていることを、肌で感じることができました。



 後半は留学生と院生の相互の質問から、バラエティ豊かなテーマについて、対話が進みました。 ドイツからの留学生から見た日本の興味深いところとして、ドイツでは多くの人が、自身をキリスト教であると認識していますが、教会にお祈りに行く方は少なくなっています。
 日本の方は『無宗教です』といいながら、 いろんなお寺や神社によく参拝されるのが面白いです。 と、お聞きしました。国や言葉・文化・宗教などが異なる方からの一言は、自分自身で気づけていないことを気づかせてもらえることがあると感じました。
 取り上げたテーマの中には「死別など悲しいご縁をどのように受け取るのか」という深い質問がありました。キリスト教と仏教、お互い異なった宗教を背景にしていますが、やはり自らの宗教が明確であることによって、死別の悲しいご縁であっても、大きな安心のなかに受け容れることができることは共通していることが明らかになりました。


 
 宗教間対話は異なった宗教を背景に持つ人々が、お互いがお互いの立場を尊敬しつつ対話を進めることで、共通する課題や相違する感覚などが明らかになる、有意義な実習です。
 「来年度も是非とも実施しましょう」と、この度の「宗教間対話実習」を終えました。
 


ドイツの留学生と